公開セミナー 村上春樹文学に出会う#6
曾 秋桂 二人の国民作家川端康成と村上春樹の文学的営み (3月15日開催)
今年度から公開セミナー「村上春樹文学に出会う」シリーズを始めています。さまざまな形で村上文学と関わってきた方々に、村上作品との“出会い”や“絆”について語っていただき、さらに村上文学を読む面白さや文学研究の魅力を来館者と交流し合う空間を作ります。
第六回目は、台湾淡江大学教授、村上春樹研究センター所長の曾秋桂先生を招いて、「二人の国民作家川端康成と村上春樹の文学的営み――超時空の主題創作「不死」と『街とその不確かな壁』から見て」をテーマにお話していただきます。
村上春樹は、『芥川龍之介短篇集』(新潮社、2007)の序文で十名の「国民作家」を挙げるとすれば、そのなかの一人として川端康成が入るだろうと述べています。また、柴田勝二は、2011年に村上春樹と夏目漱石を並べて「二人の国民作家」とした論説を世に出しました。そうだとすれば、川端康成と村上春樹をともに国民作家と呼ぶことができるのではないでしょうか。
川端の文体が「形式美に重きをおいたものであり、曖昧で、高踏的で感情で飾りつけられている」のに対して、「僕が求めているものは自然でシンプルな文章。しなやかで、飾りけのないもの」と村上は自分の文体を対比的に見ています。ここから彼が川端文学を意識していることがうかがえます。
本講演では『掌の小説』所収の「不死」(朝日新聞、1963)にも『街とその不確かな壁』(新潮社、2023)にも見られる超時空の主題を手がかりに、二人の国民作家の文学的営みを比較しつつ、解き明かしていきたいと思います。
講演後には、来場者の方とのQ&Aも予定しております。奮ってご参加ください。
詳細
- 開催日時:2024年3月15日(金)14:00〜15:00
- 開催場所:国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 使用言語:日本語
- 参加:無料・予約不要
- 主催:早稲田大学国際文学館
ポスターのダウンロードはこちら
講演者
曾 秋桂(そう しゅうけい)
文学博士。淡江大学教授・台湾日本語教育学会理事長、淡江大学村上春樹研究センター所長。著作に『日本原発文学の探究―文学の力を信じて』、『村上春樹文学の挑戦―魅力・装置・震災』などがあり、訳書に多和田葉子『献灯使』がある。
監修
権 慧(国際文学館)
注意事項
主催者側で記録のため撮影または録画することがあります。
体調管理、手洗い・手指消毒などの基本的な感染症予防対策をお願いします。
マスク着用については本人の判断に委ねます。
当イベントに関するお問い合わせ
- 早稲田大学国際文学館事務局 email:wihl★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)