教えるな! 揺さぶれ。 公開! 「体験の言語化」シンポジウム報告

パネルディスカッションの様子
活動名 | 教えるな! 揺さぶれ。 公開! 「体験の言語化」シンポジウム |
---|---|
活動期間 | 2016年8月2日(火) |
会場 | 早稲田大学早稲田キャンパス 大隈記念講堂小講堂 |
参加人数 | 約180名 |
主催者 | 早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター (WAVOC) ・大学総合研究センター |
【当日の様子】
シンポジウムの流れ |
12:00 開場 13:00~13:10 趣旨説明(早稲田大学理事・WAVOC所長:村上公一) 総長挨拶(早稲田大学総長:鎌田薫) 来賓挨拶(文部科学省高等教育局大学振興課長:角田喜彦) 13:11~13:45 第1部 科目「体験の言語化」大公開! (WAVOC准教授:岩井雪乃、WAVOC准教授:兵藤智佳、科目「体験の言語化」履修生 2015年度商学部 卒業生:湯山秀平) 13:45~14:15 大学生が体験を言語化する意味(京都大学高等教育研究開発推進センター教授:溝上慎一)14:15~14:30 質疑応答 14:30~14:40 休憩 14:40~15:50 第2部 パネルディスカッション『いま考えるキャリアのゆくえ―就活・スポーツと「体験の言語化」の可能性』 パネリスト 早稲田大学野球部前監督:岡村猛、ジャーナリスト・有限会社ネオローグ代表取締役:津田大介、 湯山秀平 ファシリテーター 福岡女子大学准教授:和栗百恵 15:50~15:55質疑応答 15:55~16:00 閉会の挨拶(WAVOC副所長:久塚純一) 総合司会:大学総合研究センター:福元彩子 |
【シンポジウムの様子】
本シンポジウムは、WAVOC教員による3年間の「体験の言語化」プロジェクトの成果報告として開催しました。
第1部では、プロジェクト担当教員による方法論の紹介、科目を受講した卒業生である湯山秀平氏による体験の「語り」を行いました。その後、「体験を語る」ことが大学教育においてどのような意味を持つのかをアクティブ・ラーニングの第一人者である溝上慎一氏が解説しました。
第2部では、多様化するキャリアのあり方に対して「体験の言語化」はどのような可能性を持つのかをテーマに、ジャーナリスト・津田大介氏、早稲田大学前野球部監督・岡村猛氏、科目受講生・湯山秀平氏を交えてパネルディスカッションを行いました。専門分野や立場の異なるパネラーによる議論によって、「体験の言語化」の多様な可能性が引き出されました。
シンポジウム参加者からは「早稲田大学の教育への大きなチャレンジと感じられた」「これからの教育活動に活かしていきたい」などの言葉を寄せられました。、多様な形での発表によってこれまでのプロジェクトの成果が伝わったことに加えて、この取り組みに多くの期待が寄せられていると感じられました。
【ゲスト・登壇者の声】
溝上氏からは、①正規科目として位置づけるなら、大学教育カリキュラムの位置付けはあるのか②トラウマ体験をパブリックな場で扱うこと危険性、といったこの実践に関する今後の課題となるコメントを頂きました。
岡村氏からは、「選手が自らのプレーについて語る際にはは言っただけで終わってしまう人もいる。一方で、過去の失敗や現状のレベルを踏まえて未来の目標を物語り、成長につながる学生もいた、」と指導現場での言語化体験に関するコメントを頂きました。
津田氏からは、ライターとして「誰かの『体験の言語化』を聴く機会は、自分は自分の言葉で語れないという挫折感を抱く経験にもなった。一方で、他者の言語化を支えるために他者の話を傾聴してきたことで、自分を語る力につながったと感じている」とコメントを頂きました。
【反省点・課題など】
①シンポジウムの目的は「成果報告会」であったが、参加者は具体的な方法論の発表を望んでいた、との声が多く聞かれ、シンポジウムの構成については次回の課題にしたい。
②第2部のパネリストの選出については「分野・年代」が多様で、様々な意見が聞けてよかったと参加者からの声もあり、次回以降の参考にしたい。
【アンケートより】
・早稲田大学の教育への大きなチャレンジであると感じた
・ありきたりの既成表現ばかりの報告会が多い中、たいへん刺激的なシンポジウムであった
・溝上氏の問題提起に対して、WAVOCの教員が応えるようなパネルディスカッションがあれば良かった
・教員のファシリテーションがとても重要だと思うが、今回はその具体的な方法があまり公開されていなかったのが残念
(早稲田大学国際教養学部5年 渡邊 翔)
![]() 兵藤智佳准教授 |
![]() 岩井雪乃准教授 |
![]() 溝上慎一教授 |
![]() 卒業生湯山秀平氏 |