Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

東アジア都城・シルクロード考古学研究所
Institute of East Asia Archaeology for Walled City and Silk Road

研究テーマ

東アジアにおける都城制の展開とシルクロードの文物交流に関する考古学的研究

分野:文化

研究概要

東アジア都城・シルクロード考古学研究所は、15年におよぶ中国での調査研究の歴史を持つ「シルクロード調査研究所」の成果・実績を継承し、2015~2019年度(5年間)に設置されたプロジェクト研究所である。2019年度末に設置期間満了を迎えるため、2020~2024年度(5年間)の計画で、同名研究所の再設置を希望する。本研究所の研究テーマは、設立当初と同じく「東アジアにおける都城制の展開とシルクロードの文物交流に関する考古学的研究」とする。漢~唐代における中原の都城・陵墓・寺院の考古学的分析を基礎とし、その歴史性についてユーラシアを東西に結ぶシルクロードをキーワードとして考究する。本研究所の研究範囲・対象は非常に広いが、以下の3つの課題を設けて研究を進める。

(1)東アジア都城・シルクロード都市遺跡の比較考古学的研究
 中国中原における前漢~唐の都城遺跡を分析対象とし、考古学的発掘成果の遺構分析、衛星画像を用いたGIS分析によって、中国における都城制の発展過程を明らかにする。また、隋唐都城の拡散過程を、東アジア都城・シルクロード都市との比較を通じて考究する。
(2)仏教の東方伝播に関する考古学的研究
インドから中央アジアを経て、中国・朝鮮半島・日本に伝わった仏教の展開過程を、考古学的な遺構・遺物の分析から明らかにする。具体的には、中国魏晋南北朝~唐代の寺院遺跡における伽藍配置や出土遺物(瓦・塼仏など)の様相を、日本の初期寺院と比較する。
(3)デジタル技術を用いた遺跡の非破壊調査の研究
シルクロードの東の終着点、日本を中心とし古墳・寺院遺跡を対象として、三次元測量や地中レーダー探査(GPR)などの非破壊的デジタル手法を用いた調査を行う。将来予定する中国での考古学的調査研究の基礎となる普遍的方法論の確立を目的とする。

 以上の3つの課題を設定し、所長1名・顧問1名・所員7名・招聘研究員23名、総勢32名の研究体制を組み、国内外の考古学的調査を中心として研究活動を推進する。

研究報告

【2019年度】
 2019年度は、所長の城倉が科研費(国際共同研究加速基金)の助成を受け、中国社会科学院考古研究所の客座研究員として1年間、北京で研究活動に従事した。なお、例年通り、国内外での調査も実施した。以下、主要な成果を報告する。
(1)埼玉古墳群の測量・GPR調査
 12月に、埼玉古墳群の丸墓山古墳・瓦塚古墳・鉄砲山古墳の3古墳に関して、三次元測量・GPR調査を実施した。2018年度の二子山古墳と合わせて、埼玉古墳群の大型古墳4基のデータを取得することができた。
(2)ベトナム、ルイロウ遺跡の発掘調査
 GW中に東亜大学が主催するベトナム、ルイロウ遺跡の発掘調査に参加し、唐代の城壁と塼積排水施設を検出した。検出遺構はSfMを用いて計測し、2020年度の日本考古学協会で成果発表を行った。
(3)中国都城出土瓦の調査
 社会科学院考古研究所に滞在した城倉は、中国都城の宮城出土瓦の資料調査を集中的に実施した。南京城、北魏洛陽城、北斉鄴城、唐洛陽城、唐長安城、遼上京城の宮城中枢部から出土した板瓦・筒瓦の製作技法の調査を行った。特に、唐洛陽城定鼎北路窯跡出土品に関しては、詳細な計測・実測調査を実施した。なお、3月にはキルギス、アク・ベシム遺跡出土瓦の調査を予定していたが、コロナ禍のため渡航ができず、やむなく中止した。

