開催報告:2024年度6月研究例会(第220回オペラ研究会)
- 日時:2024年6月15日(土)16:30 – 18:00
- 開催方式:ハイフレックス形式(対面とZoomによるオンラインの併用)
- 発表者:小石 かつら
- 所属:関西学院大学文学部
- 題名:『ニーダーライン音楽祭とF. メンデルスゾーン』
- 発表言語:日本語
概要:
1818年に西部ドイツのエルバーフェルトで始まったニーダーライン音楽祭は、デュッセルドルフ、ケルン、アーヘンといったニーダーライン地方の都市で、聖霊降誕祭(ペンテコステ)に合わせた2〜3日間を会期として、持ち回りで開催された。本音楽祭自体は形を変えつつ第二次世界大戦後まで存在したが、本発表では、19世紀前半期に着目する。その中でも1833年から1842年の期間のうち7回、F. メンデルスゾーンが音楽祭の指揮を担当し、自作などを演奏したことが知られている。本発表では、①ニーダーライン音楽祭の概要、②メンデルスゾーンの演奏会の実態、③教会と宗教音楽上演の関連を紹介する。とくに2点目について、定職をもっていたメンデルスゾーンが音楽祭に参加するにあたって、どのような準備がなされていたのかを手紙等を紹介しつつ明らかにする。これにより、19世紀前半の西部ドイツにおける演奏会状況の一端を具体的に明らかにしてみたい。
発表者プロフィール:
京都市立芸術大学大学院でピアノを、ライプツィヒ大学、ベルリン工科大学、大阪大学大学院文学研究科で音楽学を学ぶ。博士(文学)。専門は19世紀西洋音楽史。とりわけ近代的なオーケストラ演奏会の成立と変遷の解明を課題として、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のプログラムを調査している。共訳書に『シャンドールピアノ教本』(春秋社)、『ギャンブラー・モーツァルト』(春秋社)。共著に『ドイツ文化史への招待』(大阪大学出版会)など。現在、関西学院大学文学部教授。
司会者 : 野田農
コメント:19名(会場6名、オンライン13名)の参加者があった。