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箱根2022 早大戦力分析 1万m平均タイム4位、近年最強布陣で総合Vへ

12月19日の公開練習で優勝を誓う、16人の箱根駅伝エントリーメンバー(撮影:石垣星児)

2022年1 月2・3日に行われる箱根駅伝2022。早稲田大学競走部が狙うのはもちろん、総合優勝です。エントリーメンバーの1万メートル上位ベスト10の平均タイムは28分34秒38と出場チーム中4位で、これを上回るのは駒澤大(28分24秒65)、青学大(28分29秒39)、明治大(28分31秒18)のみとなっています。また、5000m上位ベスト10の平均タイムでも駒大、明大に次ぐ3位(13分48秒45)。2021年5月・6月に行われた社会人も含む陸上日本一を決める日本選手権には長距離ブロックから6名()の選手が出場するなど、近年では最も戦力が充実しており、十分に総合優勝を狙える実力を備えているといえます。今シーズンの記録をもとに、箱根駅伝2022の戦力について分析します。

※)1500m(石塚陽士)、5000m(千明龍之佑・伊藤大志)、3000mSC(菖蒲敦司・諸冨湧)、10000m(井川龍人)

史上初27分台トリオ 中谷が復調、太田も回復、井川は好調

中谷、12月の5000mでシーズンベスト

全日本駅伝で中谷は菖蒲にタスキをつないだ©月刊陸上競技

中谷雄飛(スポーツ科学部4年=長野・佐久長聖)、太田直希(同4年=静岡・浜松日体)、井川龍人(同3年=熊本・九州学院)という1万メートル27分台の選手が3人いる箱根駅伝史上初のチームとなった早稲田大。しかし、今シーズンは「駅伝三冠」を目標に掲げたものの、中谷の不調、太田のけが、そして5000メートルでチームナンバー1の速さを誇る主将・千明龍之佑(同4年=群馬・東農大二)のけがなどがあり、出雲駅伝(10月10日)も全日本大学駅伝(11月7日)も共に6位という惨敗に終わりました。

しかし、中谷は日体大競技会(12月6日)の5000メートルで13分46秒73と、シーズンベストを記録。「今季は故障が多くて、苦しいシーズンでしたが、最後走り切れてよかったと思います。本当に苦しい状況でしたが、いろいろな方に支えてもらって、ここまで調子を上げることができたので、感謝の気持ちでいっぱいです」と、復調に手応えを感じています。

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太田は順調に練習を積む

箱根駅伝2021では2区を走った太田(提供/関東学連)

太田は出雲では3区(8.5キロ)で区間4位。終盤に粘りを見せて順位キープの走りとなったものの、レース後は悔しさをあらわにした。全日本は「行けと言われれば、行ける」という状態でしたが箱根への影響を考慮して大事をとっての欠場となりました。「現在は順調に練習を積めており、痛みもありません。最後のレースなのでとにかく自分の全力を出し切って悔いのないレースをしたい」と、箱根での奮起を誓っています。

箱根での覚醒が待たれる次期エース候補・井川

全日本駅伝で順大・三浦と競る井川©月刊陸上競技

井川は全日本で2区(11・1キロ)を走り2位、集団を引っ張りながら東京五輪3000メートル障害7位入賞の順天堂大・三浦龍司とも競り合いました。その後の11月20日に行われた早大競技会・ハーフマラソントライアルでは東洋大の箱根エントリーメンバー・前田義弘との一騎打ちを制し、62分58秒でゴール。「箱根に向けて良いポイントを見つけられた」「思っていた以上にハーフも楽に走れるんだなと感じました」と自信を示し、「前半区間を走って、チームにいい流れを作っていきたい」と話しています。次期エースとして期待されているだけに、箱根での覚醒が待たれます。

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5000m部内トップのスピードスター 駅伝主将・千明

箱根駅伝2021で8区を走る千明(提供/関東学連)

千明主将は5000メートルの持ちタイムは部内トップの13分31秒52(5月・法大競技会、※早大歴代5位)。6月の日本選手権でも13分39秒04の好タイムを記録し、学生トップの8位入賞を果たしました。1万メートルの持ちタイムは29分台ですが、体調が万全であれば28分台は当然、27分台をも記録できる実力は十分に持っているはずです。

※ 1位・竹澤健介(2007)、2位・大迫傑(2013)、3位・渡辺康幸(1994)、4位・花田勝彦(1993)

入学以来エースとして期待されながら、なかなか実力がタイムに反映されませんでしたが2021年はトラックで飛躍の年となりました。後半はけがに泣き、出雲も全日本も大事をとって欠場しましたが、「箱根には十分に間に合う」としています。全日本駅伝が終わった後のミーティングでは、涙で勝利への執念を見せた千明主将。「最後に結果を残すことで、4年間を最高の形で締めくくる」と、並々ならぬ決意を語っています。

絶対に外さない男 次期駅伝主将・鈴木創士

箱根駅伝2021では4区で5人抜きの激走を見せた鈴木(提供/関東学連)

