Center for Higher Education Studies早稲田大学 大学総合研究センター

講義形式でも「聞くだけ」にならないように演習や発表で
変化を付ける。活用範囲の広い「問題解決学」も好評

2020年度春学期ティーチングアワード受賞
対象科目: システム工学
受賞者:大貝 晴俊

北九州キャンパスの生産システム研究科で、修士1年生の選択科目となっている「生産工学」。

授業では、さまざまなステムに応用できるシステム開発や設計の手順と手法の知識などを学んでいく。

基本的には講義形式の授業だが、担当する大貝晴俊教授は単に「聞くだけ」にはならないようにと心を配っている。

履修者の大半が留学生という環境の中で、学生たちの興味を引き、理解を深めるための授業の工夫について

話を聞いた。  

予習⇒講義⇒演習課題⇒発表という流れを通じて、知識をしっかりと身につけさせる

北九州キャンパスは国際色が豊かで、学生全体に占める留学生、とりわけ中国などアジアの留学生の割合が非常に高い。「システム工学」も例外ではなく、履修者の大半は留学生だ。ティーチングアワード総長賞の対象となった2020年度春学期の履修者は17名で、そのうち14名が中国からの留学生、3名が日本人学生だった。「例年の履修者数は50名程度ですが、コロナ禍でオンライン授業となりその影響で人数が減ったようです」(大貝教授)。

ほとんどの留学生は日本語の理解に問題がないというが、中にはやや不安のある学生もいる。そのため、授業では日本語で説明した後に、日本語が不得手な学生に向けて英語で補足。全員がしっかり理解できるように気を配っているという。

授業は、基本的に講義形式で行う。ただし、「聞くだけ」ではなかなか知識が身につかないと大貝教授。そこで、毎回演習課題を出して、課題に取り組むことで理解を深めてもらう工夫をしている。「課題をやり遂げるには、システムの計画手法でも評価手法でも実際に使う場合を具体的に考える必要があるので、実践的な知識を身につけることができます」。

さらに、学生が提出した演習課題のうち、いくつかの優秀なものについては授業内で発表もしてもらっている。「発表する学生は話すことで、その他の学生は聞くことで、内容への理解がより一層深まります」。発表後は、大貝教授からのフィードバックや学生同士の意見交換によってもう一段、深く理解することができる。

なお、決まった教科書はなく、毎回の授業の資料は事前にWaseda Moodleにアップしている。反転学習ではなく、あくまで予習の範囲だが、シラバスでは事前に資料に目を通すことを促していて、こうしたこともスムーズな理解につながる工夫の一つといえるだろう。

オンライン授業でこれまでより発表も意見交換もスムーズに。Zoomの機能活用は今後の課題

大貝教授はすでに20年近く「システム工学」を担当しているが、前述のとおり、2020年度春学期は初のオンライン授業となった。中国人留学生の中には中国から受講する者もいたというが、中国とはあまり時差もないため、リアルタイムでのオンライン授業に特に問題は起きなかったそうだ。

「通信環境でのトラブルもなく、むしろオンライン授業によるメリットも感じました。履修人数が17名ということもあり、Zoomで一人ひとりの顔を見ながら、これまで以上にきめ細かな指導や活発な意見交換ができるようになったと思います」

演習課題の発表も、以前に比べると手間がかからなくなった。「対面のときは、学生から事前に発表用のデータを受け取り、それを私のPCからスクリーンに投影していました。しかし、Zoomなら画面共有機能を使い、それぞれの学生がすぐに自分のレポートを表示できます。自分の考えを手書きでパパっと書いてくれた学生もいました。オンラインなら、わざわざ黒板の前に出て来なくてもすぐに情報を共有できるのがよい点ですね」。

一方で、Zoomの機能に関してはまだ使いこなせていない部分もあるとのこと。たとえば、授業の中ではブレインストーミングなどグループワークで取り組む課題もあるが、少人数で話し合いをするには「ブレークアウトルーム」という機能を使う必要がある。「2020年度は人数が少なかったので、17名全員でグループワークを行いました。今後は、ブレークアウトルームなどの機能も使っていきたいですね」。また、Waseda Moodleの機能も、同様に今後はうまく活用していきたいと考えている。

システム工学だけでなく幅広く役立つ「問題解決学」は、学生にとって魅力的と推測

丁寧な授業の説明と、演習課題などを通してしっかり理解を深めていける大貝教授の授業は、学生から高く評価されている。学生授業アンケートでは、「総合的に見てこの授業は有意義だった」が6点満点中5.93と高い評価を得たほか、多くの設問で非常に高い評価となっている。

3年ほど前からは、授業に「問題解決学」という新たな項目を取り入れた。問題を解決するための手順や実行計画を考えていく学問だが、その応用範囲はシステム工学に留まらないという。

「もちろん、システム工学で活用できる学問ですが、それ以外のさまざまな問題に対峙したときにも使える学びです。実際、授業では学生自身の課題を挙げてもらい、分析や解決までの計画を考えてもらっています。私の授業が高く評価された理由には、学生たちにとってこの『問題解決学』が新しく、興味を引くもので魅力的だったというのもあるかもしれませんね」

今後の課題としては、演習のフィードバックを今よりもきめ細かく実施していきたいと考えている。すでに述べたように、これまでも学生が発表した後には、クラス全体での議論などを通してフィードバックはしてきた。もちろん、成績として評価もしている。

「ただ、発表は全員ではなく、また一人ひとりに『ここはこうでしたね』と個別に返すことはできていませんでした。Waseda Moodleの機能も活用しながら、丁寧に個別のフィードバックをしていきたいですね」

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