Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

社会シミュレーション研究所
Institute for Social Simulation

研究テーマ

社会・組織・経済システムのモデル化とシミュレーションによるシステムデザイン

分野:社会システム

研究概要

【要 約】
 本研究所は、日本における主要な社会シミュレーション研究者を積極的に招聘研究員として招いて有機的な研究者ネットワークを構築し,東京工業大学エージェントベース社会システム科学研究センター(CABSSS)など外部の社会シミュレーション研究機関とも連携しながら社会シミュレーション研究の総合的発展を目指している。
これまでの活動の結果として社会シミュレーション研究における本学の中核として認知されてきているといえる。たとえば共同研究をしている富士通研究所では、近年の人工知能研究と社会シミュレーションとの融合にも力を入れており、同研究所の人工知能のチームと人流モデル(空港等の大型公共施設等における人の行動モデル)の開発を進めるに至っているが,共同研究契約に際しては本研究所の存在が大きく寄与している。
 国内外の学会への共催、協賛も本研究所の活動の中心のひとつである。たとえば、計測自動制御学会システム・情報部門社会システム部会研究会(年3回)には毎回協賛し、社会シミュレーション研究に関するさまざまな企画を推進している。環太平洋の社会シミュレーションの国際学会PAAA(Pan-Asia Association for Agent-based Approaches in Social Systems Sciences)の年次大会(AESCS)にも本研究所は協賛している。
 具体的な研究成果については、ビジネス複雑性下での組織行動、マーケットダイナミクスなどに関してこれまでモデルライブラリの充実を目標に活動を進めてきた。昨年の中間評価時点からのものも含めて下記のモデルライブラリがこれまで作成され、現在も充実中である。
●消費者行動と企業行動の進化的相互作用モデル:適用事例:ユーザーイノベーション,イノベーションのジレンマ
●サービスエンジニアリング領域におけるニーズツリーモデル:適用事例:介護施設におけるコラボレーション課題,介護者の離職課題。開発したニーズツリーモデルは介護に限らずサービスの広い領域において適用が可能な汎用的モデル原型となっている。
●人流モデル:適用事例:都市のセキュリティ分析,大型施設のサインシステム評価分析。大型施設のサインシステム評価分析については、サインの評価要素のうち表現様式以外についてはほぼモデル原型が整ってきた。表現様式については新しいアイデアによるモデリングを用いた研究を進めており、一部は本年度中に発表予定である。
●ベイジアンネットワークを用いたパラメータ推定モデル:適用事例:保険市場の購買行動。本モデル原型については、洗練を重ね、ほぼ最終形が作られた。現在成果を国際ワークショップに投稿中である。
●社会シミュレーションのためのエージェントモデルの作成過程に参加型アプローチを用いる方法論のプロトタイプを開発している。
 本研究所は、具体的な個別の研究成果はもとより、「社会シミュレーション研究所」と冠された組織として活動すること自体が研究者のネットワーク構築と本領域での研究の発展に大きく寄与していると認識している。

研究報告

【2018年度】
 本研究所では、日本における主要な社会シミュレーション研究者を積極的に招聘研究員として招き、有機的な連携ができる場を提供するとともに、他の社会シミュレーション研究の拠点となる組織との連携も行っている。
 計測自動制御学会システム・情報部門社会システム部会主催の社会システム部会研究会への協賛、Pacific-Asia Association for Agent-Based Approach in Social Systems Sciences(PAAA)主催の国際会議(AESCS)への協賛を行った。
 具体的な研究成果として、富士通研究所との共同研究による「モデルの因果構造を利用したミクロダイナミクス分析」(計測自動制御学会システム・情報部門第18回社会システム部会研究会等で発表)があり、この技術を利用して「人間行動シミュレーションから混雑原因を短時間で発見する技術を開発」し、プレスリリース(https://www.waseda.jp/top/news/62658)した。

所長

高橋 真吾[たかはし しんご](理工学術院)

メンバー

【研究所員】
高橋 真吾(理工学術院教授)
山本 竜市(政治経済学術院教授)
大野 高裕(理工学術院教授)
蓮池 隆(理工学術院准教授)
菱山 玲子(理工学術院教授)

【招聘研究員】
石野 洋子(山口大学大学院技術経営研究科教授)
大堀 耕太郎(株式会社富士通研究所人工知能研究所オートノマス機械学習プロジェクト主任研究員)
兼田 敏之(名古屋工業大学大学院工学研究科教授)
喜多 一(京都大学学術情報メディアセンター教授)
倉橋 節也(筑波大学大学院ビジネス科学研究科准教授)
越山 修(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)
後藤 裕介(岩手県立大学ソフトウェア情報学部専任講師)
小林 知巳(株式会社小林マネジメント研究所代表取締役)
柴 直樹(日本大学生産工学部教授)
田原 敬一郎(公益財団法人未来工学研究所)
寺野 隆雄(産業技術総合研究所)
向井 大誠
山根 昇平(株式会社富士通研究所人口知能研究所オートノマス機械学習プロジェクト)

連絡先

理工学術院(創造理工学部経営システム工学科高橋研究室)
E-mail:[email protected]

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