開催報告:当日の様子
藤元明緒監督から映画を作るきっかけや撮影時のお話などを伺いました。
上映会終了後、オフラインで参加してくれた方々と記念撮影。
(オンライン上映会+トークイベント)『海辺の彼女たち』を通して考えるベトナム技能実習生と私たち
早稲田大学平和学研究所(主催)と梨の木ピースアカデミー(共催)で、ベトナム技能実習生をテーマにした映画『海辺の彼女たち』の上映会を開催します。上映後、同作品の監督である藤元明緒氏を招いてトークイベントを行います。どなたでもご参加いただけますので、ぜひ積極的にお申し込みください。
上映作品について
『海辺の彼女たち』 2020年制作、1時間 28分
ベトナムから来た3人の女性たち、アン、ニュー、フォン。彼女たちは日本で技能実習生として3ヶ月間働いていたが、ある夜、過酷な職場からの脱走を図った。ブローカーを頼りに、辿り着いた場所は雪深い港町。不法就労という状況に怯えながらも、故郷にいる家族のため、幸せな未来のために懸命に働き始めたが……。より良い生活を求めて来日したベトナム人女性たちを主人公に、きらめく未来を夢見ながら、過酷な現実と闘う姿を描く。
近年、外国人技能実習生にまつわる劣悪な労働環境などが社会問題として注目されているなか、本作は藤元監督が実際に技能実習生から受け取ったSOSメールをきっかけにして着想。当事者たちへの入念な取材をもとに脚本を執筆、臨場感あふれる役者の演技によるドキュメンタリーとフィクションを越境する物語を作り上げた。女性たちの覚悟と生き様が、他人事ではない物語として心に迫る。
開催概要
- 日 時:2022年01月09日(日)
(上映時間)
・午前 10時~ 上映会のみ
・午後 2時~ 上映会終了後、藤元明緒監督のトークあり - 開 催:オンライン会議形式(ZOOM)
- 司 会:堀 芳枝(早稲田大学社会科学総合学術院教授 平和学研究所所長)
- ゲスト:藤元 明緒(映画監督)
- 参加費:無料
- 言 語:映画はベトナム語および日本語
トークイベントは日本語のみの進行となります。 - 主 催:早稲田大学総合研究機構 平和学研究所
- 共 催:梨の木ピースアカデミー(NPA)
参加申込み方法(現在は終了しております。)
事前登録が必要になります。
こちらよりご登録ください。ご登録頂くと、Zoom参加のご案内メールが届きます。
ゲストスピーカー
監督:藤元明緒(ふじもと・あきお)
1988年生、大阪府出身。ビジュアルアーツ専門学校大阪で映像制作を学ぶ。日本に住むあるミャンマー人家族の物語を描いた長編初監督作『僕の帰る場所』(18/日本=ミャンマー) が、第30回東京国際映画祭「アジアの未来」部門2冠など受賞を重ね、33の国際映画祭で上映される。長編二本目となる『海辺の彼女たち』(20/日本=ベトナム)が、国際的な登竜門として知られる第68回サンセバスチャン国際映画祭の新人監督部門に選出。同作にて、TAMA映画賞最優秀新進監督賞、新藤兼人賞金賞を受賞。現在、アジアを中心に劇映画やドキュメンタリーなどの制作活動を行っている。
平和学研究所プロジェクト「アジアの経済成長とジェンダー」について
日本は戦後アジア経済を主導してきたが、20世紀の終わり頃から出口の見えない経済停滞が続いている。コロナの日本経済へのダメージは計り知れない。一方、中国を筆頭に ASEAN諸国の経済は躍進し、21世紀は「アジアの世紀」ともいわれている。2020年コロナ禍でも中国とベトナムはプラスのGDP成長率、コロナ後の経済の期待も。こうした新興国の経済成長を後押ししたのは、ファストファッションのような労働集約的な工場に大量に動員されたアジアの女性たちの労働だったのではないだろうか。本プロジェクトでは、東アジアも含めて、21世紀のアジアとジェンダーの政治経済分析から東アジアの経済秩序の変動について考察する。
また、共催団体の「梨の木ピースアカデミー」において開講中の「堀芳枝の『21世紀のアジア』とジェンダー」では、前述の問題意識にもとづき、中国および東南アジアの女性たちの現状(part1)や、日本女性の雇用と労働、政治参加や教育、LGBTQの現状、日本に移住している女性たちの状況(part2)、紛争・災害とジェンダー(part3)など、3期にわたり様々な視点から、アジアのジェンダー専門家による話を聞き交流する機会を設けている。
講座の詳細:[コース21]「21世紀のアジア」とジェンダー Part3-紛争・災害とジェンダー
(梨の木ピースアカデミーのサイトへ移ります)