オペラ/音楽劇研究所:2022年5月研究例会のご案内
▼2022年5月研究例会(第202回オペラ研究会)
- 日 時:2022年5月14日(土)16:30-18:00
- 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
- 発 表 者 : 森 佳子
- 所属・資格:早稲田大学ほか非常勤講師
- 題 名: 『19世紀パリのグランド・オペラとメディア』
- 発表言語:日本語
- 概 要:
グランド・オペラとは、1830、40年代のパリ・オペラ座において創造されたジャンルの一つである。オベールの《ポルティチのおし娘》(1828)が最初の作品で、ロッシーニの《ギヨーム・テル》(1829)が2作目にあたる。
王政復古の時代に初演された《ポルティチのおし娘》は、1830年の七月革命やベルギー独立革命にまで影響を与えたといわれる。《ギヨーム・テル》を含めこれら2作は、当時の政治的状況を反映して、観客にセンセーショナルに受けとめられた。すなわちこれらの上演は、観客にかつての「大革命」を思い起こさせ、それが次なる革命を扇動するきっかけになったのかもしれない。言い換えれば、当時における、政治的な「劇場メディア」としての役割を潜在的に果たしていたと考えられる。
そのことはおそらく、フィナーレに見られる「タブローtableau」によって理解される。「タブロー」とは、メロドラム(演劇の一ジャンル)あるいはオペラにおいて、各幕のラストに挿入される「造形的かつ絵画的な効果」のことを指す。本発表では、《ポルティチのおし娘》および《ギヨーム・テル》のフィナーレに注目し、タブローがメディアとして、どのように観客に作用したのかを明らかにする。
- 発表者プロフィール:
早稲田大学ほか非常勤講師。パリ第四大学で音楽学を学ぶ。早稲田大学にて博士(テーマはオッフェンバックのオペレット・フェリー)。単著に『オペレッタの幕開け―オッフェンバックと日本近代』(2017)、編著に『キーワードで読むオペラ/音楽劇研究ハンドブック』(2017)、『演劇と音楽』(2020)など。関心領域はフランスにおけるオペラ、オペレッタ。
- 司会者 : 佐藤 英
参加申し込み (現在は終了しております。)
※ 事前申し込みが必要です。参加希望者は5/11(水)までにこちらのGoogleフォーム
から、ご氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を記入してお申し込みください。前日(5/13)にフォームに入力したメールアドレスに招待メールをお送りします。
※ご出席の際お名前の表示をお願いします。カメラをonにする必要はありません。
発言時以外はミュートにしてください。
次回例会開催予定日
次回例会開催予定日:2022年6月18日(土)
報告者: 平野 恵美子
司会者: 釘宮 貴子
◆早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所
e-mail address : operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ( [at] = @)
(この例会案内は後ほど Facebookと Twitterでも発信されますので、そちらでも見ることができます。)