次期駅伝主将となることが決まっている鈴木創士(スポーツ科学部3年=静岡・浜松日体)は「外さない男」として、チームから信頼されています。全日本駅伝では7区(17・6キロ)区間5位で「最低限の走り」と話しましたが、11月20日の早大競技会では1万メートルで28分26秒41と自己記録を更新。箱根に向けて調子を上げてきています。前回の箱根駅伝では4区・区間3位と5人抜きの好走、往路3位で5区にタスキをつなぎました。箱根に向けて、必ず調子を合わせてくれるでしょう。

アンカー請負人、一般組の星・山口

箱根2021で最終10区ゴール後、武士文哉主務に抱えられる山口(提供/関東学連)

駅伝ではアンカーしか走ったことがない山口賢助(文学部4年=鹿児島・鶴丸)。今年はけがで走れない時期が続きましたが、10月13日の早大競技会では約1年ぶりとなる1万メートルに出場し、28分42秒77の好タイムを記録しました。これまで出場した駅伝全てでアンカーを担当、全日本駅伝でも最終8区を任されましたが区間9位の凡走に終わり、レース後は悔しさを隠しませんでした。1万メートルの自己ベストは、井川に続く部内4番手の実力を持っており、箱根でのリベンジに期待したいところです。

https://twitter.com/Kenbow_8/status/1448290945732988933

痛い小指と辻の登録漏れ

箱根2021では9区を激走、復路4位の原動力となった小指はいない(提供/関東学連)

昨年は日本選手権5000mにも出場し、箱根駅伝2021では9区を好走した小指卓也(スポーツ科学部3年=福島・学法石川)がけがの回復が遅れてエントリーメンバー漏れ。10月の早大競技会で1万メートルの自己ベスト28分54秒74を記録するなど、箱根出走が期待された辻文哉(政治経済学部2年=東京・早実)も、エントリーメンバー発表直前で離脱となりました。

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好調ルーキー・石塚に期待

1年生ながら実力を発揮し続けている石塚(全日本駅伝©月刊陸上競技)

いくつか懸念材料があるものの、新戦力が台頭してきました。今季好調のルーキー・石塚陽士(教育学部1年=東京・早実)は1万メートルの記録を持っていないものの、出雲では4区区間賞(6.2キロ)、全日本駅伝では5区(12.4キロ)を37秒差の2位でスタートすると、並走することなくトップを抜き去って1位(区間4位)でタスキをつなぐ快走を見せました。1年生でありながらチームの主力に成長し、全ての練習メニューを、ここまで怪我無くこなし切りました。今季の調子であれば1万メートルを走っても十分に好記録が期待でき、チームの平均タイムを押し上げる力を持つと思われます。

菖蒲がエース級の活躍、伊藤など新戦力台頭

全日本駅伝で順大を振り切る菖蒲、チームを単独2位に押し上げた©月刊陸上競技

菖蒲敦司(スポーツ科学部2年=山口・西京)も今季好調の期待の星。出雲駅伝では1区・区間2位の快走、全日本では4区・区間5位でしたが、競っていた順大の箱根エントリーメンバー・石井一希(2年)を突き放し、単独2位でタスキをつなぎました。駒野亮太・長距離コーチ(2008年教育学部卒=東京・早実)は今季の菖蒲について「実質的にエースの活躍をしている」とし「1万m27分台トリオや千明に匹敵する力を間違いなく持っており、勝負強さもある」と評価します。出雲・全日本では主力欠場によるチャンスを見事にものにしました。菖蒲は「単独走でもしっかり押していける自信がついた」と話しており、箱根では区間賞獲りに闘志を燃やしています。

全日本駅伝で健闘した伊藤©月刊陸上競技

伊藤大志(スポーツ科学部1年=長野・佐久長聖)も1年生ながら出雲(5区・12位)と全日本(1区・7位)に出走しました。5000メートルでは千明に次ぐ13分36秒57の持ちタイムを持つスピードスター、ここまで練習は完璧こなせているといい、潜在能力を箱根駅伝で発揮することもありえます。「同期の石塚に負けたくない」と語っており、成長著しいライバルとの切磋琢磨が大きなモチベーションとなっています。

相楽監督「高い能力生かし、前半から積極的な走りを」

相楽豊・駅伝監督

期待され続けてきた世代が最終学年となり、何としても総合優勝を勝ち取りたい早稲田大学競走部。相楽豊・駅伝監督(2003年人間科学部卒=福島・安積)は「トラックと駅伝は全く違うもので、1万メートルを27分台で走れるからといって、箱根も走れるかというとそうではない」と、気を引き締めています。「ただ、それだけ高いスピードを有してることは間違いないことで、彼らは卒業してからも日本のトップ、世界のトップで戦ってほしい。是非その高い能力を生かして、前半から積極的な走りをしてくれれば、小エース、中エースではなく、大エースが出てくるという期待もあります。タイムを過信してほしくないのですが、自信の種として攻めるレースをしてくれれば」と期待を込めました。

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