由井 一成(平山郁夫記念ボランティアセンター講師)
20周年を迎えるWAVOCの一員として本年度を迎えられることを嬉しく思います。
この4月、私の母校である小学校に、息子が入学しました。その校歌の1番は小学生が勇ましく学校に通う様子、2番には人のために尽くす心、3番には平和への希求が謳われています。これまでの私自身の半生を振り返ると、グローバル・シティズンシップ教育(地球市民の育成)を研究テーマとし、世界平和の実現を希求する自分、その過程として課題を自分ごととし、創造的、先駆的取り組みに価値を見出すボランティアの実践、推進に関わる自分がおります。私の歩みは、この校歌そのものであることに驚きを隠せません。
明治40年制定の早稲田大学の校歌にも、またボランティアの意義を彷彿とさせるものがあります。1番には学問を追求する学生の姿、2番には国を背負う市民としての姿、そして3番には距離や世代を超えたつながりが謳われています。2番の「大なる使命」、3番の「理想の光」とは、現代の文脈で解釈すれば世界平和の希求と実現であり、地球市民としての生き方、あり方を掲げたものであると私は理解しています。その実現に向けて求められるものこそ「進取の精神 学の独立」なのではないのでしょうか。学問の自由が保障される中、自ら進んで学びを獲得しようとする心がけ、それはボラティアにおいて大切な新規性、先駆性、創造性が基礎となる精神です。早稲田大学にボランティアセンターが存在し、ボランティアを通した学びを推進することの意味を、ここからも見出すことができます。
「集まり散じて人は変れど」、WAVOCはこの先も30年、40年、50年と輝きを放ち続ける存在であることを願うとともに、その実現に向けこれからも微力を尽くしてまいりたいと思います。