Open Talk 方法論の共有地としてのデジタル・ヒューマニティーズ
早稲田大学国際文学館を訪れる方々に、文学を読む面白さや文学研究の魅力を感じていただくための講演会を開催しております。今回は一般財団法人人文情報学研究所の永崎研宣氏によるトークをお楽しみください。
デジタル・ヒューマニティーズという言葉が国際的に広まるようになって20年程経過しています。人文学にデジタル技術を応用することでよりよい人文学を目指そうとするこの取組みは、大規模な国際会議を世界各地で毎年開催しており、昨年にはついに日本でも開催されました。
デジタル・ヒューマニティーズは、人文学において方法論が異なる様々な分野が一堂に会して議論と協働・共創を行う場です。比較的伝統的な分野である文学・哲学・歴史学だけを見ても、その方法論の違いは一目瞭然であり、議論を成立させることは容易ではありません。デジタル・ヒューマニティーズのコミュニティでは「方法論の共有地(Methodological Commons)」という理念を導入し、方法論が異なる場合でもデジタル技術を媒体とする場合に生じる共通性に着目することで、協働の場を創り出してきています。それは、論文や学会発表だけでなく、SNSやブログ等、様々な媒体を通じて形成される緩やかな学知の空間でもあります。
そして、共通の議論の場を形成することで対話が可能となる各分野の方法論の違いは、相互に新たな気づきをもたらし、やがては人文学の方法論そのものの刷新につながることも期待されています。
本イベントでは、このようなデジタル・ヒューマニティーズの有り様について参加者の方々と共有し、このような動向を踏まえつつ、広く人文学の行く末について共に考えてみたいと思います。
詳細
- 開催日時:9月26日(火)14:00-15:00
- 開催場所:早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 言語:日本語
- 参加:どなたでも無料でご参加できます。
- 主催:柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト
- 協力:国際文学館
講演者
永崎 研宣(Nagasaki Kiyonori)
一般財団法人人文情報学研究所主席研究員。
筑波大学大学院でインド仏教学とWeb技術を学んだ後、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所にてアジア文化研究への情報技術の活用について研究を進める。その後、山口県立大学国際文化学部にて教鞭を執った後、一般財団法人人文情報学研究所設立に参画する。現在は、人文学を中心とした文化資料の研究に情報技術を活用するための教育・研究・普及活動等に携わり、各地の大学・研究機関を支援するとともに関連する国際標準規格等を日本や東アジアの文化研究に過不足なく適用できるようにすべく、その種の規格等の改訂にも取り組んでいる。
ファシリテーター
林玟君
柳井イニシアティブ研究員
イベントに関する問い合わせ
- 柳井イニシアティブ事務局email:yanai★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)