Open Talk 西太后に会った日本女性 – 服部繁子と西洋料理のおもてなし
早稲田大学国際文学館を訪れる方々に、文学を読む面白さや文学研究の魅力を感じていただくための講演会を開催しております。今回は東京大学人文社会系研究科教授の陳捷氏によるトークをお楽しみください。
村上春樹と糸井重里は、超短編小説『夢で会いましょう』において、アイスクリーム、コーヒー、ビールなどの片仮名外来語を使い、現代日本が西洋文化の影響を受けている日常を表現しています。外来語の中でも「アイスクリーム」は、横浜の馬車道通りにある明治時代最初のアイスクリーム店「氷水屋」の歴史的な面影を思い起こさせます。しかし、これらの外来語が広まり、西洋料理文化の普及に、近現代日本の名流や才媛、西洋公使、清国公使や公使夫人たちの交流が起因していることを知る人は少ないでしょう。賢妻良母の育成や和洋学識の教養、内外交際の宴会礼式の学習、学者や名士、外国公使の食事会があったからこそ、日本と西洋の飲食文化の交流が進みました。
今回のイベントでは、日中の書籍文化、博物学、学術交流史についての研究者である陳捷教授との対談を通じて、何度も清国の西太后にお会いして食事をし、著名な漢学者島田篁村の娘であり中国哲学研究の先駆者である服部宇之吉の妻、服部繁子が執筆した『家政学』を中心に、「衣食住」「交際の心得」「婦人の娯楽」「家庭経済」などの内容から、彼女が中国人に紹介した西洋料理のおもてなしがどのようなものだったかを探究します。また近現代の漢学者が「才嬢」に求めたものや、明治時代以降の才媛や名流婦人の日常を、手稿、書簡、古写真などの歴史資料を通じて、「大隈家」「島田家」「服部家」外国公使・当代名流の晩餐会の華やかさを再現します。
詳細
- 開催日時:6月26日(月)14:00-15:00
- 開催場所:早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 言語:日本語 Q&Aでは日本語/英語可能
- 参加:どなたでも無料でご参加できます。
※当日参加も可能ですが、人数制限のためご入館できない場合もございます。予約枠(C)の事前申し込みをおすすめします。
入館予約はこちら - 主催:柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト
- 協力:国際文学館
講演者
陳捷(チン・ショウ)
東京大学大学院人文社会系研究科教授。北京大学中国語言文学系修士課程を修了後、同大学で専任講師を務め、1994年に来日。慶應義塾大学附属研究所斯道文庫、東京大学東洋文化研究所で研究に従事し、1995年東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻(東アジア思想文化専門分野)博士課程に入学。2001年博士号取得。日本女子大学人間社会学部文化学科助教授や国文学研究資料館研究部教授などを歴任し、2017年より現職。日本と中国の書籍文化・学術交流史を研究している。
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/voices082.html
ファシリテーター
林玟君
柳井イニシアティブ研究員
イベントに関する問い合わせ
- 柳井イニシアティブ事務局email:yanai★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)