
全日本選手権FS演技後にガッツポーズをする石塚
「表現」や「演じる」といった要素が大きな部分を占めるフィギュアスケートにおいて、観客の存在は他の競技以上に特別だ。そんな中、新型コロナウイルスの脅威は学生スケーターたちから、観客の前で演技をする機会を奪った。しかし石塚は無観客配信の試合が続く中でも、誰よりも画面の向こう側のファンを楽しませること、画面の向こう側のファンにも伝わる演技、を意識して演技を行なってきた。応援の形が画面越しであっても、見てくれているファンを楽しませる演技をし、それによって喜んでくれるファンの気持ちを胸に、さらに楽しませる演技を目指してコツコツ練習に励む。そのペダルの両輪が間違いなく石塚の推進力となっていた。その姿勢がラストシーズン唯一の有観客の試合となった全日本選手権でのガッツポーズの演技を生み、その想いが観客からスタンディングオベーションというプレゼントで返ってきたのだろう。→続きを読む