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令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞コメント

このたび、早稲田大学の研究者4名および1グループが、科学技術分野で顕著な功績があったとして、「令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。

 科学技術分野の文部科学大臣表彰は、我が国の社会・経済、国民生活の発展向上等における科学技術上の成果に対する功績が顕著な者を対象とし、開発・研究・科学技術振興・技術・理解増進の5部門から成る「科学技術賞」、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象とした「若手科学者賞」、優れた創意工夫により職域における技術の改善向上に貢献した者を対象とした「創意工夫功労者賞」、高度で専門的な技術的貢献を通じて研究開発の推進に寄与する活動を行い、顕著な功績があった者を対象とした「研究支援賞」の4つの賞から構成されており、以下のとおり、科学技術賞の研究部門に3業績・理解増進部門1業績、若手科学者賞として1業績の計5業績が選ばれました。

本学は、引き続きWaseda Vision150の研究ビジョンである「世界の平和と人類の幸福に貢献する研究」を展開し、「世界で輝くWASEDA」の実現に向けて、たゆまず歩みを進めていきます。

科学技術賞 研究部門

受賞業績:日本の企業統治システムの進化と機能に関する実証研究
商学学術院 宮島 英昭教授

受賞コメント
株式所有、取締役会の機能といった問題が日本で企業統治という枠組みから注目されたのは、1990年代前半でした。当時在外研究でハーバ-ド大学におり、そこで分析の枠組みや手法について多くを学びました。以来、株式所有の進化、企業・銀行関係の変化、経営者交代の決定要因、独立取締役の役割、海外機関投資家や自社株買いの増加の含意、上場子会社の機能、持株会社化の要因など、時々の日本企業が直面した問題の実証分析を試み、また、英・米とは異なる日本の企業システムの特徴を海外に発信してきました。こうした「日本企業の進化と機能に関する実証研究」が評価されて、この度、文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)を受賞いたしました。大変光栄なことと思っております。最近は研究への時間的な制約が強まっていますが、幸いSDGsへの拡張など研究のアイデアは絶え間なく湧いてきますし、一緒にその問題の解明に取り組んでくれる内外の友人にも恵まれております。是非、次の成果にご期待ください。

受賞業績:医療・介護政策に資する科学的根拠の創出へ向けた実証研究
政治経済学術院 野口 晴子教授

受賞コメント
科学技術賞の受賞、大変光栄に存じます。今回の受賞は私個人ではなく、日米両国で治療法や政策に影響力のある共同研究者に巡り合えた幸運に帰するものであり、過去と現在において、共に研究を行ったチーム全員に対する授賞であると認識しております。この場をかりて、私に教育と研究の機会を与えて下さっている本学の教職員、学生、ポストドクターの皆様に対し、心より御礼申し上げます。効率的な政策運営のための有効な政策のチョイスセットを提示する手続きが「科学的根拠の創出」であり、デジタル庁の創設に代表されるように、日本でも、悉皆型行政管理情報の整備と第三者提供へ向けた法整備が急速に進展しつつあります。COVID-19パンデミックを機に、こうした動きが加速化することが予想され、リアルワールドに対する社会科学の役割をあらためて問い直す時代に突入したと思います。今後とも、皆様からのご指導・ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

受賞業績:革新的循環型非臨床試験系によるクラスIV治療機器開発の研究
理工学術院 岩﨑 清隆教授

受賞コメント
令和3年度の文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を頂き、大変光栄に存じます。支えて下さった全ての方に心より御礼申し上げます。平均寿命の世界的な延伸に伴い、救命、Quality of Lifeを劇的に改善する治療機器へのニーズは益々拡大します。不具合が生じた場合に生命の危険に直結する恐れのある植え込み型クラスIV治療機器は、病変・病態のない動物試験や限定患者数で臨床試験では有効性とリスクの評価に限界があり、研究開発の隘路があります。先駆的治療機器の研究開発を実用化へと結実させるために、この限界を克服するヒトの病変・病態の特徴を模した先進的“非臨床”試験機器と、リスクと有効性の評価法を医工・産学協働で開発してきました。基礎研究-承認-製造販売の全ライフサイクルで活用する循環型非臨床試験系という新概念を提示し、医療界、産業界、行政に貢献した点が評価されたもので、産官学の方に心より感謝申し上げ、一層精進してまいります。

科学技術賞 理解増進部門

受賞業績:先端スマートシステム技術の普及啓発
鷲崎 弘宜 (理工学術院教授)
本位田 真一(理工学術院教授)
鄭 顕志  (理工学術院 准教授)
内平 直志 (北陸先端科学技術大学院大学副学長 教授)
深澤 良彰 (理工学術院教授)

受賞コメント
AI・IoTを中心とした先端スマートシステム技術による価値創造を担う人材のリカレント教育スマートエスイー https://smartse.jp を評価いただいたものであり受講者や講師、運営ほか関係者全体に厚く御礼申し上げます。本学を代表に茨城大、群馬大、東京学芸大、東京工業大、大阪大、九州大、北陸先端科学技術大学院大、奈良先端科学技術大学院大、工学院大、東京工科大、東洋大、鶴見大、国立情報学研究所および企業団体との産学連携で文科省enPiT-Pro事業に採択され進めています。本学では情報理工・情報通信専攻、理工総研 最先端ICT基盤研究所、データ科学センターを中心に社会人教育事業室、IPS、RICほかと連携し進めています。履修証明プログラムである正規履修を毎年30名弱が修了、一部座学はMOOCオンライン提供し毎年2-3万名が履修登録、修了者において多くの受験者がMCPC IoTシステム技術検定上級に合格し、また業務発展や新規開拓へつながったと回答する修了者が多く効果を実証しつつあります。加えてコンソーシアムを設立し調査研究や交流、さらに石川県・小松製作所と協定を結び北陸先端大ほかと連携しスマートエスイー石川スクールを展開するなど技術普及啓発に努めています。DX人材育成の社会要請は増すばかりであり多くの皆様のご参画のほどお願い申し上げます。

若手科学者賞

受賞業績:高精度な津波被害予測手法の開発に関する研究
理工学術院総合研究所・次席研究員(研究院講師)高畠 知行研究員

受賞コメント
このたびは大変名誉ある賞を頂き,うれしく光栄に思っております.大学院で津波防災を研究テーマにしてから,10年以上の月日が経ちました.様々なことに悩みながらも研究活動を続けてこられたのは,支えてくださった皆様のお陰です.これまで研究活動でお世話になった先生方,民間の技術者・研究者の方々,学生諸君やスタッフの方々など,すべての皆様に厚く御礼申し上げます.これまでの研究活動を認めて頂いたことをうれしく思うのと同時に,冷静に考えると,まだまだ津波などの自然災害による被害は後を絶ちません.自然災害から少しでも多くの人々を守り,安全な社会を築けるように今後も精進していきたいと思います.
※(現所属)近畿大学理工学部社会環境工学科 准教授

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