WAVOCでのボランティアを通して、学生たちは変わっていきます。一日だけのボランティアや4年間に渡ってボランティアに取り組む学生など、かかわり方は多様ですが、そこには、それぞれの「成長」があります。ここでは、3つの具体的な事例を紹介します。
車いすに乗ったアスリートを支えるボランティアをしたショウタ。彼は、活動を通じて、車いすの人が段差を超える大変さやどんなときに助けが必要なのかを知ることができました。そんなショウタは、ディズニーランドの多目的トイレがどこにあるかが気になるようになりました。そして、これまで気づかなかった大学キャンパスにもいる車いすの学生の姿が見えるようになったのです。世界がちょっとだけ違って見えるようになった学生です。
東日本大震災の原発事故で被災した福島の高校生を支えるボランティアをしたマヤ。当時の高校生たちは、自分たちが被災者で辛い思いをしているのに、「福島で苦しんでいる人のためになりたい」と将来の夢を語りました。そんな高校生を支え続けたマヤは、「自分も病気で苦しんでいる人に寄り添う仕事をしたい」と作業療法士になる決断をしました。自分が知らなかった価値観や生き方を知ったことで、自分はどんな仕事をして生きたいのかを考え、行動した学生です。
DV被害者支援のボランティアをしたフミ。彼女は、DV被害者が大変な思いをしているのに、法律や制度の不備によって、その支援が十分に行われていないことを知りました。「どうしたらもっとよい支援ができるのか」を考えたフミは、「DV法の歴史」を卒業論文のテーマし、法律と支援についての研究を行いました。そして、その後、法科大学院への進学を決めました。DV被害者をめぐる支援現場を知り、法律という学問へのモチベーションが高まった学生です。