The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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フグプロ活動備忘録!“おいしい”から見えた世界~第三弾「マレーチャン」編~

フグプロ活動備忘録!
“おいしい”から見えた世界~第三弾「マレーチャン」

メンバー:W.M / K.R / Y.Y / A.S
編集:N.T

■訪ねたお店

マレーチャン池袋一号店は池袋駅から徒歩5分のマレーシア料理専門店。日本人の店長が経営を始めて今年で35年となる。「ここで働いてきたみんなの成長を見届けることができたのが私の誇り。」店長は凛々しい笑顔で私たちに語りかけた。マレーチャンは種類豊富なマレーシア料理を用意している。母国を思い出させるような味にほっこりするお客さんが多い。

訪問先:東京都豊島区西池袋 3-22-6
代表 福澤 笙子

 

「自分の出身国であるマレーシアの料理を提供しているため、
自分への関わりがあると感じ、ここで働こうと考えました」

Profile
ホンさん
出身地:マレーシア 来日:3年目

来日の理由:日本文化や日本語の勉強に対して興味・好奇心を持った。日本語に興味を持ったきっかけは、日本発のゲームを通して日本語の表記や音声に触れることが多かったから。

趣味:ゲーム(プレイステーション)、昔はバスケットボールとバドミントン

現在:池袋西口付近のマレーシア料理店マレーチャンの厨房で料理人として働く。

「自分の限界が知りたくて」

Profile
フェーさん
出身地:ベトナム  来日:半年

来日の理由:自分の限界を知りたくて、新しいチャレンジとして日本で職を探しに来た。元々言語を学ぶことに魅力を感じるため、日本語を学ぶことにも挑戦してみたいと思った。気候・四季・食が、日本を選ぶ決め手だった。

趣味:言語が好き。日本に来る前はベトナムで英語の教師をしていた。旅行も好き。国内ならほとんどすべての地域に行ったことがある。

現在:現在は日本語を勉強中。いずれは、ベトナム語・英語・日本語を介する通訳、翻訳について学びたいと強く思っている。

■インタビュー

〈〇×質問〉

Let’s ask 0-10 questions!

0が「あてはまらない」、10が「とってもあてはまる」とする質問をしてみた。

「日本に来た理由はなんですか?」

ホンさん「子供の頃から日本のゲームがとても好きでした。その多くの作品は日本の人物関係や社会を題材として扱っていたので、日本の文化に興味が湧き始めました。また、ゲームに登場する漢字には訳せないものが多く、その意味を知りたかったことから日本に興味を持ちました」

フェーさん「日本に来た理由は、自分の限界が知りたくて、新しいチャレンジとして、日本で働きたいと思ったからです。また、言語を学習することが好きなことから、日本語を学び、翻訳家を目指したいと思ったからです。現在通っている日本語学校卒業後は、日本で通訳、翻訳に関わる職に就きたいと考えています。」

「日本に対するイメージを教えてください」

ホンさん「初めの頃は、日本料理は自分の口に合わない味だと感じていましたが、今では自分で日本料理が作れるようになりました。また、電車の発車時刻やお店の開店時刻など、日本は時間に厳しく規則正しいと感じています」

フェーさん「私は2回旅行で日本を訪れたことがあり、天気が良く、四季があってご飯が美味しい日本に魅力を感じました。このことがきっかけで、日本で働きたいと思い、日本語の勉強を始めました」

■全員の感想

今回私たちがインタビューさせていただいたホンさんはとても気さくで優しい方で、私たちの質問に丁寧に答えてくださった。「自文化と他文化に優劣をつけるのではなく、それぞれのやり方がそれぞれの社会に住んでいる人にとって大事な価値観だよね」と言っているホンさんを見て、自分とは異なる文化に対する理解の精神をお持ちの方だという印象を受けた。例えば、家を借りる時や携帯の契約プロセスが困難を伴うものだったかという質問に対して、「それは世界中どこにいても面倒くさいよね~」と返事したこと、市役所のやることが遅いか?という質問に対して、「それは申し込む人が多いから仕方ないことだよ~」と返事したこと、さらに、「マレーシアは比較的緊張感がないからせっかちじゃないし、ピリピリしてない人が多いのに比べて、日本って結構ピリピリしている人が多いですよね」と尋ねると、「まあそうだね。でも、日本人にとっては時間が大事だから。」という回答が返ってきた。

このように優しく、寛容なホンさんのお話を聞いていると、海外からの移住者にとって日本は住みやすい場所なのだと思ってしまっていた自分がいたが、そう結論付けてしまうのはあまりにも短絡的であると我に返った。私たちがここで目を付けたのは、寛容力や良い意味での鈍感力を身に付けていない限り、海外から日本に来て上手く生活していくのは難しいことなのではないかということだ。ホンさんは、自文化ではなく、他文化を軸に物事を捉えるための寛容力を備える方だからこそ、日本で生きてくることができているのではないだろうか。寛容な人しか生きていけない社会を作る日本、その在り方を少しずつ変えていくことはできないのであろうかと考えさせられた。

また、今回のインタビューは、私たち日本人4人対ホンさん1人という形でのインタビュー、そして、出会って1時間しか経っていないという状況だったため、彼が本当は違和感を感じていることや、窮屈に感じているところを打ち明けにくい状況であったことが考えられる。彼が語ることのなかった日本社会で生活していく上で感じる言葉の壁やコミュニティの狭さなどを含む悩みや不安は、より親密になれてから初めて知れるものであるため、今後も関係を継続させていければと思う。

■各メンバーの感想・考察

メンバー①
ホンさんに、来日して感じたことやホンさん自身のことについてお話を伺うことができて良かった。今後、日本での生活で不自由なことや飲食店で働くことについてなどを調査していく上で、雄さんのプライバシーも考慮しながら少しずつ心の距離を近づけていきたい。インタビューの中で一つ気になったのは、雄さんの周りに気軽に話を聞いてもらえる人や環境は少ないのではないかと考えた。インタビューの中でも、同じ出身国の友達は帰国されたようであり、近隣の人との関わりも積極的にしようとは思わないと答えていた上、家族もマレーシアにお住みになっているということだったからだ。また、オーナーの心の広さとグローバルな行動力が素敵だと感じた。彼女を通じても多くのことを学べたらと考えている。

メンバー②
マレーチャンで働く社員の方へのインタビューを通して、自分が触れたことがない世界であり、システムで連携していることを知り、違う職種で活躍する方から、生活上の辛さややりがい、来日理由などについて直接お話をうかがい、勉強になった。これまで漠然としか考えていなかった異文化交流についても強く意識するようになり、外国人の現状および外国人就労における課題を考える上で大変貴重な経験となった。

メンバー③
ホンさん、フェーさんどちらも日本に対して好印象で嬉しかった。好奇心や好きなことがきっかけで来日しており、私もこのような精神を見習いたいと思った。

2人とも日本語の勉強途中だが、言葉が通じないことの不安はとても大きいのではないかと感じた。その不安を相談できる相手が周りに多くいたらいいなと思った。自分が同じような立場だったらマレーチャンのオーナーのように親身になってくれる人がいたらとても安心できるので、これからも関わりを持ち続けたい。

このインタビューに関して、さらに詳しく知りたい方はHPをご覧ください。

〈フグプロホームページ https://www.foodglocalproject.com/

 

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