Graduate School of International Culture and Communication Studies早稲田大学 大学院国際コミュニケーション研究科

School Overview

研究科について

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研究科概要・特色

研究科三つの方針GSICCS Three Fundamental Policies

1.学位授与に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

早稲田大学が生み出す知の総合性・独創性を生かし、体系的な教育課程および豊かな学生生活環境のもと、多様な文化的・言語的価値観の共有を基礎にして、国際コミュニケーション学に関する知見を深め、グローバル社会に積極的かつ主体的に貢献できる人間の育成を目標に、専門的な教育・研究指導を行う。

国際コミュニケーション学とは、個人間の対話を最小単位に、個人から社会に向けて発信するメッセージ、また共同体、および国家間で交わされる社会・政治的コミュニケーションを含め、言語・文化・社会をそれぞれ情報伝達のネットワークと位置づけ、その役割を理論・実践の双方から研究する学問である。本研究科においては、言語・コミュニケーション研究や文化研究といった人文学的基礎に社会科学的視点を交えた研究・教育体制を整える。また、英語を基軸言語に教育・研究指導を行う。

以上のような理念のもと、本研究科修士課程においては、2年以上在学し、所定の単位を修得し、研究指導を受けた者には、修士論文の提出を求め、主査一人、副査二人の合議制のもとにこれを評価し、次のような知識、能力を身につけていると認め、「修士(国際コミュニケーション学)」の学位を授与する。

1.自身の研究領域に関する深い専門知識

2.学際的なアプローチに必要となる広範な知見

3.国際的な視座に根差した批判的思考能力

4.独自の考察を研究領域ごとの方法論に従い学術論文にまとめあげる能力

また、博士後期課程においては、3年以上在学し、所定の単位を修得し、研究指導および研究倫理教育を受けた者には、博士論文の提出を求め、主査一人、副査二人以上の合議制のもとにこれを評価し、次のような知識、能力を身につけていると認め、「博士(国際コミュニケーション学)」の学位を授与する。

1.自身の研究領域に関する高度かつ今日的な専門知識

2.自身の考察に資する関連領域の専門知識

3.国際的かつ学際的な視座に根差した、独創性の高い学術論文をまとめあげる能力

4.研究者として自立し、国際的なフィールドで交流、発信していく能力

 

2.教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

本研究科修士課程においては、言語を中心に研究・教育を行う言語コミュニケーション、文化を中心とする文化コミュニケーション、社会を中心とする社会コミュニケーションの3つのスタディープランを設け、それぞれ国際的かつ学際的な視野を持って研究指導に取り組む。

基礎科目においては国際コミュニケーション分野における研究を持続的かつ効果的に展開するために必要な理論を学ぶ。

専門科目においては、言語、文化、社会の各分野において研究を展開する上で必要な知識を習得する。また、関連科目においては、各専門分野の知見を最大限に活かすために有用な実践的知識の獲得を目指す。

研究指導においては、指導教員のもと国際性、学際性そして独自性を有した修士論文の作成が行わるような環境を整える。

博士後期課程においては、1)グローバル化する世界とコミュニケーションシステム、2)多様なコミュニケーション媒体の物質的特性と社会的役割、3)デジタルテクノロジーと視覚文化、4)コミュニケーションとレプリゼンテーション[表象・表現・代理・代表]を主たる研究課題とし、言語的、文化的、社会的アプローチからその分析にあたる。

カリキュラムにおいては、研究倫理の修得を目指す「セミナーA」と高度な学際研究を実現するための理論・実践的技術を修得する「セミナーB」、また、個々の学生の学問的関心を最大限に引き延ばす「インデペンデント・スタディー」を必修とする。

博士論文作成においては、主指導教員を中心に副指導教員二人を加えた合同指導体制で支援する。

 

3.入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)

早稲田大学では、「学問の独立」の教育理念のもとで、一定の高い基礎学力を持ち、かつ知的好奇心が旺盛で、本学の理念である進取の精神に富む、勉学意欲の高い学生を、日本をはじめ世界から多数迎え入れる。

