早稲田まちづくりシンポジウム2024
開催報告
7月20日にシンポジウム「舞台化するまちづくりの光と影 ひとりひとりが表現者となる時代の公共性を問う」を開催した。オンライン視聴者を含め、総勢200名以上の参加があり、当日は大きな問題もなく会は成功を収めた。シンポジウムは3部とまとめセッション2回により構成され、第1部「コモニング」では行政や公共的機関の立場からのまちづくりの挑戦を、第2部「オーセンティケーション」では地域の外部からやってきた個人/グループの立場から地域で活動を広げていく様子を、第3部「オーガナイジング」ではより多角的な視点で、自然発生的に生じている取り組みも含めた実践とそこでの各主体の役割についての議論が展開された。まとめセッション1では「舞台化するまちづくりの光と影」として、まちづくりの舞台化とそれによって生じている問題、これから取り組むべきテーマについて議論され、まとめセッション2では総括と、そもそも「まちづくり」とは何かについてなど、根源的なテーマについて深堀された。
参加者数:200名(学内:84名 学外:116名)
舞台化するまちづくりの光と影
ひとりひとりが表現者となる時代の公共性を問う
個の営みの延⻑からまちづくりを展開する「舞台化」の時代に、どう「公共性」を捉え、地域に向き合うか
自治体主導による「住民参加」から、自治体と個人・民間組織の「協働」を経て、近年のまちづくりでは民間主導の取り組みが大きな役割をもっている。本シンポジウムでは、「舞台化するまちづくり」ということばで、この新しい潮流を捉えたい。
意思決定に向かうための議論の場ではなく、各々が活躍し、生きがいを得られる場所としての舞台。落下傘のように降ってくる計画ではなく、地域の内部を無数の舞台へと編集していく「舞台監督」の役割が、新たな計画を導くのではないか。そう考えると、舞台には次のふたつの側面ががある。
第一に、「舞台空間(Stage)としての舞台」だ。まちづくりの現場となる地域は、さまざまな主体にとって、自身の社会的役割を認識する場所として再発見されている。生きがいを見出し自己成長の場所として地域を捉える人びと、都会にいながら地方に関わりを求めて流動的な生活を送る人びと…。こうした人びとの取り組みは社会にどう波及し、どのような「公共性」を生むだろうか?
第二に、「芝居(Dramaturgie)としての舞台」だ。演者・技術者を含む多くの関係者をうまく調整して舞台を生み出すように、動きながらも調和している状態を構築する計画のありかたである。繰り広げられる活動の裏には、それを支える技術者や多数の観客、さらには舞台に立ち入れない人びともいるだろう。広い視野を持って調整(=ガバナンス)を試みる主体が求められるはずである。
舞台空間としての地域の編成、そして舞台を構成する人びとの諸関係の編集というふたつの意味を込めて、本シンポジウムは「舞台化するまちづくり」を主題とする。このキーワードを頼りに、「公共性」の光と影をどう捉え、どのような倫理観と方法を携えて地域に向き合うのか問いたい。
開催概要
- 日 時:2024年7月20日(土) 9:00 開場/ 9:30 開会
- 会 場:早稲田大学小野記念講堂
- 主 催:早稲田まちづくりシンポジウム2024実行委員会(委員長:後藤春彦)
- 共 催:早稲田都市計画フォーラム、早稲田大学総合研究機構都市・地域研究所
- 後 援:日本都市計画学会、日本都市計画家協会、早稲田大学総合研究機構
問い合わせ先
早稲田都市計画フォーラム事務局 [email protected]
参加申し込み詳細はこちら(現在は終了しておおります)