内容報告
2025年度 教育実践史セミナーは、次の様な目的や意義、必要性、内容で実施した。
(目的)「防災・減災教育」や、被災地の「復興教育」をテーマに、防災・復興教育の歩みを振り返り、これからを考えることを目的とする。
(意義)阪神淡路大震災から30年、東日本大震災から14年となる本年、改めて防災・復興教育の歩みを振り返り、これからを考えることに意義がある。
(必要性)能登半島地震や洪水の被害が増える中、改めて防災・復興教育の在り方について検討することが必要である。
(内容①)阪神淡路大震災後、兵庫県立舞子高等学校の環境防災科の立ち上げに携り、防災教育学会会長を務める諏訪清二氏より、防災教育の30年の取組と今後の展望を聴き、参加者と協議して交流した。
(内容➁)東日本大震災後、文部科学省でOECD東北スクールの「創造的復興」に携わり、その福島県立ふたば未来高等学校副校長、大熊町立学び舎ゆめの森校園長を務める南郷市兵氏より、復興教育14年の取組と今後の展望を聴き、参加差者と協議して交流した。
成果
参加者 44名 会場の規模から丁度ほどよく着席した状態で聴講・質疑を実施することができた。
2名の講師のそれぞれ1時間ずつ講演の後、休憩を挟んで約2時間の協議は、多くの質問や意見が出され、その質疑が行われただけでなく、講師同士の協議も行われて、防災・減災教育の実践や原子力発電所事故後の福島や被災した東北3県ので実施されたOECD東北スクールの復興教育の取組等についての協議を深めることができた。
また、これらの経験を踏まえて、被災地のみならず「未災地」(諏訪氏の命名で、未だ災害被災を経験していない地域を指す言葉)における防災・減災に向けた教育的な取り組むの在り方や、原子力発電所事故後の避難地区の地域復興へ向けた取組等について、展望しつつ参加者がこれからの各自の向き合い方や新たな可能性につながる実践の契機となった。
◆参加者感想① お二人の防災・復興教育の取組について、具体的な話しをお伺いすることができたこと、そしてお話の中に垣間見ることができる教育観、哲学について触れることができたこと、大変勉強になりました。震災を転機に、自分の居住する地域の特性を読み取り、持続可能な地域づくりに向けて何をしなければならないのか、解決後の社会の将来像はどうなっていくのかを想像し、創造力を駆使しながら防災・復興に取り組むのか、そうした探究的な学びの構築により、地域社会を形成するための主体的な担い手を育成することが大切であることを再認識致しました。(高等学校教員)
◆参加者感想② 震災は大変な出来事でしたが、新たな人類の生き方を、発想を、実践の取組を、創造する契機となったことをお二人の講演を拝聴して実感しました。協議の防災、講日の防災の捉え方、視野に納得し、学ばせていただきました。開き合い伝えること、平時の取組にこそ、大切な創造の力や若い人たちのするどい洞察力を働かせて、若い人たちが挑戦し私たちにもできることに取り組みたいいというエネルギーの存在にこれからの希望を見ました。深い傷を受け、そこから育まれる人間の力、新しい視野をひらくことができることを確信しました。防災・復興教育は「生命の尊厳」と深く結びついた、一人一人がかけがえのない価値をもち、人間の生き方を探究することにつながる教育の時代を開いていくと確信します。(大学の教職科目担当者)
◆参加者感想③ お二人の先生のお話を聞いて防災教育の考えがとても広がりました。防災教育のハードルが大きく下がりました。特に、「〇〇」×防災という考えからの取組は素晴らしい発想だと思います。福島での復興に向けた学校での取組も素晴らしいご報告でした。理想とする教育の在り方を実現しようとしている教育現場だと思います。目の前の課題に目をこらしつつ、その課題に向き合うことでヂューイの考えに至ったいう言葉が印象に残りました。今、私の学区は大きな被害が起こるとこではありませんが、それでも「未災地」として地域の課題を顕在化させ、防災と関連付けて探究する学習に取り組みたいと思いました(中学校教員籍で教育委員会勤務)
開催概要

- 日 時/ 2025年10月12日(日) 13:00~17:30 (開場・受付 12:30)
- 場 所/ 早稲田大学 国際会議場 3階 第二会議室 (定員100名)
- 参加費/無料 ※事前申し込みの必要はありません。直接会場へお越しください。
主 催:早稲田大学 教師教育研究所
後 援:早稲田大学 総合研究機構
能登半島地震や大雨による洪水など災害が増加する中、阪神淡路大震災から30年、東日本大震災から14年を迎える本年、「防災・減災教育」や「復興教育」をテーマに本セミナーを開催いたします。
シンポジスト(講師)紹介
諏訪 清二 氏 防災教育学会会長 / 兵庫県立大学客員教授
兵庫県出身。1960年生まれ。阪神淡路大震災後、兵庫県立舞子高等学校「環境防災科」の立ち上げに尽力。災害を生き延びる知識・技術だけでなく、ボランティアや災害体験の語り継ぎなど、防災教育の可能性を広げてきた実践の第一人者。国内外で防災教育の普及に努める。本年、阪神淡路大震災から30年を取り上げたNHK「クローズアップ現代」等に出演。<主な著書> 『夢見る防災教育』(2007)、『高校生、災害と向き合う』(2011)、『防災教育の不思議な力』(2015)ほか多数。
南郷 市兵 氏 福島県・大熊町立学び舎ゆめの森 校長・園長
東京都出身、1978年生まれ。慶應義塾大学を卒業後、IT企業に勤務したのち文部科学省へ入省。東日本大震災後、被災3県の学校で「創造的復興教育」を推進し、特に原発災害で被災した福島県双葉郡に深く関わり、東日本大震災後の「創造的復興教育(OECD東北スクール)」、教育復興に携わる。2015年より福島県立ふたば未来学園高等学校副校長として開校から9年間勤務。中央教育審議会教育課程部会専門委員も務め、学習指導要領の改訂に携わる。2023年より現職。子どもたちと共に未来を創造する教育を実践している。
プログラム
13:00 開会
13:10 講演1「阪神淡路大震災から 30年」 諏訪 清二 氏
14:15 講演2「東日本大震災から14年」 南郷 市兵 氏
15:30 協議 ※参加者の感想や質疑
17:00 振り返り
17:30 閉会
問合せ先
早稲田大学 教師教育研究所
所在地 東京都新宿区西早稲田1-6-1 (教育学部 藤井千春研究室内)
◆ 本セミナーに関するお問い合わせ
knorio[at]shirayuri.ac.jp (招聘研究員 神永典郎・白百合女子大学)
※お手数ですが、[at]を@におきかえて入力ください




