【開催レポート】献血ルームツアー ~献血ルームってどんなところ?~
WAVOC学生リーダー 南部 耀之介
9月28日(木)、新宿東口献血ルームにて、献血に関するお話を伺い、ルーム内を見学するツアーを開催しました。活動内容と特に興味深かった点について紹介します。また、ツアー終了後に献血の予約をし、後日実際に献血をしてみての感想も併せてお伝えします。
まず、日本赤十字社の活動についてご紹介いただきました。皆さんは日本赤十字社と聞いてどんな活動を思い浮かべますか。献血事業や、赤十字病院などがすぐに思いつくかと思います。しかし、日本赤十字社の活動はもっと幅広く、災害救護や国際的な人道支援、学校での防災教育なども行っています。それらの活動の一つに義援金を集める活動があります。
特に印象に残った点は、義援金の管理です。災害などが発生した際、日本赤十字社で義援金を募ることがありますが、支援先に送るまでの管理、送金までにかかる費用は日本赤十字社が負担しています。また、全国にある赤十字病院にて安全・安心な医療を提供するため、様々な工夫をされていることを伺い、被災地支援や地域医療維持といった社会貢献マインドをひしひしと感じました。
続いて、赤十字社の歴史について学びました。赤十字社は1859年に起こったイタリア統一戦争のソルフェリーノの戦いが設立のきっかけとなりました。激戦地だったソルフェリーノを通りかかったスイス人のアンリ・デュナンは、戦いによって両軍の兵士が大勢死傷している惨状に衝撃を受け、近くの町民らとともに救護活動を始めました。そして5年後の1864年には国際赤十字組織が設立されました。きっかけとなった出来事からわずか5年で組織を設立した点が、想像以上にスピーディーで驚きました。
献血の種類に関しても紹介していただきました。献血には全血献血(200mL、400mL)と血液の一部を採血する成分献血(血漿、血小板)があります。現在献血ルームでは基本的に400mL献血か成分献血をお願いしています。これは400mLの方が200mLよりも輸血後の副作用が起こる確率が低いためです。一般的に輸血をする際には一人の患者さんに対し、4,5人の献血者から集めた血液を輸血しています。200mL献血が多くなると、より多数の献血者の血液が一人の患者さんに使われます。人間一人ひとりの血液は、たとえ血液型が同じでも微妙に異なるため、複数の献血者の血液が混ざると副作用(発熱・発疹など)の発生確率が高くなります。そのようなリスクを考慮し、できるだけ少ない人数からの血液で済むようにしています。人の命を左右することにつながるため、慎重に扱っていることがよく伝わってきました。
また、献血された血液の使い道に関しても初めて知りました。主に血液は事故などで出血した際に使うものだと考えていました。しかし、実際には事故などで使うことは全体の3%程度で、それ以外は主に病気の治療に使われているのです。
お話を伺い、献血について多くのことを学ぶことができました。
~後日~
続いて、実際に献血を行った際の報告です。当日の流れとしては、受付、問診、ヘモグロビン濃度の測定、採血、採血後の休憩になります。まず受付では、体重・血圧の測定、健康状態の確認を行いました。感染症に感染しているリスクがあるかどうかをここで調べていました。しっかり回答しないと輸血を受ける人の命に関わりますので、間違いがないようにする必要があると感じました。
その後、問診が始まるまで少し待ちました。ここでもこの後もアナウンスがあったのですが、採血前にしっかり水分を摂取することが大切です。血液のほとんどは水分であるため、採血によって体内の水分が失われます。それによる脱水症状を防ぐために充分に水分を摂取しておく必要があるからです。新宿東口献血ルームにはジュースやコーヒーはじめ、たくさんの種類の飲み物がありました。
待機中に感じたことは、とても落ち着いた雰囲気だということです。休憩・順番待ち用のスペースはゆったりと座れる椅子があり、問診や採血までの間もリラックスして過ごすことができました。
続いて問診・ヘモグロビン濃度の測定を行いました。ヘモグロビン濃度の測定は小さい針を指先に刺してそこから出た血液で測定をします。私は毎回ここで、針が刺さるということで身構えてしまうのですが、思ったほど痛みはなく一瞬で終わるので、1回やってみれば抵抗感もなくなると思います。
そしてついに採血に進みました。しっかりと消毒を行った後、採血用の針を刺します。やはりこの針は刺さる瞬間に少し痛みを感じましたが、しばらくするとその痛みも消えました。400mL全血献血の場合、通常は10~15分程度で終わるそうなのですが、私の場合は少し長めにかかりました。指先が冷たかったためカイロを握って、血流が良くなるように足を動かしながら採血をしました。
私は採血や注射の時に針を抜くと、少し頭から血の気が引くような感じがする体質なのですが、今回も少し貧血のようになってしまいました。看護師さんに伝えると、すぐに椅子を倒してくれて(思ったよりリクライニングしてびっくりしました。足の血を頭のほうに戻してくれました)すぐに回復することができました。
献血後は20分ほど休憩を取りました。水分補給をしながら椅子に座って過ごしました(秋葉原の献血ルームには漫画が3,000冊もあるそうです)。休憩後に献血のお礼の品をいただきました。どんなものがもらえるかは実際に献血してのお楽しみです。
最後に献血をまだしたことのない人へのメッセージです。ぜひ一歩踏み出して挑戦してみてほしい、と思います。おそらく思っているほど痛いこともつらいこともないうえに、終わった後の達成感、自分が社会の役に立っているという実感はかなりあります。それでもちょっと…と思う場合は、友人を誘って一緒に行ってみてはいかがでしょうか(実際、友人同士3人で献血に来ている方達がいました)。休日に時間が少し空いたときなど、ちょっとした時間で簡単にできる社会貢献だと思うので、献血の呼びかけなどを見かけたら、それをきっかけに挑戦してほしいです。