【2018年度】
2018年度も国内外で調査研究を実施し、シンポジウムの開催や論集の刊行を行った。以下、主要な成果を報告する。
(1)古墳の三次元測量・GPR調査とシンポジウムの開催
 千葉県龍角寺岩屋古墳の石室三次元計測、埼玉県二子山古墳・栃木県摩利支天塚古墳・群馬県白石稲荷山古墳の三次元測量・GPR調査を実施した。特に、摩利支天塚古墳の調査は、総合研究機構が小山市からの受託研究を受ける形で実施した。12月には、埼玉県東松山市で『野本将軍塚古墳の時代』と題するシンポジウムを総合研究機構の助成金を得て実施した。1000人を超える参加者があり、本研究所が刊行した論集『野本将軍塚古墳と東国の前期古墳』は、350部を販売した。
(2)寺院・塼仏の調査
 2015年に実施した千葉県下総龍角寺の発掘調査で出土した遺物の整理を継続して行った。塼仏に関しては、東京国立博物館、奈良文化財研究所と連携研究を締結し、全国の出土塼仏の三次元計測を継続している。2018年度末には、本学會津八一記念博物館に所蔵されている日中出土塼仏の三次元計測成果を同博物館の『研究紀要』20号に掲載した。
(3)中国都城・シルクロード都市遺跡の調査
 国外調査としては、春にベトナム:ハイフォン市の大型漢墓の三次元計測調査、秋にキルギス:アク・ベシム遺跡の三次元測量・GPR調査を実施した。夏季には中国遼上京城の国際シンポジウムで所長の城倉が中国語による学会発表を行った。キルギス共和国アク・ベシム遺跡出土遺物の整理に関しては、瓦の分析成果を『WASEDA RILAS JOURNAL』NO.6に掲載した。

【2017年度】
早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所は、2017年度も国内外で調査研究を実施し、シンポジウムの開催、報告書の刊行などを行った。以下、主要な成果を報告する。
(1)古墳・埴輪の調査研究
 5月には、千葉県芝山町で進めてきた埴輪の調査成果を一般書『デジタル技術でせまる人物埴輪』(吉川弘文館)でまとめた。10月21・22日には、総合研究機構の研究成果報告会の助成を受け、5プロジェクト研究所で共同学術シンポジウム『3D考古学の再挑戦』を開催した。同時に『デジタル技術を用いた古墳の非破壊調査研究』(調査研究報告第4冊)も刊行した。年度末には群馬県藤岡市七輿山古墳のデジタル三次元測量・GPR調査も実施した。
(2)寺院・塼仏の研究
 2015年に発掘した下総龍角寺の整理作業を継続した。土器・瓦・塼仏の整理成果については、2018年度末の正報告書刊行を目指して作業を継続中である。
(3)中国都城・シルクロード都市遺跡の調査研究
 キルギス共和国アク・ベシム遺跡出土遺物の整理成果を『Waseda Rilas Journal』NO.5に掲載した。夏には、瓦の整理作業をキルギス共和国で実施した。中国都城に関しては、『中国都城・シルクロード都市遺跡の考古学的研究』(調査研究報告第2冊)をレポジトリで公開した。さらに、所長の城倉が2017年度より基盤研究C、および国際共同研究加速基金の採択を受けたため、中国都城を東アジア・シルクロードを含めた広い視野で位置付ける新たな研究の方向性を確認した。

【2016年度】
 早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所は、2016年度も国内外で調査研究を実施し、シンポジウムの開催、報告書の刊行などを行った。以下、主要な成果を報告する。
(1)古墳・埴輪の調査研究
 本年は、『山室姫塚古墳の研究』、『殿塚・姫塚古墳の研究』、『デジタル技術でせまる人物埴輪』、3冊の報告書と著作を出版した。また、10月には、『3D考古学の挑戦』をテーマとする学術シンポジウム、及び『壮麗な九十九里の埴輪群像』と題する企画展示を會津八一記念博物館で実施した。さらに、年度末には埼玉県東松山市野本将軍塚古墳の測量・GPR調査を実施した。
(2)寺院・塼仏の調査研究
 下総龍角寺の発掘調査成果を『プロジェクト研究』12号に、出土塼仏の報告を『文研紀要』第62輯に掲載した。また、高梨学術奨励基金を受けて、龍角寺・山田寺に関連する塼仏の三次元計測調査を実施した。
(3)中国都城・シルクロード都市遺跡の調査研究
 キルギス共和国アク・ベシム遺跡の2015年の発掘調査成果を、『Waseda Rilas Journal』No.4に掲載した。また、8月には2週間の遺物調査をキルギス共和国で実施した。さらに、年度末には『アジアの古代都市・都城の比較考古学』と題した学術シンポジウムを主催し、特定課題の費用を用いて調査研究報告書も刊行した。

