Office for Promotion of Equality and Diversity早稲田大学 ダイバーシティ推進室

【開催報告】第10回Rikohティータイムシンポジウム -ワセダで輝く・ワセダから輝く、アナタの未来-

テーマ「ライフ・イズ・ビューティフル」

2024年11月13日、記念すべき10回を迎えた「Rikohティータイムシンポジウム」を、対面・オンラインのハイブリッド形式で開催しました。
事前に実施したアンケートで最も要望の多かった「ライフイベント(結婚・出産・育児など)と仕事を両立して企業で活躍されている方」にスポットライトを当て、「ライフ・イズ・ビューティフル」をテーマに、本学理工学術院卒業生3名に講師としてご登壇いただきました。
学部生、大学院生、関係教職員のほか、近隣の都立戸山高校の生徒など、総勢45名にご参加いただきました。

冒頭、司会進行の高山あかり准教授(理工学術院)より「今までにない視点でのイベントなので、多種多様な道を歩んでこられた3人の先輩方のお話を聞いて、皆さんの今後の選択のひとつになってくれたら嬉しいです」と語られ、講師の方々の講演に移りました。

 

お一人目の講師は、大学院基幹理工学研究科機械科学専攻修士課程を修了され、現在、三菱重工業株式会社に勤務されている、柴田晶羽氏。
入社後、宇宙事業部に配属されロケット関係の設計に携わり、最近は総合研究所で研究職としてご活躍されています。
「学生時代は割とハッピーな感じで生きてきた」という柴田氏。星や空が好きだったこともあり、サークルでは昼夜問わず人力飛行機を作る生活を経て、ロケットが楽しいことを実感。その後、当時できたばかりの新しい研究室で学んだことが、まさに今の仕事に生きており、ご自身のターニングポイントだったそうです。
入社後はロケット一色の生活に。H2A、H2Bロケットの打ち上げ場の設計や、H3の開発にも関わり、ほぼ種子島で生活。H3ロケットの開発では、失敗も経験し「会社を辞めたい」と思ったこともあるとか。
結婚後も1年ほど、種子島か白神山地で燃焼試験漬けの生活が続いていたが、出産後は生活が一変。子供の世話とホルモンの影響で不眠に悩まされたが、8カ月の育休後復職を決意。復職後も育児とキャリアで悩んだが、勤務地が変わり、家族の支えもあり、育児も安定してきたことで、充実した日々を過ごされているそうです。
最後に「 育児も仕事も1人で完璧にしない 。周囲の人の理解とサポートに感謝する。やらずに後悔するより、全力でやって後悔したほうがいい。」と、アドバイスをいただきました。

 

お二人目の講師は、大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程を修了され、現在、日清紡ホールディングス株式会社に勤務されている、松坂恵里奈氏。
イオン液体や微粒子の開発に携わる傍ら、結婚・妊娠を経験。妊娠の際に体調を崩し、子育てに注力したい思いで、退職を決意。
出産後1年半が経過した頃、「子育て中も世の中の役に立つ仕事がしたい!開発の現場に戻りたい!」という思いが芽生え、気持ちに変化が出てきたそうで、当時できたばかりの復職制度を利用し復職。(ちなみに社内でこの制度を利用したのは、松坂氏が初だったそうです。)
復職直後に知る両立の課題や変化。さらに時間が足りない、子どもの体調不良、ご自身の不安、さらには「小1の壁」問題をどう乗り切ったかなどを、詳しくお話しくださいました。
また「働き方の多様化により、ニーズも変化。利用者がニーズを声に出して訴えることで、会社を動かすことも可能」だという事を、ご自身の体験を交えて教えてくださいました。
「家庭やプライベートの充実で心が満たされれば、仕事にもイキイキと取り組め、結果的にワークライフバランスの充実にもつながるのでは」とアドバイスをいただき、最後には「ライフスタイルの多様化により、自分の価値観にあった働き方を見つけて、実りある社会人生活を送ってください」とエールを送ってくださいました。

 

最後の講師は、理工学部化学科を卒業された和田武訓氏。現在は株式会社ベネッセコーポレーションに勤務されていらっしゃいますが、前職のサイボウズ株式会社在籍中に取得した育休のお話を、ご自身の体験談を交えて、楽しくお話してくださいました。
副業?複業?福業?お金を稼ぐ副業ではなく、仕事と子育てを通じて、幸せな人生だったらいいなということで「子育ては僕にとってのフクギョウ」と仰っていた和田氏。
共働きならではの生活スタイルから、育児休暇を取得した際の体験談。
当初は出産後、2週間の育休を取得し、3か月間在宅勤務をする予定だったはずが、2週間の育休後、在宅勤務は1カ月に短縮された和田氏。その裏には、ご自身の努力と理想とは裏腹に、奥さんに負担をかけてしまっていることに痛感し、出社を決意したとか。
2人目のお子さんが誕生する際は、コロナの影響もあり、出産に付き添えなかったため、1人目のお子さん(娘さん)と1週間、楽しく過ごされたそうです。
子育ての体験談を中心に、あらゆる方面からお話いただき、その経験からの気づき、そして最後には「皆さんにはいろんな可能性があります。可能性と生きていく社会なので、世の中の変化に合わせながら、色々チャレンジしていただければ」とアドバイスしてくださいました。

 

第2部はパネルディスカッションとして、事前に寄せられた質問を中心に、会場にお越しいただいた参加者の方々や、チャットで寄せられたオンライン参加者からの質問に回答する形式で、講師3名に改めてご登壇いただき、更に踏み込んだお話をうかがうことができました。
「ライフイベントのサポートで1番嬉しかったことや、助かったことは?」「大企業の方が支援体制や制度がしっかりしている反面、転勤が心配」「ワークライフバランスを保つためにある程度の職選びは必要なのか?」などの質問や、講演を聞いた上で「育児と仕事を両立を続けられてきたモチベーションは?」「転職は選択肢になかったのか?」など、さまざまな質問が寄せられ、それぞれの状況や立場、経験に基づいたご意見をいただきました。

第2部パネルディスカッションの様子(左より高山准教授、柴田氏、松坂氏、和田氏)

参加者の多くは、メモを取って熱心に話を聞き入ってる姿も見受けられ、またパネルディスカッション後には、直接パネリストの皆さんのもとに行って、個別に質問をして歓談している光景も見られました。

【参加者から寄せられた感想】
  • 不安だった部分が少し前向きな思考に変えることができたので、非常に良い機会でした。一方で家庭とキャリアの両立に男女で負担の差があるのかなというものも感じてしまいました。
  • 子育てはまだ先のことで実感が湧きませんが、将来子育てをする時に周りの力を借りていこうと思いました。
  • 育児と仕事の両立の中で生じた問題に、それぞれ対策を講じていくのが自分の性格と合っているのかも、と思いました。
  • 普段なかなか聞くことのできない、リアルな先輩方のお話が聞けて、キャリアを考える上で大変勉強になりました。
  • 自分と同期のキャリアを比べて引け目を感じてしまうかと思っていましたが、それを超える子育ての楽しさがあることを感じました。
  • 養ってもらっている立場で、子育てや働き方について、両親の思っていることが少し理解できたようでとても興味深かったです。
  • 貴重なお話が聞けて良かったです。男性の育休取得日数の少なさに驚きました。
  • 不安に思っていたが、自分のやりたいことに全力で向かおうと思えました。
  • 社会が変わっていって、働きやすくなっていることがわかりました。
  • とても面白くあっという間でした。また来年もあればぜひ参加したいです。

ご参考:【動画】第10回Rikohティータイムシンポジウム 2024PV

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