国交相が視察「コミュニティーバスとして早期に実現を」
早稲田大学(理工学術院・大聖泰弘教授、紙屋雄史教授)が長野市で実証試験を行っている電動バスWEB-3(Waseda advanced Electric micro Bus3)の実用化にめどがついたため、羽田雄一郎国土交通大臣が9月24日、現地を視察しました。
電動バス実証実験は環境省チャレンジ25地域づくり事業の一環で、長野駅発コミュニティーバス「ぐるりん号」として営業運転されており、誰でも乗車可能となっております。実験は同事業が終了となる平成25年度末ごろまで実施される予定です。
羽田大臣は紙屋教授から非接触充電装置の説明を受け、電動バスへの地上からのワイヤレス空中送電の実演を興味深くご覧になっていました。またその後の電動バスWEB-3の試乗では、運転席の横より直接紙屋教授や運転手に操作方法等を質問され、「大変静かで乗り心地がよいので、コミュニティーバスとしてぜひとも早期の実用化を目指してほしい」との感想をいただきました。
早稲田大学は約10年間にわたり電動バス研究を続けており、今後も電動バスの普及に向けた研究活動・社会貢献活動を続けてまいります。
環境省チャレンジ25地域づくり事業
- 代表者:早稲田大学環境総合研究センター 紙屋雄史 教授
- 経費:3.0億円(平成23年度~25年度の3カ年事業 1億円/年度)
- 概要:電動バスを使用した低炭素な地域づくりを推進するため、長野市において長期間の実証運行を行い、実用化に向け事業性・採算性・安全性を確保できる低炭素型交通システムを構築するとともに、二酸化炭素削減効果や波及性等について検証を行う。
- 共同実施者:昭和飛行機工業
- 協力機関:長野市、アルピコ交通、長電バス、日野自動車、フラットフィールド、GSユアサ、他
WEB(Waseda advanced Electric micro Bus)
早稲田大学が開発した電動バスWEBは、電気自動車の実用化にむけて最も高い技術的・コスト的ハードルとなっている“大きく・重たく・高コスト”なバッテリの搭載量を意識的に最小限化し、バスターミナルに戻って来る度に毎回充電を行なうという“短距離走行・高頻度充電コンセプト”を採用したユニークな電動バスです。また高頻度となる充電作業を“短時間・安全・手間いらず”に行うため、独自に開発した非接触充電装置(IPS)を搭載しております。このコンセプトの採用により、車両重量低減と車両初期コスト削減、十分な乗車定員の確保に成功し、早期普及可能な実用性の高い電動バスを完成させることができました。
長野市では平成23年11月から電動バスWEB-3の実証試験を行っており、平成24年2月には最新型の電動バスWEB-4を開発・導入し、現在2台での実証試験を続けております。このような長期間、電動バスを営業運行する例は日本初の試みであり、実用化の域に達したことが認められたため、今回の国土交通大臣による視察が実現しました。なお、大臣が試乗された車両は早稲田カラーのWEB-3でした。
リンク
以上