シンポジウム「今、ジャーナリズム教育を考える~大学生に必要な知識とスキル」
現在、ジャーナリズムは危機の時代を迎えています。自己の主張に合わない意見を退け、多様な価値観を認めないなど閉塞的な状況が世界中で見られ、真実が犠牲 になる「ポスト真実」の時代といわれています。マスメディアはこれまで、ニュースのゲート・キーパー(門番)として、出来事を発見し、解釈し、発信してきましたが、テクノロジーが発達し、あらゆる情報がネットを通して入手できる今日、私たちはマスメディアから発信される情報を待つのではなく、それぞれの都合に合った時間に自由に情報を入手します。情報をコントールする主体がメディアから市民へ移行するパラダイムシフトが起きている今、ジャーナリズムは従来の一方通行的な情報提供から、双方向的な対話型へと変換を迫られています。しかし、テクノロジーが発達し、ジャーナリズムの表現形式が変わろうとしても、「公共性」「公平性」「正確性」などのジャーナリズムの使命には変化はありません。むしろ、フェイク ニュースといわれる誤報、ねつ造、誇張、プロパガンダがネット上に流布される時代だからこそ、ジャーナリストを志す人だけでなく、メディアの発信者となり得るすべての人がジャーナリズムについて考え、学ぶことが重要です。シンポジウムでは、今を生きる私たちに必要なジャーナリズムの知識とスキルについて考えます。
概要
- 日 時:2024年1月13日(土) 15:05-17:35
- 会場 : 早稲田大学8号館B107教室
- 主催:グローバルエデュケーションセンター・ジャーナリズムとメディア表現副専攻
- 共催:総合研究機構次世代ジャーナリズム・メディア研究所
基調講演「誰がジャーナリズムを担うのか」
野中章弘 ジャーナリスト/早稲田大学教育・総合科学学術院教授、次世代ジャーナリズム・メディア研究所
シンポジウム「今、ジャーナリズム教育を考える~大学生に必要な知識とスキル」
パネリスト:永田浩三 武蔵大学社会学部メディア社会学科教授/元NHKディレクター・プロデューサー
澤康臣 専修大学文学部ジャーナリズム学科教授/元共同通信記者
構二葵 ジャーナリスト/元北海道放送記者
野中章宏 ジャーナリスト/早稲田大学教育・総合科学学術院教授、次世代ジャーナリズム・メディア研究所
司会:高橋恭子 早稲田大学政治経済学術院教授、次世代ジャーナリズム・メディア研究所
<基調講演者のスピーカーのご紹介>
野中章弘(のなか・あきひろ)
1953年、兵庫県生まれ。
ジャーナリスト、プロデューサー。
早稲田大学教授(教育・総合科学学術院/政治学研究科ジャーナリズムコース/2024年3月退職予定)。アジアプレス・インターナショナル代表。インドシナ紛争、アフガニスタン内戦、ビルマ(ミャンマー)の民主化、少数民族の武装闘争、東ティモール独立闘争など、アジアを中心に第三世界の問題を取材。87年、報道規制の厳しいアジア諸国のジャーナリストたちのネットワークであるアジアプレス・インターナショナルを設立。http://www.asiapress.org/
1990年代後半より、東京大学、立教大学、早稲田大学ジャーナリズム研究所などで、ジャーナリスト教育に注力。