スマートエスイーコンソーシアムでは、調査研究ワーキンググループ「DX時代のビジネス戦略・要求調査研究WG」を発足し、2020年1月から6月まで、早稲田大学ならびにオンラインにて調査研究(全8回)を実施しました。以下に開催報告や詳細を掲載します。
開催報告
1月から6月にかけて、主としてITで実現するためのビジネス戦略立案のプロセスと方法論を座学とその演習を通して習得し、DX化に向けたプロセスやノウハウをまとめてきました。その成果をセミナーにて発表するとともに、研究会報告としてまとめました。
- ■ セミナー: DX時代のビジネス戦略・要求 (2020年8月17日オンライン): セミナープログラム、発表資料・動画
- ■ 研究会報告: 新谷勝利,野村典文,鷲崎弘宜,吉岡大輔,川崎雅和,高橋久憲,木戸真貴子,岡崎靖子,坂井充,岸田智子,岡啓,赤坂幸彦, “DX時代に必要なゴール指向のデジタルビジネス戦略・要求の枠組みに向けて”, 情報処理学会 第207回ソフトウェア工学研究発表会, 2021
要旨: DX(Digital Transformation)の推進に向けて,目標の明確化および以降の戦略・要求の整合化が課題である.我々は,その課題解決に寄与する各種の手法を整理し,DX 時代に必要なゴール指向のデジタルビジネス戦略・要求の枠組みとして構築した.具体的には,ビジネス対象およびステークホルダを特定し価値を認識するビジネスモデルキャンバス(リーンキャンバス),その実現における目標・戦略・測定の整合化された構造を記述する GQM+Strategies,ならびに,エコシステム全体のアーキテクチャを記述する ArchiMate を中心に初期の枠組みを構築した.その上で,異なる題材に対する複数のケーススタディを通してその有効性と課題を明らかにした.
開催場所
オンライン および 早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究開発センター(40号館) 2階 204会議室
東京メトロ東西線 早稲田駅 2番出口 徒歩1分
活動期間
2020年1月16日(木)〜2020年4月23日(木)、2.5時間 X 8回
*毎月2回、計8回開催、木曜日18:30~21:00(詳細は日程/シラバスを参照)
目的
DXに関するテーマ「デジタル時代におけるビジネス目標の達成のための戦略とその実行(運用)」について、主としてITで実現するためのビジネス戦略立案のプロセスと方法論を座学とその演習を通して習得し、DX化に向けたプロセスやノウハウをまとめることを目的とする。
ビジネス戦略立案のプロセス
ビジネス目標を達成するための戦略の実行、即ち具体策の運用について、どうあるべきかをプロジェクトの初期(まだ正式に発足していない場合も含め)・早期に考え、記述する。一般的に、ConOps(Concept of Operations)と呼ばれる、システムの利用・運用の概要をまとめた業務構想文書の作成スキルを、演習を通して習得し、ノウハウをまとめる。
方法論
OKR, GQM+Strategies, ArchiMate を中心に扱う。
- OKR (Objectives and Key Results): 目標(Objectives)と達成判断のための複数の成果指標(Key Results)を定めて目標管理する手法であり、Google社などで採用されたことから注目を集めている。
- GQM+Strategies: 目標(Goal)、達成判断のための測定(Measurement)、目標実現に必要な戦略(Strategies)およびそれらの関係を可視化し整合化させる手法。
- ArchiMate:業務、アプリケーション、テクノロジー(インフラ)の各アーキテクチャをモデリングするための記法。
日程(シラバス)
第1回 2020年1月16日(木) 18:30~21:00 テーマ: チームビルディング
- お互いの自己紹介 (10分)
- 学習テーマと進め方の説明 (90分)
- 学習プロセスの体験演習 (50分)
第2回 2020年1月30日(木) 18:30~21:00 テーマ: テーマに対する戦略
- ビジネス戦略(ゴールにつながる)のツールを学ぶ (30分)
- 戦略のアイデア出し(ブレスト、KJ法) (30分)
- テーマに関するビジネス戦略立案をチームでワーク (90分)
第3回 2020年02月13日(木) 18:30~21:00 テーマ: GQM+Strategiesのゴール策定
- ビジネスゴール構造作成の説明・簡易演習 (60分)
- ゴール、サブゴール作成 (90分)
第4回 2020年02月27日(木) 18:30~21:00 テーマ: GQM+Strategies及びコンテキスト(事実)とアサンプション(仮定)
- ゴール、サブゴールの見直し (15分)
- アサンプションが多い場合には、ゴールが本当に妥当か (30分)
- アサンプションからコンテキストへ変換 (60分)
- KGIを議論 (サブゴールはKPIになるかもしれない) (45分)
第5回 2020年03月5日(木) 18:30~21:00 テーマ: DXシステム化の検討 ゲストレクチュアラー 山本修一郎
- 全体アーキテクチャの考え方: 例:Archimate (60分)
- Archimateの演習 (90分)
第6回 2020年03月19日(木) 18:30~21:00 テーマ: GQM+Strategiesの戦略立案
- GQM+Sのゴールを見ながら戦略を考える (60分)
- 戦略のツリー(ゴールとの整合性を確認)を作成 (30分)
- 戦略(Strategiesの箱とGQMグラフを接続) (60分)
第7回 2020年04月09日(木) 18:30~21:00 テーマ: GQM+Strategiesグリッド全体の妥当性検証
- HoRIMの説明と活用 (90分)
- 検証後のグリッド見直し (60分)
第8回 2020年04月23日(木) 18:30~21:00 テーマ: 最終回&DXシステム化の検討
- 全体のプロセス振り返り: 導入へのプロセスを発表/議論 (120分)
- GQM+Strategiesコミッティについて (30分)
参加会費
12万円(税別)
*同一組織からの参加の場合、1人目は12万円(税別)、2人目以降は、一人6万円(税別)
参加資格
スマートエスイーコンソーシアムの会員であること。
コンソーシアムへの入会申込につきましては、下記をご参照ください(入会無料)。
スタッフ
【リーダー】 新谷勝利(早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所)
【コリーダー】 野村典文(ゴール指向経営研究会)
【顧問】 鷲崎弘宜(早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所)
【ゲストレクチャラー】 山本修一郎(名古屋大学)
【テーチングアシスタント】 早稲田大学ゴール指向経営研究会メンバー
主催
スマートエスイーコンソーシアム
◆お問合せ先: スマートエスイーコンソーシアム事務局 ([email protected])
共催
早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構 グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所
WGの参加申込
申込書に必要事項を記載の上、「件名:DX時代のビジネス戦略・要求調査研究WGへの参加希望」として、スマートエスイーコンソーシアム事務局([email protected])宛にメールにてお申込みください。