※本稿は2020年度に取材し、取材当時の情報を掲載しています。
韓国外国語大学で日本言語文化を専攻し、社会の変遷とともに変わる日本語や日本語教育への関心を深める。卒業後の2020年4月、当研究科修士課程に入学。
自身の留学生としての体験や課題意識から、「外国人留学生は学術的場面でどのようにコミュニティに参加しているのか―日本の大学院の学術的コミュニティでの韓国人大学院留学生の学習―」をテーマに研究に取り組んでいる。
韓国の大学で日本言語文化を専攻し、中でも各時代における日本語と社会の関係を考察する「社会言語学」に関心を持ちました。時代や社会の移り変わりとともに変化していく日本語や日本語教育について、日本に留学してさらに深く学びたいと考え、日研への進学を希望しました。
1学期目の「日本語教育学基礎演習」では学生3~4人がグループになり、毎週異なる先生から指導を受けながら、互いの研究計画について検討を重ねました。研究に対する多様な観点を先生方が提示してくださったことに加え、各学生が関心のあるテーマが多様であるため、自身の視野を広げながら「私が本当に取り組みたい研究は何だろう」と突き詰めて考えることができました。また、今学期に履修している実践研究科目では、これまで私が言語教育に対して抱いていた「教師が生徒に一方向的に教える」、「正しい日本語の表現が存在する」、「完璧な文章を話す・書くことが最も大事である」といった先入観が根本から覆される経験を積むことができました。
入学前は外国人の私が日本語母語話者と一緒に学んでいけるのか不安もありましたが、実際に授業を受けてみると、留学生も日本人学生も垣根なく共に学び合う雰囲気があり、不安なく研究を進めることができています。国籍や年齢、経歴も多様な学生たちが、互いの背景や経験を尊重し合いながら議論を深められる環境も、日研の魅力だと実感しています。