The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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【開催レポート】1Day 座談会&防災体験ツアー『災害に備え、今できること』

【開催レポート】1Day 座談会&防災体験ツアー『災害に備え、今できること』

学生スタッフリーダー ライ チーリン

2025年6月14日(土)、WAVOCでは、留学生と日本人学生が一緒に防災について学ぶ座談会(セミナー)と防災体験ツアーを企画・開催しました。本レポートでは、企画の背景から開催当日の様子・参加者の声などをお伝えします。

今回の企画を立案したきっかけは、昨年の夏に体験した緊急地震速報です。私は留学生として早稲田大学に昨年入学しましたが、日本で地震が起こることは知っていたものの、「大きな災害は起きないだろう」とずっと防災の準備を先延ばしにしていました。

そんなある日、部屋で勉強していたところ、突然スマートフォンから大音量の警報が鳴り、慌てて机の下に隠れるしかありませんでした。その時、部屋には非常食や予備の飲料水もなく、近くの避難所の場所すら分からない状態でした。あの体験を通して、「災害は予測できないものだ」と強く実感し、防災の備えの大切さを痛感しました。

私の周りにも、初めて日本に住む留学生や、日本語が十分に話せない留学生が多くいます。彼らの多くは地震の経験がなく、いざという時にどう対応すればよいか分からない人が少なくありません。また、防災に関する即時の情報の多くが日本語のみで提供されており、緊急時にはパニックになる可能性もあると想像しました。留学生はもちろん、日本人学生も対象にして、より多くの人の防災リテラシーを高めたいと思い、今回、やさしい日本語で説明する(英語資料付)座談会(セミナー)と、英語通訳ありの防災体験ツアーを企画しました。

座談会(セミナー)準備の一環として、WAVOCの早稲田ボランティアプロジェクト「災害ボランティア研究会」で防災の普及に尽力されている佐々木俊介先生から災害・防災についてレクチャーいただき、意見交換する機会をいただきました。このセッションでは、防災に関するあまり知られていない知識を数多く学ぶことができました。たとえば、災害によって電力が途絶えた場合に何が起きるのか、そこから生じる人身安全のリスクなど、日常ではなかなか想像しにくいテーマについても深く考える機会となりました。防災に対する理解が一層深まり、こうした知識をより多くの人々に伝えていくことの重要性を改めて実感しました。

開催当日、午前(第1部)の座談会では、日本で起こりうるさまざまな災害について紹介し、それらへの対応方法を共有しました。地震だけではなく、火山噴火、ゲリラ豪雨、強風など、私たちの身近にある自然災害について、普段は軽く見てしまいがちですが、いざという時に命を守るため正しい知識をきちんと学ぶ必要があることを改めて実感しました。

また、準備の段階から指導・支援していただいた佐々木先生にも協力いただき、実際の避難所で起こりうる課題や、外国人が特に気をつけるべきポイントなどを具体的に講演いただきました。その後のグループワークでは、「自分にとって必要な防災グッズとは何か」をテーマに、参加者同士で意見を出し合いました。

午後(第2部)は、池袋防災館を訪問し、約1時間半にわたる体験ツアーに参加しました。マグニチュード9の地震シミュレーションから、消火器の使用体験まで、実践的かつ分かりやすい内容が盛り込まれており、大変充実した時間となりました。参加者の中には、「これまで消火器を使ったことがなく、いざという時に使えるか不安だったけれど、今回の体験で学ぶことができてよかった」と感想を述べる学生もいました。

さらには煙が充満した空間からの脱出訓練では、たとえ訓練用の無害な煙であっても呼吸がしづらく、実際の火災ではより危険な状況になることを実感しました。今回の体験を通して、知識の面でも心の準備の面でも備えることができ、とても有意義だったと感じました。

当日は、WAVOCから留学生を含む8名の学生が参加しました。皆さんある程度日本語が話せるものの、「災害に関する日本語は、普段の留学生活では学ぶ機会がない」という声もありました。今回の活動を通じて、防災について一緒に考え、実際の備えに繋がる一歩になったと感じています。また、留学生と日本人学生が一緒に活動することで、相互の交流が深まり、思いやりをもったグローバルなコミュニティづくりに向けた良いきっかけにもなりました。

今回の企画にご協力いただいた佐々木先生、池袋防災館の皆さま、そして参加者の皆さんに心より感謝申し上げます。今後も、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けた学びと交流の場をつくっていきたいと思います。

最後に、参加した学生の感想を一部抜粋してお伝えします。

【参加学生の声】

・留学生の方と交流してみて、「日本は地震が多い」ということは知っているけれども「いざ地震が起こったらどうすればいいのかわからない」という声を聞いた。自身も、学校の防災訓練などで防災に関する知識は一定程度備わっていると思いきや、使い方がわからない道具も多々存在したので自分の防災に関する見識がなんと浅はかであったことかと痛感した。

・The possibility to experience an earthquake and a burning building, as well as using a fire extinguisher was very helpful. It left a better impression than just learning how to do it on paper or through a presentation.

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