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オペラ/音楽劇研究所 『オペラ/音楽劇研究の最前線 ―共鳴する人と社会』刊行

オペラ/音楽劇研究所 『オペラ/音楽劇研究の最前線 ―共鳴する人と社会』が刊行されました


▮書 名:オペラ/音楽劇研究の最前線

▮編 集:佐藤英・大西由紀・岡本佳子・萩原里香・森本頼子

▮発売日:2025/1/30

▮価 格:6,500円+税

▮出版社:水声社

 概要

本書は、オペラ/音楽劇研究所の活動の中から生まれた研究の成果を1冊にまとめたものである。研究所では2011年度の設置以来、『キーワードで読むオペラ/音楽劇研究ハンドブック』(アルテスパブリッシング、2017年)、『オペラ/音楽劇研究の現在──創造と伝播のダイナミズム』(水声社、2021年)を出版しており、それに続く本書は第3期(2021~25年度)の活動の集大成と位置付けられる。

副題の「共鳴する人と社会」が示す通り、本書は人と社会が共鳴する場としてのオペラ/音楽劇に、研究所に参加する17名の研究者がそれぞれの専門領域からアプローチしたものである。内容は5つのセクションに分かれている。第I部「オペラ/音楽劇における作品の源流とジャンル形成」では、中世に認められるヴァーグナーのオペラの人物像の源泉、バロック・オペラのプロローグとその演劇的機能、古典期のジングシュピールの理念を扱い、オペラ/音楽劇の歴史的発展の萌芽を概観する。第II部「オペラ/音楽劇と時代思潮」では、バロック(カイザーのオペラ)から20世紀の事例(ジャポニスム、アメリカニズム、東欧における政治と音楽の関係)をもとに、それぞれの時代の反映としての作品の位置付けについて展望する。第III部「オペラ/音楽劇における教育と人材育成」では、日本のオペラ黎明期の事例、歌手のキャリア形成、イギリスの歌劇場運営に関する論考を通じ、オペラ/音楽劇の創作と上演を可能にする制度形成への視座を得る。第IV部「オペラ/音楽劇の身体表象」では、19世紀から21世紀のバレエやオペラにおける日本人の表象、メイエルホリドの演出、現代の演出に認められる歌手の身体性など、歴史と現在をめぐる考察により、オペラ/音楽劇の上演にまつわる諸相と諸問題にアプローチする。第V部「オペラ/音楽劇とメディア」では、ザルツブルク音楽祭のラジオ中継、ヴァイルの作品にみられる社会的メディアとしての役割、ヴァーグナーのオペラの漫画化の例を取り上げ、メディアの社会への発信力とそこから新たに展開される創作という観点で、オペラ/音楽劇の可能性を考える。

本書の土台となった研究所の第3期の活動期間には、コロナ禍を経て研究例会の多くがオンライン併用で実施されるようになり、人的交流がますます活発化した。本書の17の論考は、それぞれの執筆者が研究所の研究例会やワーキンググループの研究会で口頭発表し、質疑応答での議論を踏まえてブラッシュアップしたものである。本書の刊行によって研究の成果がさらに広範な読者層に届けられ、新たな議論を生み、関連領域の研究に貢献することとなれば幸いである。

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