Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

先端メディア研究所【活動終了】
Advanced Media Research Institute

【終了】2006~2008年度
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研究テーマ

人間科学的アプローチによる先端メディア研究

研究概要

ICT(情報通信技術)の発達と日常生活への浸透によって、ヒトとメディアの関係の変化が注目されている。特に、立体映像やバーチャルリアリティ、ウェアラブルコンピュータといった次世代のメディアにおいては、ヒトへの負担や疲労をはじめとした生体影響や、最適なコンテンツやアプリケーションといった、人間科学的な観点からの取り組みが追いついていないことが指摘されている。同時に、脳科学や認知科学といった諸領域で明らかにされつつあるヒトの特性を、次世代のメディアへ活用していくことに、ブレークスルーが期待される。
 そこで本研究所では、生体計測を中心とした人間科学的なアプローチを用いて、多様なメディア機器の安全性や快適性、機能性にかかる評価研究、コンテンツやアプリケーションの最適化にかかる制作研究、そしてクロスモーダル刺激に着目したメディアシステムの開発研究を、それぞれ推進する。これにより、実用性の高い研究成果の、次世代のICT社会実現への貢献を目指した、実証的な取り組みを行っていく。

研究報告

2008年度
研究報告(1)脳機能の特性を活用したクロスモーダルコンテンツ
脳機能の特性を利用したクロスモーダルコンテンツの開発を目指し、脳機能計測による評価実験を行った。複数感覚刺激による身体イメージ誘発について、側頭葉から後頭葉にかけての脳機能計測によって観察可能であることが示された。またNIRSデータにおける生体信号の影響を抽出する処理として、トレンド解析を用いる手法を提案した。

(2)強化現実における錯覚を利用したインタフェース
強化現実空間における直感的な操作を実現する方法の開発を目指し、仮想空間内での身体表現について検討を行った。脳活動計測を用いた実験の結果、上側頭溝付近や運動前野などの血流測定によって、身体イメージの変化が捉えられる可能性が示された。

(3)共感覚の人間工学的評価
ある感覚に付随して別の感覚が生じる共感覚という現象をコンテンツ制作に応用するため、人間工学的な評価が可能であるか検討した。特に色聴という現象に注目し、環境音名称と想起される色について主成分分析による分析を行った。

(4)研究会の主催
「マルチメディアにおける各種コンテンツの社会受容と影響に関する調査研究発表会」を開催し、マルチメディアの社会受容と影響に関する調査結果や研究成果・考察などの発表を行い、活発な議論を行った。
2007年度
研究報告前年度に研究所員が全員で連携し、執筆・出版した書籍「先端メディアと人間の科学(トランスアート)」を受けて、新たな波及効果の期待される研究課題を推進した。

(1)セカンドライフを活用した立体映像コンテンツの制作・呈示環境の開発
セカンドライフの空間内での自由度の高さとアバタを介した映像制作に着目し、立体映像コンテンツの制作・呈示システムを構築した。今後は、立体映像特有のパラメータを考慮した高品質なコンテンツ制作や、サイバースペースにおける応用研究の可能性を検討する。

(2)レーザー光源ディスプレイに関する人間工学評価
次世代のディスプレイとしてレーザー光源を用いたシステムが期待されている。ここでは、それを用いた映像観察により生じた眼精疲労および精神的ストレスレベルと回復の様相について、同時に心理物理的測定によるスペックルノイズの軽減について、実験的に検討した。

(3)研究会の主催
「マルチメディアにおける各種コンテンツの社会受容と影響に関する調査研究発表会」を開催し、調査・研究の成果や考察などの発表を行い、活発な議論を行った。

所長

河合 隆史[かわい たかし](理工学術院教授)

メンバー

河合 隆史(大学院国際情報通信研究科教授)
浦野 義頼(大学院国際情報通信研究科教授)
亀山 渉(大学院国際情報通信研究科教授)
盛川 浩志(国際情報通信研究センター助教)

客員研究員
久保田 裕(朝日新聞出版局ASAHIパソコン編集部副編集長)
永島 秀文(日本アイ・ビー・エム?ビジネスイノベーション事業部コンサルタント)
吉野 ヒロ子
太田 啓路(?新産業文化創出研究所第2プロデュース部プロデューサー)
柴田 隆史(日本学術振興会特別研究員)

連絡先

早稲田大学 大学院国際情報通信研科
河合隆史研究室

研究所コンタクト先:
TEL: 0495-24-6076(河合研究室)
Email: [email protected]

WEBサイト

http://www.tkawai.giti.waseda.ac.jp/amri/

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