本研究科においては、英語による学位修得を基盤とした、学際的かつ国際的な視座に根差した批判的思考能力を有するグローバル人材の輩出を目的とする。修士課程修了者には国内外の大学院および本研究科博士後期課程への進学が想定されることに加え、金融、商社、メディア、IT産業などの多国籍企業や国際機関、NPO・NGO等、国や言語の垣根を超えて展開する組織での活躍が期待される。また、博士後期課程修了者には、自立した研究者として、国際的に研究を展開・発信することが期待される。

以上の目的を達成するには、英語を基軸とした研究を遂行できる高い語学能力を有し、専門的かつ多角的な視点から理論的・実践的に国際コミュニケーション学を学ぶ意欲をもつ優れた人材を広く国内外から募る必要がある。修士課程では、多様な文化背景をもつ学生の選抜を可能とするAO入試を実施する。英語語学能力検定試験結果等を含む出願書類をもとに総合的な選考を行い、幅広い学問的知見、高い研究能力、優れた論理構成力および英語表現力をもった学生を選抜する。

併せて、本学で優れた学業成績の学部学生を積極的に受け入れるため、学内推薦入試により選抜を行う。

博士後期課程においては、国際コミュニケーション学における高度な知識をもった学生を受け入れるために、AO入試、および本研究科修士課程修了者を対象とする研究科内選考を行う。AO入試では、提出書類に加え、必要に応じて英語語学能力検定試験のスコア等の提出、面接への参加を求める。いずれの場合も、修士までの教育成果、ならびに今後の研究の発展性と可能性を厳密に評価することとする。

コミュニケーション学における高度な知識をもった学生を受け入れるために、AO入試、および本研究科修士課程修了者を対象とする研究科内選考を行う。AO入試では、修士論文(リサーチペーパー)およびその概要書、学術的業績および活動、研究計画書、志望理由書、進路計画書、志願者評価書(推薦状)2通、修士課程成績、学部成績の提出を求め、必要に応じてTOEFLなどの英語学力判定評価試験のスコアの提出を求める。研究科内選考においては、修士論文(リサーチペーパー)の概要書、学術的業績および活動、研究計画書、志望理由書、進路計画書、志願者評価書(推薦状)1通、修士課程成績の提出を求める。いずれの場合も、修士までの教育成果、ならびに今後の研究の発展性と可能性を厳密に評価することとする。

国際コミュニケーション研究科における人材養成その他の教育研究上の目的

本研究科の基本理念は、急速にグローバル化が進行する現代社会において、国際感覚に優れ、高いコミュニケーション能力を備えた人材の育成を促進することである。具体的には、この分野で将来活躍する可能性をもつ人材を多く受け入れ、国際コミュニケーション学における高度な学問研究を通じ、その知見を高め、専門的知識を活かし、国際社会で活躍・貢献できる国際性をもつ人材を育成することを目的とする。

その理想像は、多角的な視野と見識を持つと同時に、高い倫理観、競争力、そして人間性の上に、実社会で行動できる高度な専門的知識を備えた教育・研究者、もしくは職業人である。

新たな大学院スタイルを求めてTowards a New Style of Graduate Program

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実社会への還元を

ロー・グレアム:今日は国際コミュニケーション研究科設立に尽力されたお二人の先生方にお話を伺いたいと思います。一人は新研究科の初代科長になられる麻生享志先生、もう一人は国際教養学部長の森田典正先生です。まずは新研究科設立の経緯から聞いてみたいと思いますが、実際この計画にはどれぐらいの期間を要したのでしょうか。

森田 典正:一番はじめにこの構想をスタートさせてから、2012年の夏に文部科学省の設置認可が下りるまでには、2年以上かかりました。実は、最終的に認可された計画は、2010年に描いた最初のものとは随分違うものになりました。その間には、国際教養学部の先生方や大学の他箇所の先生方との話し合いを数多く持ちましたし、文部科学省のご意見も参考にさせていただきました。ただ、当初の計画と異なるとはいえ、その目的は基本的には全く変わっていません。

