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経産省とEMS新宿実証センターを開設 標準通信規格でデマンドレスポンス技術開発

スマートハウス・ビル等の電力ピークカット・シフトをリアルタイムで制御

 早稲田大学先進グリッド技術研究所(所長:林泰弘 理工学術院教授)と経済産業省は11月1日、日本で初めての試みとなる、標準通信規格を用いて複数の異なるメーカーの低圧機器を相互に連携させて最適なエネルギー管理・制御を行い、スマートメーターおよびデマンドレスポンス・システムとの連携を検証する施設「Energy Management System (EMS) 新宿実証センター」を、早稲田大学120号館内に開設いたしました。

同施設ではスマートメーター、太陽電池、電気自動車、電気自動車用充電/充放電装置、燃料電池、ヒートポンプ給湯機、エアコン、蓄電池などを相互に連携させ、宅内の最適制御を行うことで、契約アンペアに収まる範囲においてリアルタイムで電力を制御し、電気料金が高い時間帯には電力使用量を自動で抑制するなどの技術(ピークカット/ピークシフト)を開発します。東日本大震災以降、電力不足が心配されていますが、こうした制御技術により、電力需給が大幅に逼迫した場合でもスマートメーターとHome Energy Management System (HEMS)を備えたハウスやビルであれば無理のない節電が可能となり、計画停電の実施を避けることや節電要請に貢献できると考えております。

この日、行ったEMS新宿実証センターの開所式では、こうした技術の一部を披露し、節約できた電力量等のリアルタイム表示やピークカット/ピークシフトの様子など実演いたしました。

デモンストレーションではHEMSを用いて電力をリアルタイムで最適制御する様子が披露された

デモンストレーションではHEMSを用いて電力をリアルタイムで最適制御する様子が披露された

センター前に駐車し、充電しているEVやPHV

センター前に駐車し、充電しているEVやPHV

センター内に設置された実証棟となるモデルルーム

26法人の関係者が集まった開所式

26法人の関係者が集まった開所式

モデルルーム前で行われたテープカット(左から林泰弘教授、橋本周司副総長、経産省 中山亨審議官、旭化成ホームズ 馬場三千雄常務執行役員)

モデルルーム前で行われたテープカット(左から林泰弘教授、橋本周司副総長、経産省 中山亨審議官、旭化成ホームズ 馬場三千雄常務執行役員)

スマートフォンを用いてHEMS機能をオンにするなどシステムを解説する林教授(右)

スマートフォンを用いてHEMS機能をオンにするなどシステムを解説する林教授(右)

記念撮影する参加法人関係者の方々

記念撮影する参加法人関係者の方々

Energy Management System(EMS)新宿実証センター

標準通信規格によるデマンドレスポンス技術開発に向け、産学官を挙げた研究
スマートメーターと連携した、スマートハウス・ビル等の電力ピークカット/ピークシフトをリアルタイムで制御する技術を開発ヘ

早稲田大学 重点領域研究機構 先進グリッド技術研究所(所長:林泰弘 理工学術院教授)は、2012年11月1日、経済産業省 スマートハウス・ビル標準・事業促進検討会の活動の一環として、電気・ガス事業者、通信事業者、ハウスメーカー、自動車メーカー、エネルギー・家電・通信機器メーカーなど26法人が業界を挙げて、産学官の研究・開発施設「Energy Management System (EMS) 新宿実証センター 」を開設します。

東日本大震災以降の電力需給の逼迫を背景に、需要家のエネルギー管理、制御の重要性が高まり、電力使用情報の見える化や、柔軟な電気料金メニューなどを起点にして、賢く節電する需要応答(デマンドレスポンス)を実現するための枠組みの構築が急務となっています。

一方で、これまでは、複数の異なるメーカーの機器を相互に連携し、最適なエネルギー管理・制御を行う仕組みや、これを促進する中立的な支援環境がありませんでした。また、電気事業者が今後導入予定のスマートメーター、及び今後普及が期待されるデマンドレスポンス・システムとの連携を検証する環境もありませんでした。

当センターでは、標準通信規格を用いたデマンドレスポンス制御技術の実証・評価を行うプラットフォームを提供し、国内の関係企業の様々な技術検証ならびに異なるメーカー間の相互接続実証を通じて、日本の目指すデマンドレスポンス技術の標準的な枠組みを提言するとともに、各企業の事業化を支援します。

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期待できる効果

EMS新宿実証センターで開発を始めた技術は、電力会社からの節電要請信号に対し、今後普及が進むスマートメーター、太陽電池、電気自動車、電気自動車用充電/充放電装置、燃料電池、ヒートポンプ給湯機、エアコン、蓄電池などの異なるメーカーの機器に対し標準通信規格で接続するとともにHEMSを用いて最適制御を行い、需給状況や電気料金メニューに応じて賢く節電するという、日本で初めての試みとなる技術です。具体的には、契約アンペアに収まる範囲で、上記機器をリアルタイム制御する技術や、電気料金が高い時間帯には電力使用量を自動で抑制するなどの技術(ピークカット、ピークシフト)が挙げられます。また、当技術を用いることで、仮に大幅な需給逼迫時や、計画停電を実施しなくてはならない状況になったとしても、ハウスやビルなどでの無理のない節電により、需給逼迫解消や計画停電回避に貢献できるものと考えます。

実証計画の概要

本実証センターでは、デマンドレスポンスサーバー(以下、Grid EMS)、配電系統制御模擬システム(ANSWER)、スマートメーター、HEMS、エネルギー機器を統合的に接続したエネルギーマネジメントシステムの通信・制御環境を構築しています。この環境下で、標準通信規格(ECHONET Lite注2、SEP等)を実装したHEMSを用い、電力のピークカットやピークシフト等のデマンドレスポンス技術の実証・評価を行います。これらの取り組みを通して、今後、日本の目指すデマンドレスポンス技術の標準的な枠組みの整理・提言を行います。

実証参加法人

経済産業省、旭化成ホームズ株式会社、アドソル日進株式会社、大阪ガス株式会社、オムロン株式会社、関西電力株式会社、KDDI株式会社、九州電力株式会社、シャープ株式会社、住友電気工業株式会社、ダイキン工業株式会社、中部電力株式会社、株式会社デンソー、東京電力株式会社、東京ガス株式会社、株式会社東芝、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、日本電信電話株式会社、日本電気株式会社、パナソニック株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社、三菱自動車工業株式会社、株式会社三菱総合研究所、三菱電機株式会社、学校法人早稲田大学

実証の内容に関する問い合わせ

早稲田大学先進グリッド技術研究所

〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1-63-6-6A
TEL.03-5286-8122

  1. 本事業は、本学が経済産業省の「エネルギーマネジメントシステム標準化における接続・制御技術研究事業」の補助を受けて実施するものです。
  2. スマートハウス標準化検討会で推奨された標準規格(http://www.echonet.gr.jp/)

リンク

経済産業省:スマートハウス・ビル普及のための実証センター・認証支援センターが開所します

以上

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