Waseda Weekly早稲田ウィークリー

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海外留学って実際どうなの? 学生留学アドバイザー座談会

2032年度には全学生が卒業までに1回は海外留学を経験する「全員留学」の実現を目指している早稲田大学。しかし、留学はもちろん、海外へ行ったことのない人も大勢いることでしょう。今回は、「留学に興味はあるけど、何から始めればいいか分からない」「本当に留学した方がいいの?」といった不安や悩みを抱える早大生のために、留学センターの中長期留学プログラムを利用して留学を経験した「学生留学アドバイザー」の学生3名による座談会を開催。留学についてざっくばらんに語り合ってもらいました。

(写真左より)松尾さん、佐藤さん、森脇さん

人間科学部 4年 松尾 泰成(まつお・たいせい)
2017年8月~2018年6月、Lewis & Clark College(米国)へ留学
中長期留学プログラム:Customized Study Programs- Language Focused programs(CS-L
文化構想学部 4年 佐藤 麗華(さとう・れいか)
2017年9月~2018年3月、University College Dublin(アイルランド)へ留学
中長期留学プログラム:Customized Study Programs- Language Focused programs(CS-L
文化構想学部 4年 森脇 優衣(もりわき・ゆい)
2017年8月~2018年7月、Linnaeus University(スウェーデン)へ留学
中長期留学プログラム:Exchange Programs- Regular Academic Programs(EX-R

※中長期留学プログラムの特徴はこちら

――いつから留学を検討しましたか?

森脇

私は世界史が好きだったこともあり、高校1年から留学に興味がありましたが、その頃は夢や憧れのような気持ちでした。でも早稲田大学に入学が決まったときに留学プログラムが充実していることを知っていたので、「これは絶対に行くしかない!」と、親に相談しました。

佐藤

早いね! 私が留学を決めたのは、留学申請締め切りぎりぎりの1年次の3月でした。だから選考に必須のTOEFL iBTはチャンスが一度しかなかったので、緊張しましたね。

松尾

僕は高校2年のときに行った短期留学で英語が全然できないことを思い知ったので、大学では絶対に長期留学しようと決めていました。他大学と比較しても留学プログラムがとても充実していることが、受験で早稲田を志す理由になりました。

松尾さんの留学先ポートランド(米国)にて。(写真左)ポートランドの街並み。大学は所沢キャンパス同様、森に囲まれていたそう (写真右)キャンパス内のカフェテリアにて友人と

――どのように情報収集を始めましたか?

森脇

入学直後の学部説明会で留学センターのパンフレットをもらい、4月中旬に留学フェアへ行きました。私が行きたいと思っていた国に行った先輩のお話を聞くことができたので、とても参考になりました。

佐藤

先輩の経験談を聞けたんだ! アイルランドはマイナーすぎて、その頃は留学に行った先輩がいなかったんです(笑)。とにかく情報がなかったので、留学センターに何度も通って質問しまくりました。留学フェアでホームステイやプログラムについての話を聞いたり、アイルランドに関する授業を履修したりして、渡航前に現地の文化や歴史を学んでおきました。

松尾

へえ、二人は早稲田キャンパスに近いからいいね。僕は入学資料に入っていた『留学の手引き』から手探りで準備していったという感じです。所沢キャンパスって、とにかく情報が回らないんです。友達や先輩にも留学経験者がいなくて、情報収集は正直大変でした。留学センターの方には本当に助けていただきました。

佐藤さんの留学先アイルランドにて。(写真左)首都ダブリンの中心街。アイリッシュパブがたくさんあり、中ではアイルランド民謡の歌と踊りが楽しめる (写真右)アイルランドの伝統料理、ギネスビール煮込みのビーフシチュー。主食のジャガイモがたっぷり

――行き先はどのように決めましたか?

