【学生の声】『ハーモニー』で地域と心を結ぶ―音楽ボランティアに参加して
・【WAVOC×AWS】「音楽ボランティアの社会貢献への可能性」アカペラワークショップ~ハーモニーでつながろう!~
・一般社団法人Always With Smileの宮城県気仙沼市での活動
社会科学部2年 中島 里奈
2024年9月30日(月)、小野記念講堂にて、WAVOCと一般社団法人Always With Smile(AWS)が共催するワークショップ『「音楽ボランティアの社会貢献への可能性」アカペラワークショップ~ハーモニーでつながろう!~』に参加しました。そして、10月19日(土)から20日(日)にかけて、宮城県気仙沼市でAWSが開催しているアカペラ教室のボランティアに参加しました。
アカペラワークショップでは、さまざまな感情を表現するワークと表現の癖を発見するワークをしました。前者のワークは、喜怒哀楽の感情と声量の大小の変化を表現するというルールがありました。そして1人 (AWS代表の北山陽一さんは王と表現していました。)が4つの軸に基づいて大小を変化させ、それ以外の全員で変化を表現しました。さまざまな感情を表現するために、声量や声質を調節することに苦労しました。しかし全員でさまざまな感情を表現しているにもかかわらず息が合った、参加者のユニゾンはとてもきれいでした。後者のワークショップでは、5人が壇上に上りある人(王)の指示に基づいて表現を工夫しました。今度は王がしたいように表現をして、残る全員は王をできる限り完璧に模倣するという形式でした。最初は調節することにも苦労していましたが、数をこなしていく内に段々とそれぞれにおける表現の癖が見つかって結果全員の歌声がそろっていくのは見ていて印象的でした。
ワークショップの後半には、「バンドクリニック(バンクリ)」という練習法を通じて、アカペラサークルである「Choco Crunch」に所属するバンドが壇上に上がり、歌詞や曲全体の世界観にまつわる表現を北山さんから指導を受けました。声量や音程は同じであるにもかかわらず、歌う際の心の持ち方や表現方法が変わっただけで、観客に伝わるものが大きく左右しました。
また、宮城県気仙沼市でAWSが開催しているアカペラ教室のボランティアでは、アカペラ教室を実施する前にさまざまな場所を訪れました。AWSの設立当時よく立ち寄っていた定食屋さんや震災当時の写真や実物が常設展示されている美術館から、当時のAWSが置かれていた状況や気仙沼が直面していたことを間接的に目の当たりにしました。衝撃を覚えた一方で気仙沼にかかわり続けるというAWSと私自身の役割を実感しました。アカペラ教室を開催したのは2日目だったので、1日目は気仙沼の商店街や定食屋さんに訪問して地域の素敵な商品やおいしい食材に触れることができました。アカペラ教室は初めて行った私より、定期的に参加し続けている地元の方々の方が譜読みも早い上に歌声も素敵でした。アカペラ教室で今回できなかったことを何度も気仙沼を訪問することで、地元の方々に力を借り交流を深めつつできるようにしていきたいと思いました。
今回AWSの活動に参加してたくさんの刺激を得られました。元々復興という動機でAWSは気仙沼を訪れましたが、当初お互いを知らない状態から現在のような関係性を築き上げることに苦労されたと思います。しかし初期から活動しているAWSの方々や地元の方はそんな様子を一切悟らせることなく終始私が楽しいと思えるように動いてくださったことには、本当に感謝してもしきれません。AWSの活動はもはや復興の域を出て、地域貢献の活動に移行しました。しかしやることは変わらずに気仙沼を訪れ続け、新しく気仙沼と関わりを持つAWSのメンバーを快く迎え入れることが気仙沼とAWSのためになっていくと思います。

ー 朝の気仙沼漁港 ー
<一般社団法人Always With Smile(AWS)紹介>
AWSは、東日本大震災を機に北山陽一氏が発足した団体で、アカペラを通じて被災地の人々と繋がる活動をしています。社会人や大学のアカペラサークルに所属する学生を中心に毎回即席のグループを組んで訪問し、これまでに宮城県気仙沼市で通算活動回数97回、牡鹿郡女川町で84回(2025年1月13日現在)、定期的にアカペラ教室を開催して、現地の人々と一緒に歌う取り組みを行っています。