The Waseda International House of Literature (The Haruki Murakami Library)早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)

その他

展示室「建築のなかの文学、文学のなかの建築」

建築⇔文学

どこにでもある“普通”の建物だった早稲田キャンパス旧4号館。村上春樹の作品世界との呼応を意図する建築コンセプトのもと、建築家・隈研吾氏(1954-)によるリノベーションを経て、大きく様変わりしました。象徴的な流線形をした外観トンネルや階段本棚、家具や館内サインのひとつひとつに至るまで、何度も話し合いが重ねられ、その都度、方向転換をしながら進められてきました。本展では、こうした過程に結びついた「コミュニケーション」を探り、数々の製作者たちの作業の痕/製作者一人ひとりの存在を示すことを目指しました。また展示室には、建築と文学にまつわる書籍を展示しています。手に取って、文章のなかの印象的な建築を巡ってみてください。建築の空間を体感して楽しむ「感覚」を思い出すきっかけとなるはずです。
[選書リスト]

開催概要

  • 会期:2021年10月1日(金)~2022年2月4日(金) 2022年2月2日(水)
  • 会場:2階展示室
  • 主催:早稲田大学国際文学館、柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト
  • 協力:隈研吾建築都市設計事務所、株式会社丹青社、株式会社熊谷組、金箱構造設計事務所、設計組織プレイスメディア

1 イメージの源泉

外部トンネルは当館にとって大切な顔。現在の金属と木を組み合わせた案の前には、金属のみのバージョンも上がっていました。当館のデザインコンセプトである「トンネル」と「窪地」を体現するように、演劇博物館側(西側)と3号館側(南側)のエントランスのそれぞれにトンネルをつける案がありましたが、動線を考え、現在のような開かれたエントランスが採用されました。施主側にプレゼンをするまでにも、スタディ模型やパース画を使って、トンネルの形体やルーバーの木の配置、物量感を試していたことがわかります。

2 使い手の視点、館の在り方

館をどのように運用していくのか――。間取りは利用のしやすさだけでなく、館の在り方と直結します。はじめにつくられた平面図をみると、1階、2階ともに常設展示スペースが多くを占めており、“記念館”としての役割が強くみられました。しかし、打ち合わせを重ねるごとに、館として来館者や学生が能動的に活動し、交流できる場の必要性を感じ、ラボやスタジオ、読書スペースなどが新たに追加されました。

3 細部に宿る執念

こだわり抜かれた意匠性を現実のものにするには、細部に至るまで検証が繰り返し行われています。たとえば、外部トンネルや1階にある「村上春樹作品(1979-2021)」展示棚では、モックアップ(実物大の模型)がつくられ、全体空間との相性や機能性、安全性を確認します。そこで生じた問題点を関係者内で共有し、完成イメージをすり合わせていきます。ここでは、実現に向けて尽力された方々の細かな仕事の一部をご紹介します。

4 空間を構成する諸要素

「建築」と聞くと(ハコとしての)建物に注目しがちですが、一見すると見逃してしまうような細部までデザインすることで、統一された空間を生み出しています。たとえば、館内サインや植栽です。利用者にスムーズな案内ができ、また館内の木のぬくもりを損なわないように愛らしい木製の卓上サインが採用されました。また、その建物が立つ周辺の建物や環境を意識し、外部トンネルの印象的な流線形を邪魔しないよう、主に低木が混栽されています。物体としての建築だけではなく「空間」を意識して館内を探索してみてください。

チラシ

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