森脇

最初はイタリアを志望していたのですが、締め切りの5日前に行き先を変えました。というのも、イタリアは英語プログラムが豊富ではなく、私の学問フィールドとして学べるものが少ないと感じたからです。世界史で興味を持ったヨーロッパの国々から、英語普及率が高く、留学プログラムが充実している北欧の大学を一つ一つ調べて見つけたのがスウェーデンでした。だから、初めからスウェーデンに強い思いがあったというわけではありませんが、今では第2の故郷と呼べるくらい大好きな場所になりました。

佐藤

私も行ったことのない国から消去法的に選んだかな。留学フェアでは英語圏に留学した先輩に話を聞いたのですが、ヨーロッパだと周りの国に簡単に遊びに行けたり移動も楽だと知り、アイルランドを選びました。

森脇さんの留学先スウェーデンにて。(写真左)スウェーデン国内には湖がたくさんあり、大学のそばや寮の近くにもあったそう。この写真はその湖に沿って作られた自転車・歩行者専用の道で、通学路として利用していた (写真右)ギリシャ人の友人と。留学後のギリシャ旅行で再会し、アテネを案内してもらったり地元の人がよく行く島に連れていってもらったりしたという

――参加したプログラムや費用について教えてください。

松尾

僕はCS-Lという、先に言語を学び、その後に現地の授業を履修するというプログラムでしたが、留学生に対する大学側からのフォローがとても充実していて驚きましたね。英語だけではなく、興味のある授業もある程度選択できるようになっていて、僕はダンスの授業なども受けました。ただし学費はすごく高くて、生活費も含めたら年間500万円ほどかかりました。

佐藤

アメリカはやっぱり高いね! 私もCS-Lでしたが、アイルランドは英米と比べると学費が安いという点がメリットです。学費は早稲田とあまり変わらず半年で80万円ほどで、さらにJASSO(独立行政法人日本学生支援機構)の給付型奨学金も月8万円いただけたので、とても助かりました。また、行き先によるかもしれませんが、語学や授業以外の時間がたくさんあるのもCS-Lの良いところです。宿題や勉強に追われすぎない生活ができました。

松尾

そうなんだ。同じCS-Lでも僕は昼寝しないと頭が回らないくらい、宿題に追われていましたね。夜の図書館は留学生でいっぱいでした(笑)。

森脇

交換留学の場合は留学生のためのプログラムはなく、現地学生と同じ授業を履修するのですが、授業を受けながら自然と英語力が身に付いていったので、私には合っていたように思います。また、スウェーデンは授業よりも自学を大事にしていて、極端に言えば授業に出なくてもいい。出席を取らない先生もたくさんいました。自分で学習するというスタイルが、日本と完全に違いましたね。

松尾

それが日本の大学生と違うところだよね。日本だと大学入学がゴールという雰囲気があるけれど、アメリカだと入学してからがスタート。学生のモチベーションが全然違います。実際、僕も留学前に比べて留学後はGPAが“爆上がり”(笑)! 授業に対する姿勢が明らかに変わりましたね。

北海道と関わりの深いポートランドには桜の木(ソメイヨシノ)も

――留学前にやっておいてよかったこと、やっておけばよかったことは?

松尾

やっておいてよかったことは、グローバルエデュケーションセンター(GEC)の英語で行われる授業を履修したことです。自分以外は全員帰国子女か留学生という中、英語で意見を言う力やディベート力が鍛えられ、現地の授業の疑似体験にもなりました。やっておけばよかったことは、もっともっと英語を勉強しておけば、より留学生活が充実したかなと思います。

佐藤

事前にできる限りの英語力をつけておくと絶対に役立ちます。「Tutorial English」などで生の英会話に触れる機会を増やしておくほか、現地でレポートを提出する際にも使うアカデミックランゲージについても学んでおくといいと思います。

森脇

私は留学前にTOEICを受けておけばよかったなと思いました。帰国後だけ受けても、点数の比較ができないんです。TOEFL iBTは2万円以上するので何度も受けられないし…。また実用的なことですが、スマートフォンをSIMフリーにしておくこと! 着いてからすぐに携帯が使えると安心感が全然違います。

佐藤

私もそれは思った! 日本の携帯との2台持ちは不便でした。

アイルランドで同じホームステイ先に滞在していたスペイン人の親友と佐藤さん。お互いが別々の家に引っ越してからも街で会い、悩みや楽しみを分かち合ったそう

――留学を通してご自身がどう成長したと思いますか?

