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開催報告:オペラ/音楽劇研究所:2024年度4月研究例会

開催報告:2024年度4月研究例会(第218回オペラ研究会)

  • 日時:2024年4月13日(土)16:30 – 18:00
  • 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
  • 発表者:関野 さとみ
  • 所属:一橋大学大学院社会学研究科
  • 題名:『マルセル・プルーストとドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》― 作家は自国の現代オペラをどのように捉えたか ―』
  • 発表言語:日本語

概要:
20世紀フランスの作家マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』(1913-1927)には、同時代の音楽についての言及が至るところに見出される。中でもドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》(1893-1902)は、当時のフランス芸術において特権的な位置を占めたヴァーグナーの楽劇以上にその名が多く引用される。
プルーストは1911年にテアトロフォンという音声の中継機器で《ペレアス》の公演を初めて聴き、その直後に自ら「メーテルランクの戯曲ではなくドビュッシーの台本」に近いと付言した《ペレアス》のパスティッシュを発表するなど、《ペレアス》に対する高い関心を持ち続けた。本発表では、ドビュッシーの《ペレアス》が最も重要なレフェランスとして現れるプルーストの『失われた時を求めて』第5篇の『囚われの女』の記述と周辺の音楽資料の考察から、同時代の作家の目線で捉えられたドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》像の一端を明らかにする。同時代のフランスの芸術家にとって《ペレアスとメリザンド》というオペラがどのような意味を持つものであったのか、その一例を示したい。

発表者プロフィール:
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程に在籍。専門はフランス文学、音楽学。研究テーマはマルセル・プルーストの文学創造における音楽。博士(音楽学)。日本学術振興会特別研究員DC(2017-2020, ヨーロッパ文学)。主な論文に「〈生〉と響き合う音楽 — プルーストの「スワンの恋」におけるヴァントゥイユの《ソナタ》」『フランス語フランス文学研究』119, 2021, pp.207-223, 「ヴァントゥイユの《ソナタ》をめぐる考察の継承 ––「真に新しい傑作」に向かって」『フランス語フランス文学研究』123, 2023, pp.71-84など。

司会者 : 石井道子

コメント:21名の参加者があった。

Dates
  • 0413

    SAT
    2024

Place

Zoom

Tags
Posted

Mon, 22 Apr 2024

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