現職:早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程学生
日研に入って、今年で5年目になります。短くて長い5年間です。日研の世界で過ごしてきたこの5年の間に、出逢い・別れ・喜び・悲しみ・笑顔・涙・大発見・絶望・楽しみなどがどれだけあったのでしょう。このように、「日研」というのは、私の中で「アカデミックな場」のみならず、むしろ「生きていく場」なのです。「生き方のスクール(?)」と名付けたくなるところですが、やはり「スクール」などではなく、実際に人生の「実践」そのものが繰り広げられている場なのです。
振り返ってみると、日研に入ったころは、それまでたくさんの本で日本語教育について習ってきた私が、用語の知識などでとても自信をもっていました。しかし、どれだけ頭が固く・視野が狭かったのでしょう。「日本語教育というのは、国内・海外で学生・留学生である学習者に対して、行うものである」「日本語教師は、母語話者の方が良いに決まっている」「日本語の実用性は非常に重要な要因だ」「学習者の目標は、母語話者なみのレベルだ」といったような考え方を持っていたのです。このような自分もいたなと、思い出すだけで、恥ずかしくなります。
そして、日研で過ごしてきた日々の中で、そのような考え方が問われたり壊されたりしたときは、苦しいといったらなかったのです。「日本語教育」観だけではなく、まさに今まで抱いていた人生観・してきた行き方が問われるのだから、それが自己評価に響いたり、絶望も起こしたりしたのです。
しかし、そのおかげで様々な発見・気付きを重ねていって、自分の考え方を揺さぶられる楽しさ・学ぶ楽しさ・世界の広さなどを知りました。そのプロセスは今も続いており、これからもずっと続くと期待しています。まさに人生の生き方を学びながら、同時に実際に生きているという感じです。できるだけ多くの人にこのような経験をしてもらいたいですね!
もちろん、それはすべて日研の先生方・仲間の日研性のお蔭です。皆様にいつまでも本当に感謝しています。これからもずっとずっとよろしくお願いします。