松尾

留学に行く前は将来何をしたいか全然分からなかったのですが、留学が自分を見つめ直す機会になり、より深く自分のことを知ることができました。日本の良さを実感することもできて、留学経験での気付きが就職活動の指針にもなりました。留学費用は高額でしたが、その価値があったと自信を持って言うことができますね。

佐藤

私は「やってみれば自分で何でもできる」と思えるようになったのが大きいですね。ビザ申請や銀行口座の開設など一人ではやったことのないようなことでも、いざとなれば自分で解決できる力が身に付きました。

森脇

私も留学を通して精神的に自立したと思います。以前は失敗が嫌で行動できないことがよくありましたが、失敗を恐れることがなくなり、行動力と前向きさが確実に変わったなと実感しています。

スウェーデン国内でも有数のアイスホッケーチームのホームが寮から自転車で15分ほどのところにあり、森脇さんは友人とよく観戦へ

――留学に興味がある学生へメッセージをお願いします。

松尾

早稲田はさまざまな制度が充実しているので、どんどん利用して行動してみたらいいと思いますね。少しでも興味があるなら、まずは留学センターや留学フェアに足を運んでみては?

佐藤

1カ月でも2週間でも違う国へ行ってみた方がいいよ、と友人にも勧めています。留学は私にとって一生の財産。そう言えるものを大学時代に築けて本当に良かったです。留学して損することはないと思うので、ぜひチャレンジしてください。行ってみたら意外と大丈夫ですよ!

森脇

「自分には無理」と思っている人にこそ行ってもらいたいですね。私も留学前は怖がっていましたが、いざ行ってみるとマイナスの気持ちはすっと消えていきました。もし少しでも自分を変えたい、変わりたいと思っているのであれば、勇気を出して飛び出してみてください!


取材・文=小堀芙由子(2009年政治経済学部卒)
撮影=政治経済学部3年 廣瀬平蔵(公認サークル写真部)

まずは、留学フェアへ行ってみよう!

春の留学フェア
実施日:4月19日(金)、20日(土)
場所:早稲田キャンパス18号館国際会議場(井深大記念ホール)

早稲田大学は留学者数日本一で、毎年4,000人を超える早大生が世界で学んでいます。留学を実現させるには、早めの準備が何よりも大切です。留学センター主催の留学フェアは、春と秋に開催され、多数の早大生が参加する注目イベント。海外大学、留学経験者、学部や留学センターによる個別相談ブース、各イベントに立ち寄り、留学に対する不安を解消することから始めてみましょう。

春の留学フェアでは、ゼロから留学が分かる「留学いろは留学入門」のセッションがお勧め。夏・春休みの留学や1学期、1年間の長期留学等に少しでも興味がある人は、夢への第一歩をここから踏み出してみては? その他、TOEFL®に関するセミナー、留学の必要性やキャリアとの結び付きについて考える外部企業によるセミナーなど、盛りだくさんの内容です。

夏・春休みの短期留学プログラムについて:留学フェアでは、短期留学の魅力についての説明や留学経験者による個別相談を予定しています。また、4月25日(木)の夏季短期留学募集要項説明会(場所:国際会議場または早稲田キャンパス22号館を予定)では、申し込み方法などの説明をします。夏季短期留学の申請は5月6日(月)から先着順で受け付けます(予定)。奨学金受給のチャンスもあります。

※秋の留学フェアは、10月4日(金)・5日(土)を予定しています。
※スケジュールやイベント内容などについては、詳しくは留学センターWebサイトをご覧ください。

【次回特集予告】4月22日(月)公開「飲酒マナー特集」

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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