The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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外来生物駆除ボランティア実施後レポート

外来生物駆除ボランティア実施後レポート

学生リーダー 高平 真菜

WAVOCでは、9月15日(木)に、「外来生物駆除ボランティア」を実施しました。参加してくださった皆様ありがとうございました。本イベントは、認定NPO法人生態工房様のご協力のもと、都立光ヶ丘公園内バードサンクチュアリ内にて、外来生物や認定NPO法人生態工房様の活動に関するご講演の後、実際に池で外来生物であるアメリカザリガニの駆除作業を実施するという企画でした。

実施概要は以下になります。
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2022/08/09/9712/

以下では、企画者の感想と共に当日の様子をお伝えできればと思います。

当日は、まず初めに、認定NPO法人生態工房理事長の片岡様より、アメリカザリガニ問題や改正外来生物法等について解説をしていただきました。

今回のイベントで実際に駆除したアメリカザリガニは、総合対策外来種の中でも、積極的に防除が必要な「緊急対策外来種」に指定されています。

「緊急対策外来種」であるアメリカザリガニが繁殖し、池に住み着いてしまうと、アメリカザリガニが水草を食べたり、ハサミで切断したりしてしまうことで池の生物多様性が失われてしまいます。

このような対策が必要な外来種は、生物多様性が損なわれること以外にも、生態系、農林水産業(経済)、人の健康に大きな影響を与えていることでした。

とりわけ、そのような外来種の中でも、最も影響力があり、緊急性の高い「特定外来生物」は、外来生物法に定められた厳しい罰則規定が適用されます。「特定外来生物」は、たとえば飼育、保管しているだけでも厳しい罰則規定があり、その罰則規定の厳しさは、銃を所持していた際に適用される罰則に匹敵するほどだそうです。それだけ厳しい罰則規定を設けなくてはいけないほど、外来生物問題は、今徹底的に対処していかなくてはいけない喫緊の課題なのだと改めて感じさせられました。

続いて、実際にバードサンクチュアリ内を見学しながら、活動紹介などをしていただきました。

今回訪れた都立光ヶ丘公園のある地域(武蔵野)は、以前は広大な湿地帯だったらしく、認定NPO法人生態工房様の活動のなかでは、このバードサンクチュアリ内の池をできるだけ以前のものに近く、理想的な湿地になるように整備をされているとのことでした。理想的な湿地とは、水域と陸域が明確に区分されておらず、陸域から水域にかけて移行帯があるものだそうで、その移行帯が湿地における生物多様性を育むのだそうです。普段、池や湿地を見る際に、景色を漠然と見るだけでなく、移行帯があるかどうかを確認するという新しい視点を得るとともに、環境整備の大変さを学ぶことができました。

一通りお話を聞いた後で、作業着に着替え、実際にバードサンクチュアリ内の池の中へ入り、罠にかかったアメリカザリガニを駆除していく作業を開始しました。池の中での作業は、とても歩きにくいため、想像以上にハードな作業でした。この池には、以前はアメリカザリガニと同じ「緊急対策外来種」であるアカミミガメも繁殖していたそうで、その駆除には約30年の月日がかかったそうです。これだけ体力のいる作業を、数十年以上前から定期的にNPO法人生態工房様がなさっていると思うと、一度繁殖した外来生物を駆除するのがいかに大変であるかという点が理解できました。

罠は、餌を入れたものや、暗いところに集まるといったその他の習性などを利用したものなど、計3種類の罠が池全体に仕掛けられていました。罠にかかる生物はアメリカザリガニだけでなく、モツゴ、スジエビ、ハゼ、フナなどが罠の中に入っていました。中には、上の写真のようなスッポンも罠に引っ掛かっており、池の中の生物多様性を感じることができました。もちろん、アメリカザリガニ以外の生物は、何が何匹いるかを数え、NPO法人生態工房のスタッフの方に報告し、また池に戻すという作業を繰り返しました。

最終的に獲れたアメリカザリガニが、上の写真に写っているものになります。個体の大きさは、私が想像していたものよりも小さめだったのですが、以前はもっと大きなものばかりだったそうです。というのも、大きな個体から捕獲されるため、全体的に小さなものが残っていくそうで、個体の大きさからも今までの駆除作業における努力が伺えました。

改めまして、参加者の方々と認定NPO法人生態工房 片岡様、スタッフの皆様にお礼申し上げます。

【参加した学生の感想】
私は今回のボランティアで初めて外来生物駆除を体験しました。生態工房様からのお話で、外来生物駆除の現状や、アメリカザリガニが新しく特定外来生物に指定された外来生物法の改正についてなど、多くの学びがありました。身近だったアメリカザリガニが特定外来生物に指定され、今では飼育が規制されていることが一番の衝撃でした。 

捕獲作業は思っていたより大変で、池の中で何度も足を取られながら数十個の罠を解いて外来生物、主にアメリカザリガニを捕獲しました。最初は歩くのにも苦労しましたが、慣れてくるとスムーズに進めるようになり、最終的に全体で100匹を超えるアメリカザリガニを捕獲することができました。今回のボランティアを通じて、外来生物に関する理解が深まり、生態保全に少しでも貢献出来たことを嬉しく感じました。

 

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