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静岡県熱海市伊豆山港沖に流出した盛土の底質と有孔虫群集への影響調査

2021年7月3日午前10時30分頃、熱海市伊豆山地区の逢初川源頭部にあった盛土が崩壊して発生した土石流(以下、熱海土石流)は、逢初川を流下し、伊豆山港から相模湾に流出しました。
盛土から伊豆山港までの陸上の熱海土石流に関しては、第一著者の 北村 晃寿(静岡大学防災総合センター)と共同研究者が地球科学的研究を行っており、研究結果は公表されています。

一方、海洋流出した土石流堆積物については、2021年7月に㈱ウインディーネットワーク(2021)がサイドスキャンソナーを用いて海底調査を実施し、海底の反射強度モザイク画像(以下では2021年画像)を作成し、公開しました。
そこで、早稲田大学教育・総合科学学術院 守屋 和佳教授、静岡大学理学部地球科学科 北村 晃寿教授ほかは、2021年画像を参考にして、伊豆山港沖に定点を設定し、2021年7月30日、2022年8月16日、2023年10月16日の計3回、年間1回の割合で海底堆積物を採取しました。

本研究では、これらの堆積物の粒度組成と有孔虫群集の分析を行いました。
さらに、㈱ウインディーネットワークに依頼し、2021年と同じ場所で、2023年9月にサイドスキャンソナーを用いて海底の反射強度モザイク画像(以下では2023年画像)を得ました。

これらの調査で次のことが判明しました。

1.伊豆山港に流入した土石流は1回だけであり、流入後、混濁流に変化した。
2.伊豆山港沖の底質は、2023年10月までには土石流の流入前の状態に回復したと推定される。

この研究成果は、「静岡大学地球科学研究報告」に受理されました。

論文情報

題名:静岡県熱海市伊豆山港沖に流出した盛土の底質と有孔虫群集への影響調査
誌名:静岡大学地球科学研究報告, 51号.
著者:北村 晃寿1*,2,松野由奈守屋和佳,張 天逸,小林大翔,岡嵜颯太,山下裕輝,古屋俊和,島田帆菜
https://www.sci.shizuoka.ac.jp/~geo/grep/51_Kitamura_et_al_2024_Atami2.pdf

1:静岡大学理学部地球科学科,2:静岡大学防災総合センター,3:早稲田大学教育・総合科学学術院理学科地球科学専修,4:早稲田大学データ科学センター,5:早稲田大学大学院創造理工学研究科地球・環境資源理工学専攻,6:静岡大学大学院総合科学技術研究科,7:早稲田大学教育学部理学科地球科学専修
*Corresponding Author

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