※キャンパスの様子
※「外国語としてのロシア語」授業、Айжан (アイジャン)先生
人間科学部4年生の三木綾佑子さんはカザフスタンのアルファラビカザフ国立大学に留学してきました。授業やキャンパスライフについてインタビューしましたのでよかったらぜひ読んで下さい。
■氏名:三木綾佑子
■所属学部:人間科学部
■学年:学部4年
■派遣国:カザフスタン
■派遣先大学:アルファラビカザフ国立大学
■プログラム:箇所間協定に基づく交換留学プログラム
■留学期間:2021年12月 ~ 2022年8月
◆留学をした理由と、アルファラビカザフ国立大学を選んだ理由
留学をした理由は、文化人類学を専攻する中で他文化と自文化を比較するフィールドワーク的経験を積んでみたかったという点にあります。また、当大学を選んだ理由は、2点あります。在カザフ邦人が少なかったからと、自分とは縁遠いイスラム教が主流の地域であったからです。自らの常識が覆るような経験をしたかったので、なるべく日常生活とは程遠い環境に身を置こうと考えました。
◆事前にどんな準備をしたましたか。(どのような努力をしましたか)
ラジオ露語会話で、ロシア語の基本的なスキル(アルファベットや語順、格の種類)などを覚えました。
◆印象に残ったエピソードはありますか。
現地学生に、カザフで友達を作る方法と題したプレゼンをしてもらったこと。
SNSは1時間以内に返信する、相手の嫌いな点をすぐに伝えるなど、日本人からすると仰天する内容ばかりだったので、言い合いになってしまった。ただ、正面からぶつかったことで、その後距離が縮まった。
◆留学先の授業形態と履修して良かった科目を教えていただけますか。
月曜から土曜まで、午前は授業で、午後は自習でした。
選択授業制ではなく、決められたカリキュラムでした。そのカリキュラム内では、外国語としてのロシア語という授業が一番好きでした。トルコやアフガニスタン、韓国などから集まった多様なクラスメイトと四苦八苦しながら学んだ文法は、未だに色濃く脳裏に刻まれています。
◆現地での苦労話を教えて頂けますか。
2022年1月、現地で反政府派による暴動が起きた時には、大変でした。運よく友人宅にホームステイさせてもらっていた為、首都圏にはおらず暴動の被害は受けませんでしたが、カザフ語での報道がほとんどで何が起きているのか把握できず、現地人にも外に出てはダメと言われ1ヶ月ほどホームステイ先から帰ることができませんでした。またその間には、市民の結託を防ぐ為、政府による通信阻害政策が不定期に行われ、ネットが使えない中不安な日々を過ごしました。
◆どのようにして解決しましたか。
上記の事態は2ヶ月ほどして収束しました。
政治家がドバイに亡命するなど、カザフスタンではここ数年類を見ないほどの危機的国家状況だったと知り、ますます驚きました。
◆課外活動や週末の過ごし方を教えてください。
留学前期はオンラインでの就活に時間を割いていました。
後期には、寮近くのトレーニングジムに通ったり登山をしたりして、初めての寮ぐらしを満喫していました。(門限が23時であることだけが悩みの種でした。)
◆留学して通して成長したと思う点を教えてください。
自分の意見を強く主張できるようになった点です。
現地授業はかなり騒がしく、常に質問や意見が飛び交っていました。不明瞭な点はすぐに質問しなければ周囲の質問や意見にかき消され次のステップへ進んでしまいます。最初はおとなしくしていましたが、何も話さないとなんだか損した気分になり、気づけば大きな声で疑問を呈するようになっていました。
◆在学生で海外留学を検討している方へ、メッセージをお願いいたします。
私は新しい世界に飛び込みたいという安易な気持ちで渡航してしまいましたが、度胸と更なる好奇心を身につけて帰国することができました。これらの学びは、社会人になっても役に立つと自負しています。
「常識とは、18歳までに身につけた偏見である」と、アインシュタインは言ったそうです。
もしあなたが、思い切って渡航すれば、今では想像もつかないような出会いや現地の常識(偏見)が待っています。ぜひ自身の目で見て、肌で感じて、体感してください。そして現地での経験で、これまで身につけてきた偏見を大いに掻き乱し、混乱してみてください。その体験があなた自身の世界を創る大事なカケラになるでしょう。