Open Talk 私文学としての『図書館奇譚』
早稲田大学国際文学館を訪れる方々に、文学を読む面白さや文学研究の魅力を感じていただくための講演会を開催しております。今回は中国で村上春樹文学翻訳者・日本文学研究者の施小煒先生による講演を行います。
典型的なフィクションとして『図書館奇譚』という短編小説は、象徴と寓意にみちており、まるで教科書と云えるほどの現代の寓話です。常識の範疇を超えた人物設定、非現実的・非日常的なストーリー展開などによって、この小説はハルシナトリーな厚いベールに包まれ、「晦渋難解」の別名ともなっています。
本講演では「公文学」VS「私文学」という文脈にテクストを置き、新たに「公人・私人」、「公文学・私文学」など独自な概念を導入して、テクストに対するクロース・リーティングを通して、『図書館奇譚』の「私文学属性」を突き詰めます。さらに村上春樹が「公・私文学」の交差・融合した「総合文学」を求めることの意義をみなさんと一緒に考えます。
講演後には、来場者の方とのQ&Aセッションも予定しております。
詳細
- 開催日時:1月21日(土)14:00-15:00
- 開催場所:早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 言語:日本語
- 参加:どなたでも無料でご参加できます。
※当日参加の場合、人数制限のためご入館できない場合もございます。あらかじめご了承ください。予約枠(C)の事前申し込みをおすすめします。
入館予約はこちら - 主催:柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト
- 協力:国際文学館
講演者
施 小煒
中国安徽省生まれ。1982年2月復旦大学外国文学部日本文学科卒業、復旦大学助手・専任講師を務めたのち、1989年10月に日本文部省(当時)奨学金留学生として来日、早稲田大学大学院文学研究科に留学。1995年3月博士後期課程単位取得、中退。日本大学文理学部講師を経て、2007年3月中国帰国。その後上海杉達学院大学教授を勤め、2020年9月にリタイア。
公開・出版の中国語・日本語著書は24点、日本文学作品中国語訳は44点、うち、村上作品翻訳は14点。2022年外務大臣表彰。
ウェブサイト国際文学館アネックスにエッセイを寄稿しております、よろしければご覧ください。
https://www.waseda.jp/inst/wihl-annex/essays/991
ファシリテーター
権 慧
早稲田大学国際文学館
イベントに関する問い合わせ
- 柳井イニシアティブ事務局email:yanai★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)
※新型コロナウイルス感染防止対策のため、入館時の手指消毒および検温にご協力ください。
※会場内では常時マスクをご着用ください。