「市民とともにつくるエンゲージド・ジャーナリズム」第11回
概要
- 日 時:2023年12月2日(土) 午前10:30~12:00
- ゲストスピーカー:セアラ・アルバレス(デトロイトOutlier Media創始者)
- 司 会:青木紀美子(NHK放送文化研究所 研究主幹)
- 参加費:無料
- 開 催:オンライン会議形式(Zoom)
お申込 (現在は終了しております。)
事前登録が必要になります。以下のURLにアクセスし、ご登録ください。ご登録頂くと、Zoom参加のご案内メールが届きます。
※日英の同時通訳がつきます。
※内容は収録し、ご登録頂いた方には事後一定期間、動画を視聴できるようにします。
<ゲストスピーカーのご紹介>
今回のゲストスピーカーは、公民権の弁護士、公共ラジオのジャーナリストを経て、2016年にデトロイトで非営利メディアのOutlier Mediaを発足させたセアラ・アルバレスさんです。
アルバレスさんは、社会問題に直面する人々の窮状を描く物語よりも、問題の当事者が直面する状況の解決や改善に役立つ情報を伝えたいと考え、Outlier Mediaを立ち上げました。ジャーナリストの関心ではなく、人々のニーズを出発点に取材し、情報の空白を埋めることをめざしてきました。携帯電話のショートメッセージを使った情報配信のサービスから出発し、2020年からは地方議会の委員会や行政の会合を市民が傍聴して記録する『デトロイト・ドキュメンターズ』を地元の新聞、テレビ、ラジオなど8つのメディアと連携しながら運営。情報の提供では解決しない問題の調査報道にも踏み出してます。
発足当初は「メディアではなく、社会福祉サービスではないか」ともいわれたというユニークな情報配信サービス、地域の政治・行政を見守り、多様な人々がつながる場にもなっているドキュメンターズの活動、市民情報インフラとしてのメディアの将来などについてアルバレスさんから話を聞き、参加者との質疑応答、意見交換の機会とします。
<オンライン連続講座について>
報道への信頼低下や読者・視聴者離れ、多様性欠如の表面化など、伝統メディアは今さまざまな危機に直面しています。デジタル空間には真偽ないまぜの情報が氾濫し、偽情報の拡散、陰謀論の浸透などによって人々は何を信じれば良いのかわからない、あるいは根拠を欠いても自分が信じたいことを信じる、という事態も起きています。こうした状況を背景に、アメリカやヨーロッパでは、市民とつながり、信頼を育み、ともにニュースをかたちづくり、発信していこうというエンゲージド・ジャーナリズム(Engaged Journalism)の試みが広がっています。「市民のために」ではなく「市民とともに」、人々を「情報の受け手=オーディエンス」だけではない「情報発信の協力者=パートナー」と位置づける。双方向の対話のチャンネルを開き、その疑問や意見に謙虚に耳を傾けるところから始め、信頼できる情報を共有し、地域の課題解決にもつなげていこうという取り組みです。
早稲田大学次世代ジャーナリズム・メディア研究所とNHK放送文化研究所が共催するこのオンライン連続講座ではエンゲージド・ジャーナリズムの実践者や研究者を招き、多様なエンゲージメントの実践と実績、背景にある問題意識などについて同時通訳を交えて話を聞き、交流する機会を設けていきます。