文化構想学部
F・K
大学二年生になり、今まで行ったことのなかった大学のイベントにも参加してみようか、どうしようか、と悩んでいた矢先にブックナイトの開催を知らせる立看板を発見した。開催場所は国際文学館、しかも好きな本について語ることができるという。日・英両用と書いてあったので、英語への不安はあったものの参加してみようと思った。
当日、かなり引っ込み思案の自覚がある私は胃が痛くなるほど緊張していた。しかし一歩会場に入るとスタッフの方から気さくにお声がけしていただき、一気に緊張が解けた。国際文学館のシンボルである正面の大階段に座り、始まるまでほかの方々とおしゃべりを楽しむ。日本語で交流したい場合には前の方、英語で交流したい方は後ろの方、とわかれており、英語に自信がなかった私も言語で困ることはなかった。その時にお話しした方は両方院生であり、普段話すことができない方と話せているだけでも参加した意味はあった、と思った。
その後、国際文学館の方の案内で館内をぐるりと巡った。国際文学館内には一度ほかのイベントで訪れたきりで、知らないことだらけだった。とくに印象的だったのはお手洗いの前に設置された書棚風のデザインの村上春樹作品年表である。村上春樹ライブラリーの名を持つ国際文学館にふさわしいものだと思っていたが、村上春樹は自らの年表を展示することに渋い顔をしていたそうだ。お手洗い前で奥の方の位置ならよい、と許可が下りたのだという裏話をきいて、作家の奥ゆかしい性格を示すものだったことが意外だった。
国際文学館のツアーで文学館への知識を深めたあとは、数人のグループに分かれてクロスワードパズルゲームに取り組んだ。文字をつなげていくと館内のどこかの書棚にある本にたどり着くという。初対面の方々ばかりだったが、頭を突き合わせて考えていく過程は楽しく、答えに無事たどり着くことができた。村上春樹の著作は発行年順に並べられている模様で、書棚の前でどこにあるのだろうかと悩みながらも見つけたときは大変うれしかった。ゲームには惜敗したものの、充足感は十分だった。
クロスワードが終了したら、自分が紹介したい本について数分間ずつ語っていく。私の班には留学生の方が数名いらして、自分が知らなかった本を知るよい機会になった。村上春樹ライブラリーということもあって村上春樹の作風に似ている本だからと紹介してくれたり、この本の主人公は自分に重なるのだといって村上作品を紹介されたりと、自分の中で少々敬遠してい村上作品に興味をもたせてもらうきっかけにもなった。同じグループの方の推していた四冊の本をほとんど知らなかったのはで、読書を通じて自分の世界を広げていただいたのはありがたいことだった。
イベントが終わった後、ありがたいことにグループの方の提案で皆でご飯を食べに行けた。留学生の方や海外に留学経験のある方たちから海外のお話をたくさん聞けたり、逆に海外からみた日本はどんな場所なのかということも考える良いきっかけになった。
最初は胃が痛くなるほど緊張していたが、最終的にはいくつも思い出の残るとても楽しい経験になった。ICCときくと私のように敷居が高い、と感じる方もいらっしゃるかと思うけれども、行ったら何とかなるのではないか、と気軽に踏み込んでみるとよいと思う。きっとすごく楽しいと思うから。






