公開セミナー 村上春樹文学に出会う#2
楊 炳菁 「デタッチメント」から「コミットメント」へ:転換の始まりとしての<渡辺昇>
今年度から公開セミナー「村上春樹文学に出会う」シリーズを始めます。さまざまな形で村上文学と関わってきた方々に、村上作品との“出会い”や“絆”について語っていただき、さらに村上文学を読む面白さや文学研究の魅力を来館者と交流し合う空間を作っていきます。
第二回は、中国の日本文学研究者楊炳菁先生を招いて、村上作品に繰り返し登場する<渡辺昇>についてご講演いただきます。
<渡辺昇>は、「象の消滅」「ファミリー・アフェア」「鉛筆削り」「タイム・マシン」など、1985年前後の村上春樹小説に頻出した登場人物の名前です。この名について、イラストレーターの安西水丸氏との関連性が指摘されましたが、実質的な学術的考察は不十分だと思われます。実際、村上春樹の創作全体を考察してみると、<渡辺昇>と命名された人物は、現実に生きていながら、現実に変化をもたらす個体としての存在していることがわかります。
本講演では「デタッチメント」から「コミットメント」へという村上春樹文学の転換の始まりについて、<渡辺昇>というキャラクターに注目してお話する予定です。
ご参加をお待ちしております。
詳細
- 開催日時:2023年6月24日(土)14:00〜15:00
- 開催場所:国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 使用言語:日本語
- 参加:どなたでも無料でご参加できます。
*当日参加も可能ですが、人数制限のためご入館できない場合もございます。予約枠(C)の事前申し込みをおすすめします。
入館予約はこちら - 主催:国際文学館
講演者
楊 炳菁(ヨウ ヘイセイ)
1972年生まれ。2009年中国・吉林大学文学院で博士号取得、現在北京外国語大学日本語学院(北京日本学研究センター)、朝日大学経営学部准教授を務める。村上春樹文学を中心に、日本近現代文学研究を専門としている。著書に『ポストモダンの視野における村上春樹』(中央編訳出版社、2009年)があり、村上春樹文学に関する研究論文を多数発表。
ファシリテーター
権慧
早稲田大学国際文学館
注意事項
当日、イベントの様子を撮影、録画することを禁止します。
当日、主催者側で記録のためにイベントの様子を撮影することがあります。
体調管理、手洗い・手指消毒などの基本的な新型コロナウイルス感染症予防対策をお願いします。
マスク着用については本人の判断に委ねます。
本件に関するお問い合わせについて
- email:wihl*list.waseda.jp(*部分を@に変更してください)