2年次は、1年次で学んだ法律学の基礎的知識を基盤として、各法分野の総合的・発展的な理解をめざします。必修科目として用意されている憲法総合、民法総合、刑法総合、民事訴訟法総合、刑事訴訟法総合、行政法総合などの総合科目を通して、基礎的な知識をより強固にするとともに、それらの法理論が具体的な事例や各種判例においてどのように解釈・適用されるのかを学修していきます。 法学既修者として入学する場合、当研究科での学修はここから開始されます。1年次で学ぶ法律学の基礎知識は既に備えているという前提で、これらの総合科目を通し、学部等で十分に学びきれなかった部分をカバーし、補強していく役目も持っています。 こうした総合科目においては、法律基本科目の発展的・応用的な理解を進めることはもちろん、法的な問題発見能力、問題解決に向けた議論構築能力を修得することをめざします。社会で活躍できる法律家になるためには、生の事例から自らの力で法的な問題点を見つけ出し、解釈を行い、適切な法的判断を下さなければなりません。現実に発生する法律問題の多くは唯一の正解などなく、それぞれの立場ごとに異なる観点の議論と解決方法の主張が可能です。こうした多角的視点から法的議論を構築する能力は、プロの法律家として不可欠であり、法的知識に加え自らの主張を伝える高い表現力、コミュニケーション能力も必要となります。
2年次には、多様かつ多角的な視点・能力の養成という観点から、さまざまな実務系基礎科目が用意されています。たとえば、弁護実務に関しては民事弁護・家事弁護・刑事弁護など事件の性格に応じた個別の科目が設置され、さらに労働訴訟・企業法務の実務基礎なども含めて、弁護士が通常取り組む実務分野がすべて包摂されています。これらの科目は各分野のエキスパートである弁護士教員が担当し、実務の経験に根ざした授業を受けることができます。他にも、臨床法学教育(リーガル・クリニック)やエクスターンシップを通じ、現代社会の先端的な法律問題に関連する実際の事件を対象とした学修が可能です。こうした過程で、机上で学修してきた法の内容が、実際にはどのように解釈・適用できるのかを肌で感じ学ぶと同時に、法曹として働くことの意義や課題を意識することが可能となります。 このように、2年次のカリキュラムは、法律基本科目の理解を深化させると共に、そこで学んだ法律理論が現実にどのように活用され、実践されているかを、実務の世界を通してより直接的に学びとることを主眼としています。それは、自身が将来どのような法律家を目指すべきかを改めて考える機会をも提供するものです。
慶應義塾大学大学院法務研究科および上智大学大学院法学研究科法曹養成専攻との間では、「相互履修制度」を設け、互いに設置科目の提供を行い修得単位の互換も実施しています。各校が得意とする分野の科目を提供し合い、相互補完することで学生の学修意欲を高め、より質の高い法曹の養成をめざします。
行政事件訴訟実務、金融法、信託法、医事法Ⅱ、サイバー法、開発法学(法整備支援論)、災害興法学、Corporate Governance & Risk Management、Drafting International Agreements、Government Relations and Law
春学期 | |
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科目名 | 単位 |
民法総合I | 2 |
会社法I | 2 |
民事訴訟法総合I | 2 |
刑法総合I | 2 |
刑事訴訟法総合I | 2 |
憲法総合 | 2 |
行政法 | 2 |
計14 | |
法曹倫理※ | 2 |
※2年または3年春学期に履修 | 計0~2 |
秋学期 | |
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科目名 | 単位 |
民法総合II | 2 |
民事訴訟法総合II | 2 |
会社法II | 2 |
刑法総合II | 2 |
刑事訴訟法総合II | 2 |
行政法総合 | 2 |
計12 |
春学期 | |
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科目名 | 単位 |
【外国法基礎】 | |
留学準備講座 | 2 |
【隣接科目】 | |
生命科学と法 | 2 |
法と公共政策 | 2 |
立法学 | 2 |
法と心理学 | 2 |
※1年配当または上記の中から修了までに2科目(4単位)以上履修。 |
春学期 | |
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科目名 | 単位 |
企業法務の実務基礎 | 2 |
民事弁護実務 | 2 |
臨床法学教育(刑事)I | 2 |
秋学期 | |
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科目名 | 単位 |
リーガル・カウンセリングアンドネゴシエーション | 2 |
労働訴訟実務の基礎 | 2 |
民事弁護実務 | 2 |
家事事件実務 | 2 |
刑事弁護実務 | 2 |
臨床法学教育(民事)I | 2 |
臨床法学教育(家事・ジェンダー)I | 2 |
臨床法学教育(行政)I | 2 |
臨床法学教育(労働)I | 2 |
臨床法学教育(刑事)II | 2 |
臨床法学教育(商事)I | 2 |
臨床法学教育(外国人) |
2 |
エクスターンシップ | 2 |
※修了までに2科目(4単位)以上履修。 |
春学期 | |
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科目名 | 単位 |
【民事系】 | |
家族法特殊講義 | 2 |
【刑事系】 | |
ドイツ刑法 | 2 |
【商事系】 | |
企業統治と企業金融 | 2 |
【国際関係系】 | |
国際経済法 | 2 |
【先端・展開系】 | |
医療と法 | 2 |
社会保障法 | 2 |
【基礎法演習】 | |
法史学特殊問題 | 2 |
【外国法演習】 | |
外国法演習(フランス法) | 2 |
外国法演習(中国法) | 2 |
秋学期 | |
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科目名 | 単位 |
【民事系】 | |
家族法特殊講義 | 2 |
消費者法 | 2 |
【公法系】 | |
租税法基礎 | 2 |
【商事系】 | |
企業統治と企業金 | 2 |
企業統治特論 | 2 |
独占禁止法基礎 | 2 |
【国際関係系】 | |
国際私法I | 2 |
国際通商法 | 2 |
【先端・展開系】 | |
労使紛争と法II | 2 |
子供と法 | 2 |
社会保障法演習 | 2 |
特許法 | 2 |
不正競争防止法・商標法 | 2 |
環境法I | 2 |
【基礎法演習】 | |
法社会学特殊問題 | 2 |
【外国法演習】 | |
外国法演習(英米法) | 2 |
春学期 | |
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科目名 | 単位 |
商法総則・商行為法 | 2 |
秋学期 | |
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科目名 | 単位 |
手形・小切手法 | 2 |
秋学期 | |
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科目名 | 単位 |
民法応用演習 | 2 |
民事手続法応用演習 | 2 |
商法応用演習 | 2 |
刑法応用演習 | 2 |
刑事手続法応用演習 | 2 |
行政法応用演習 | 2 |
※各学年の設置科目は現時点での予定であり、今後変更になる場合があります。