<開催概要>
◇日 時:2024年11月2日(土)研究発表16:30-18:00、キーワーズ報告 18:10-19:10
◇開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
◇研究発表者:森岡実穂(中央大学)
◇キーワーズ報告者:岡本佳子(神戸大学)
◇司会者:森本頼子
◇言語:日本語
◇主 催:早稲田大学総合研究機構 オペラ/音楽劇研究所
『《魔笛》上演における「ブラックフェイス」問題』森岡実穂
発表要旨
「ブラックフェイス」とは、舞台やエンターテイメントで黒人に扮するために、黒人ではない演者が肌を黒く塗る演劇用の化粧を施すことを指す。この手法は、黒人を差別的な視線に基づきカリカチュア的人物像として描くために歴史的に使用されてきたことから、現在では非常に不快で不適切なものとみなされている。これまで「ブラックフェイス」で演じられてきた役をどう表象するかは、現在の舞台芸術の世界における反差別のための重要な取り組みのひとつとなっているのである。この発表では、そうした役の一例としてのモーツァルト《魔笛》における「ムーア人」モノスタトスの表象に関して、現在どのような取り組みがあるのかを検証する。このテーマに関する最近の論文 Adeline Muellerによる ‘Blackness and Whiteness in The Magic Flute : Reflections from Shakespeare Studies’(2023)を始点として、1980年代から現在までの入手可能な舞台映像、また私が過去に実際に観てきた25本の舞台についての記録に加え、この20年ほどの英 Opera誌での《魔笛》上演批評記事などの素材を用いて、この論文にさらなる視点を追加したい。
発表者プロフィール
中央大学経済学部教授。専門分野は同時代の演出家(R・ジョーンズ、P・コンヴィチュニー、W・ケントリッジ、V・バルハトフなど)によるオペラ演出における政治的表象の分析。著書に『オペラハウスから世界を見る』(2013年)。また『日本近代国家の成立とジェンダー』(2003年)、『ジェンダー史叢書 第四巻 視覚表象と音楽』(2010年)、『愛の技法―クィア・リーディング入門』(2013年)、『アップデートされる芸術-映画、オペラ、文学』(2014年)、『芸術のリノベーション』(2020年)、『グローバル文化史の試み』(2023年)などに寄稿。
キーワーズ報告:岡本佳子
概要
バルトーク作曲、レンジェル原作のパントマイム《中国の不思議な役人》(1926年初演)について、舞台版とその抜粋である組曲版における差異を中心に、作品受容を追いながら上演上の効果について論じる。
キーワーズ:バルトーク 舞踊 組曲 受容
報告者プロフィール
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は舞台芸術学、中東欧文化研究。近年はとくに作曲家バルトークや劇作家バラージュらの作品を中心に、20世紀転換期の芸術家の人的交流と複数体制による創作プロセスに関心がある。単著に『神秘劇をオペラ座へ:バルトークとバラージュの共同作品としての《青ひげ公の城》』(松籟社、2019年)。訳書にバラージュ「ほんとうの空色」浅田次郎、角野栄子、金原瑞人ほか編『小学館世界J文学館』(小学館、2022年)所収。
参加申込方法
事前登録が必要です。参加希望者はできるだけ前日の11月1日(金)までに以下のURLから事前登録をしてください。
URL: https://list-waseda-jp.zoom.us/meeting/register/tJwvf-urqTItHNZ7NZoO4HvWB9a3M_LYDWil
※Zoom自動登録制なので、主催者側からはズーム招待状をお送りしません。(なお飛び入り参加も可能です。)
※ご出席の際フルネームの表示をお願いします。発言時以外はミュートおよびビデオ・オフにしてください。スクリーンショット撮影、録音、録画等は厳にお控え願います。また司会者の指示にしたがってください。
問合せ先
総合研究機構オペラ/音楽劇研究所:https://prj-opera-mt.w.waseda.jp
e-mail address: operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ([at] = @)
(この例会案内は後ほど Facebookと X(旧Twitter)でも発信されますので、そちらでも見ることができます。)