【2015年度】
 早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所は、2015年度も国内外の調査研究を実施した。以下、主要な3つの調査の概要を報告する。
(1)キルギス共和国アク・ベシム遺跡の調査。
 2015年6月20日〜7月4日、および10月26日〜11月8日の2回、中央アジアの都市遺跡で世界遺産のアク・ベシム遺跡の発掘調査を実施した。調査成果は、早稲田大学のRilas Journal No.4(2016年10月)に掲載を予定する。
(2)中国、遼・元代都城の調査。
 2015年8月13日〜9月1日、中国社会科学院が実施した遼上京城の発掘調査に参加した後、元上都・中都・大都の踏査を実施した。特定課題を用いた調査で、調査成果は2016年度末に報告書の刊行を予定する。なお、都城の研究成果に関しては、2016年2月20日に人文研シンポジウムで発表を行った(『平城京の思想と象徴性−漢唐都城との比較から−』)。
(3)千葉県の古墳・埴輪の調査。
 2016年2月25日〜3月24日、千葉県山武市に位置する山室姫塚古墳(63mの大型円墳)の測量・GPR調査、および横芝光町姫塚古墳から出土した埴輪三次元計測調査を実施した。成果は、『山室姫塚古墳の研究』(2016年7月)と題して報告書を刊行した。なお、姫塚古墳の埴輪の三次元計測作業の成果は、2016年度中にa.報告書とb.一般書の刊行、c.シンポジウムの開催、d.会津八一記念博物館での企画展示を予定する。

所長

城倉 正祥[じょうくら まさよし](文学学術院)

メンバー

【顧問】
亀井 宏行(東京工業大学名誉教授)

【研究所員】
城倉 正祥(文学学術院教授)
飯山 知保(文学学術院教授)
近藤 二郎(文学学術院教授)
高橋 龍三郎(文学学術院教授)
田畑 幸嗣(文学学術院教授)
寺崎 秀一郎(文学学術院教授)
肥田 路美(文学学術院教授)
横山 未来(文学学術院助手)
谷川 遼(會津八一記念博物館助手)

【招聘研究員】
青木 弘(公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団 主事)
加藤 一郎(宮内庁書陵部陵墓課陵墓調査室主任研究官)
金田 明大(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺跡・調査技術研究室長)
木口 裕史(千葉市教育委員会事務局生涯学習部文化財課主任主事)
久保田 慎二(金沢大学人間社会研究領域附属国際文化資源学研究センター 特任助教)
久米 正吾(東京藝術大学社会連携センターユーラシア文化交流センタープロジェクト特任講師)
栗山 雅夫(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所企画調整部写真室配属)
黄 暁芬(東亜大学人間科学部教授)
後藤 健(鎌倉市教育委員会臨時的任用職員)
齊藤 茂雄(日本学術振興会特別研究員PD、甲南大学文学部非常勤講師、大阪大学外国語学部非常勤講師、大阪大学全学教育推進機構非常勤講師)
新川 登亀男(早稲田大学名誉教授)
千葉 史(株式会社ラング常務取締役)
土屋 隆史(宮内庁書陵部陵墓課陵墓調査室研究員)
伝田 郁夫(大田区教育委員会大田図書館文化財担当学芸員)
中村 亜希子(奈良文化財研究所客員研究員)
中村 一郎(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所企画調整部)
野口 淳(NPO法人南アジア文化遺産センター理事・事務局長)
橋本 英将(天理大学文学部准教授)
深山 絵実梨(東京藝術大学社会連携センター特任助手)
山内 和也(帝京大学教授)
山藤 正敏(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所研究員)
横山 真(株式会社ラング代表取締役、岩手大学非常勤講師)
若杉 智宏(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所飛鳥資料館研究員)

連絡先

[email protected]

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