開催報告:2023年度2月研究例会(第217回オペラ研究会)
- 日時:2024年2月3日(土)16:30 – 18:00
- 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
- 発表者:岩佐 愛
- 所属:武蔵大学人文学部
- 題名:『ヘンデル・オペラ復興におけるユニコーン・オペラ(一角獣座)の貢献とその影響』
- 発表言語:日本語
概要:
ヨーロッパの主要歌劇場でヘンデルのオペラ作品がレパートリーの一環として上演されるようになり久しいが、日本でも近年になってようやくヘンデル作品の定期的上演が見られるようになり、これまで日本の聴衆にあまり知られてこなかった作品のレパートリー化が進むことが今後期待される。
20世紀初頭にドイツ各地のヘンデル音楽祭で始まったとされるヘンデル・オペラの復興「ヘンデル・ルネサンス」以降、各国ではさまざまな形での復興上演が試みられてきた。しかし、その多くは小規模な劇場での数回のみの公演に限定される時代が長く続き、その音楽的・芸術的評価も決して高いとは言えない。
今回の発表では、本来劇場用ではない建物を改装した小劇場での「アマチュア公演」として上演史の中で必ず言及はされるものの、地方での小規模公演ゆえに国際的に注目されることの少なかったユニコーン・オペラ(一角獣座)のオペラ上演を、ヘンデル・オペラ復興の文脈において再評価することを目指したい。
発表者プロフィール:
専門はイギリス18世紀研究(美術史、美学・芸術論)。オペラ関連では18世紀前半のロンドンにおけるヘンデル作品と同時代の視覚文化・芸術理論との関連を中心に扱う。論文:「バロック・オペラ上演への『歴史的知識 にもとづく演奏』の導入:ヘンデル作品における実践を中心に(1)」『武蔵大学人文学会』 54 (2) 97-118 (2023年3月);「18世紀ロンドンにおける公共空間と演劇 : パントマイム劇の興隆とスペクタクル性への絵画的批判」、『日本18世紀学会年報』 (36) 43-56(2021年6月)
司会者 : 山本 まり子
コメント:23名の参加者があった。