ロー:簡単に新研究科の目的を説明していただけますか。

麻生 享志:まずは、これまでの日本の大学院教育のなかで必要とされながらも達成されていなかったことを実現しようと思いました。例えば、日本語があまりできなくても通えるような大学院は日本にはほとんどありません。それに、学際的な研究をメインに据えている研究科も少ないような気がします。近年、学術研究の主流は従来の学問体系には収まりきらないトピック中心型の研究に移行してきています。新研究科では、是非ともそれに応えるカリキュラムをつくろうと思いました。

森田:これまで、日本の人文系・社会科学系の大学院は研究者養成の場所と理解されてきました。しかし、大学院の数が増えていく一方で、教員や研究者のポストが充分に増えてきたとはいえません。つまり、大学院も研究者以外の道を修了者に用意する必要があるのです。国際コミュニケーション研究科では、将来研究職に就きたいと願う学生たちに先端的な専門教育を行うと同時に、実社会で活躍することを望む学生たちのニーズにも充分応えることのできる機会を提供したいと思っています。

コミュニケーションからすべては始まる

麻生:加えて、新研究科では、21世紀という時代に私たちが直面している様々な問題に取り組んでゆければと考えています。伝統的なアプローチが全く役に立たないというのではありませんが、現代的な視点から学術体系を再度理解し直す必要があるのです。国際コミュニケーション学という枠組みのなかで、理論的なアプローチと実務的なアプローチを上手く組み合わせることで、多くの問題を解決するきっかけがつかめればと思っています。

森田:グローバル化の時代には、世界全体が均一化していく傾向があります。ただ、そのことは地域やローカル・コミュニティが意味を失うということではないでしょう。今やアメリカ合衆国は唯一残された超大国であり、英語が世界の機軸言語ではありますが、すべての人が英語を話せるわけではありません。コミュニケーション・テクノロジーの発達により、グローバル文化は世界の隅々にまで行き渡るようになりましたが、地域文化の存在意義が失われたわけではありません。冷戦が終わったとはいえ、世界はまだまだ平和になったとはいえません。むしろこれまでになく多くの地域紛争が起きているというのが現実でしょう。だからこそ、コミュニケーションを中心的な課題として取り組んでいく必要があるのです。国際コミュニケーション研究科ではコミュニケーションの仕組みを、言語、文化、社会といった様々な視点から捉え、研究していくことを目指しているのです。

真の国際的コミュニティに

ロー:ところで、国際コミュニケーション研究科のもつ「国際性」というのは何でしょうか。

麻生:私たちとしては、この研究科が真の意味で国際的な場になって欲しいと思っています。つまり、カリキュラムの内容だけではなく、国際的なコミュニティとして成長してもらいたいと考えています。この研究科で教える教員は誰もが二カ国語以上を理解し、グローバルなトピックを研究テーマとして掲げています。また、ほとんどの教員が外国籍または長期の海外経験を有しています。是非この研究科を目指す応募者にも広く海外から集まってもらいたいと考えています。少人数クラスの教室で、異なるバックグラウンドや異なる考え方を持つ学生たちが、激論を交わしながら友情の輪を広げてくれればと願っています。

ロー:最後に触れておきたいのですが、国際コミュニケーション研究科は国際教養学部の成功があってこそ成り立つと思います。様々なバックグラウンドを持つ学生たちや学際的なカリキュラムは国際教養学部で培かわれた教育経験があってこそ成立するのです。国際教養学部のようなリベラルアーツの学部の上に大学院をつくることには否定的な意見もありましたが、国際コミュニケーション研究科を見ればそれが誤った認識であることは一目瞭然です。2004年の開設以来、国際教養学部には多くの優れた学生たちが世界各国から集まってきました。それは大きな財産だと言えます。これをさらにもう一歩前進させていく国際コミュニケーション研究科に大きな期待を感じています。森田先生、麻生先生、今日は貴重なご意見をいただきどうもありがとうございました。

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