須﨑優衣選手(スポーツ科学部1年=東京・安部学院)が、7月7日(土)に埼玉・和光市総合体育館で行われたレスリング世界選手権代表選考会プレーオフ(プレーオフ)女子50kg級で、天皇杯女王の入江ゆき選手(自衛隊体育学校)に勝利し、2年連続世界選手権出場を決めました。須﨑選手は高校3年生で出場した2017年の同大会女子48kg級を制して世界女王に輝いており、2連覇に挑みます。
因縁のライバルとの再戦
選考規定により、世界選手権への出場権は、昨年の天皇杯優勝の入江選手と今年の明治杯優勝の須﨑選手によるプレーオフで決定となります。須﨑選手にとって、入江選手は2015年に連勝記録を83で止められ、昨年の天皇杯でも0-10のテクニカルフォールで敗れた因縁のライバルともいえる存在です。試合は両者の意地がぶつかり合う白熱の展開となりました。
「自分の強さはここからだ」 大逆転で死闘を制す
第1ピリオド(P)終了は入江選手にペースを握られ0-4で折り返す苦しい展開となります。しかし、「自分の強さはここからだ。世界選手権には絶対私が行くんだ」と気持ちを切り替えた第2Pは組手での攻防で徐々に須﨑選手がペースを握り、1点差で残り20秒を切った場面で、渾身の片足タックルを仕掛けグラウンドでの競り合いからデンジャーポジションに持ち込み遂に逆転に成功します。そのまま入江選手を押さえつけ6-4で試合終了を迎え、死闘を大逆転で制した須﨑選手は満面の笑みで拳を突き上げました。
挫折を乗り越えつかんだ世界への切符
ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。世界女王として挑んだ昨年天皇杯では入江選手に対し1点も奪えず屈辱のテクニカルフォール負けを喫し、その後の国際大会では代表に選ばれず悔しい思いをしました。しかし、入江選手に負けた2度の試合(連勝記録を止められた3年前の天皇杯と、昨年の天皇杯)の表賞状を自室の天井に貼り付け、片時もその悔しさを忘れず、もう一度基本に立ち返り徹底的に鍛え直しました。4月に早大に進学すると、これまで同様ナショナルトレーニングセンターで鍛錬を積むとともに、早大での男子との練習の中で新たな技術を身につけ、確実に力を伸ばしました。天皇杯と同じ劣勢から逆転勝利を収めたプレーオフの勝利は、その確かな成長を感じさせました。
須崎選手は早稲田の誇りと日の丸を背負って世界選手権2連覇に挑みます。その視線の先には、入江選手やリオ五輪金メダリストの登坂選手等の実力者が揃う激戦区での東京五輪出場を賭けた戦い、そして目標である『東京五輪での金メダル』を見据えます。挑戦を続ける須﨑選手、ならびに早稲田大学レスリング部へ、 今後とも応援をよろしくお願いいたします。