Open Talk 安部公房と満州 – 虚構と歴史のはざまで
早稲田大学国際文学館を訪れる方々に、文学を読む面白さや文学研究の魅力を感じていただくための講演会を開催しております。今回はカリフォルニア大学マーセド校グローバル・アート・プログラムの助教授のリャン・ジャジュン氏によるトークをお楽しみください。
安部公房は、「日本のカフカ」と称される作家であり、日本の旧植民地であった満州で育ち、そこで敗戦と引揚を経験しました。本講演では、公房初期の小説「けものたちは故郷をめざす」(1957)を中心に、公房の作品群に一貫して現れる発狂、変形、記憶喪失といったテーマを通じて、小説の虚構空間と日本帝国の歴史現実との齟齬について考察します。同時に、同時代の批評でしばしば指摘された「構成上の混乱」を考慮し、「引揚げ文学」の前提として機能する「戦後日本=故郷」の枠組みを問い直していきます。
詳細
- 開催日時:5月27日(土)14:00-15:00
- 開催場所:早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー)2階ラボ
- 言語:日本語 Q&Aでは日本語/英語可能
- 参加:どなたでも無料でご参加できます。
※当日参加も可能ですが、人数制限のためご入館できない場合もございます。予約枠(C)の事前申し込みをおすすめします。
入館予約はこちら - 主催:柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト
- 協力:国際文学館
講演者
梁嘉俊(リャン・ジャジュン)
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)東アジア言語文化学部にて日本研究専攻の博士号取得。現在はカリフォルニア大学マーセド校(UC Merced)グローバル・アート・プログラム助教授。専門は日本近現代文学、アニメーション、メディア研究である。
ファシリテーター
林玟君
柳井イニシアティブ研究員
イベントに関する問い合わせ
- 柳井イニシアティブ事務局email:yanai★list.waseda.jp(★部分を@に変更してください。)