テーマ「大学院のすゝめ」
2023年7月28日、大学院博士課程から大学・企業で活躍されているお二人を講師に迎え、理工系研究者・学生・関係教職員を対象とした「第9回Rikohティータイムシンポジウム」を対面・オンラインのハイブリッド形式で開催しました。学部生・大学院生・関係教職員のほか、近隣の都立戸山高校の生徒など56名の参加がありました。

「大学院ってどんなところ?」と題して説明を行う高山氏
冒頭、司会進行の高山あかり氏(理工学術院准教授)より「進路先の候補を増やすことは人生において大事なポイントである。講師の先生や先輩の話を聞いて大学院に対するイメージをつかんでほしい」と本シンポジウムの趣旨が語られ、続けて今回の講師お二人の講演に移りました。

橋田朋子氏
一人目の講師、理工学術院教授の橋田朋子氏からは「オルタナティブを作る」と題し、ご専門のメディア・テクノロジーについての研究・作品制作が紹介され、色々な研究分野を経た結果、研究もアウトプットの場や形も、常に固定概念を疑い、別の在り方を模索する姿勢が身に付いたと述べられました。「アカデミック、展示などのアウトリーチ、仲間との共創、色々な可能性を持って大学院は楽しむことができる」とメッセージを送ってくださいました。

新里絵美氏
二人目の講師、ユーシービージャパン(株)の新里絵美氏からは「博士課程から、医療機器、製薬企業へ」と題し、「脳神経科学を学びたい」という思いをきっかけに海外の大学院に進んだこと、その後企業で働きたいと思うようになりながらも、もう少し研究を続けようと博士課程に進み、就職したことが紹介されました。高い意識を持ち前進し続けることで、今は医療機器業界と製薬業界の両方のキャリアが自分の強みとなっており、博士学位を持っていたことも、このことに影響を与えていたことが語られました。
第2部は参加者からの質問に回答する形式で、講師お二人に加え、パネリストとして本学大学院生の細木春花氏(先進理工/先進理工学専攻/一貫制博士課程1年)、同じく本学社会人大学院生の武井春樹氏(先進理工/物理応物専攻/博士課程2年)、本学職員(技術職)の地神貴史氏(博士(農学))を交え、アットホームな雰囲気のなかでパネルディスカッションを行いました。参加者から寄せられた幅広い質問をもとに、パネリストそれぞれの立場や経験に基づいた活発な意見交換が行われました。

第2部パネルディスカッションの様子(左より高山氏、橋田氏、新里氏、細木氏、武井氏、地神氏)
参加者からは「大学院以降についての進路情報を得ることができる機会が少なかったのですが、このような場を設けていただきとても参考になりました」「博士課程は海外で就職するために取得する方が多いと思っていましたが、実際には日本で活躍されている方もたくさんいるということを知ることができました」「今まで気になっていた学費のこと等、色々な視点から物事を知ることができ不安に思っていたことを減らすことができました」「修士と博士の違い、日本だけでも多様なキャリア、進学選択があることが分かり大変参考になりました」といった感想が寄せられました。