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  • COVID-19流行前・流行中における体力と近視疑いの二重の変化:中国浙江省農村部の6~11歳児を対象とした一校研究/Dual trends in physical fitness and suspected myopia before and during the COVID-19 pandemic: a single-school study of children aged 6–11 years in rural Zhejiang, China

COVID-19流行前・流行中における体力と近視疑いの二重の変化:中国浙江省農村部の6~11歳児を対象とした一校研究/Dual trends in physical fitness and suspected myopia before and during the COVID-19 pandemic: a single-school study of children aged 6–11 years in rural Zhejiang, China

COVID-19流行前・流行中における体力と近視疑いの二重の変化:中国浙江省農村部の6~11歳児を対象とした一校研究/Dual trends in physical fitness and suspected myopia before and during the COVID-19 pandemic: a single-school study of children aged 6–11 years in rural Zhejiang, China
Posted
Thu, 01 Oct 2026

概要/Abstract

中国浙江省の小学生を対象に、2019年と2020年の健康診断データを比較しました。流行中は低年齢層のBMI※1と一部の柔軟性が悪化し、近視疑い※2が特定の年齢・性別で増えました。一方、跳び縄は多くの学年で向上しました。

 これまでの研究で分かっていたこと/Research Background

 COVID-19流行期には、外出制限やオンライン授業により、子どもの身体活動と屋外活動が減り、画面を見る時間が増えました。先行研究では、体力低下や近視の進行が報告されていましたが、体力と視力を同時に調べ、年齢・性別ごとの差まで比較した研究は限られていました。

 今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと/Findings 

浙江省麗水市の農村部にある一つの小学校で、2019年と2020年に実施された学校健診を比較し、体格、体力、視力の変化を年齢・性別ごとに明らかにしました。主な結果は次のとおりです。
• BMIは、主に低年齢層で2020年に高くなりました。
• 長座体前屈による柔軟性は、6歳男子と6~7歳女子で低下しました。
• 1分間の跳び縄回数は、多くの年齢層で増加しました。50m走には明確な変化がありませんでした。
• 近視疑いは全体として2020年に多く、7歳女子、10歳男子、11歳女子で有意に増加しました。
 

そのために新しく開発した手法/Methods developed

新しい測定機器を開発した研究ではありません。既存の学校健診データを活用し、年齢と性別による違いを同時に検討できる統計モデルを構築しました。さらに、同じ学級の児童どうしが似る可能性や、多数の検定によって偶然の差が出る可能性を考慮しました。近視疑いについては、2019年と2020年の児童構成の違いを補正する追加解析も行い、結果の頑健性※3を確認しました。

研究の波及効果や社会的影響/Research implications to the society

大規模な感染症流行や災害により学校生活が制限される場合でも、子どもの健康を一つの指標だけで判断しないことが重要です。年齢と性別に応じて、体重管理、柔軟性を含む運動機会、視力確認を組み合わせる必要があります。跳び縄のように狭い場所でも行える運動は、家庭や学校で継続しやすい選択肢となります。

今後の課題/Future issues

本研究は一校のみを対象としたため、都市部や中国全体にそのまま当てはめることはできません。また、2019年と2020年の別々の集団を比較した横断研究※4であり、COVID-19流行が変化の原因だったとは断定できません。今後は複数地域で同じ児童を追跡し、屋外活動、画面視聴、運動内容、眼科での屈折検査も含めて検証する必要があります。

研究者のコメント/Researcher’s Comment

子どもの健康は、体力、体格、視力が互いに関わりながら形づくられます。本研究で特に伝えたいのは、生活環境が大きく変化したとき、その影響はすべての子どもに同じ形で現れるわけではないという点です。年齢や性別、運動の種類に目を向けることで、より適切な支援につながります。学校、家庭、地域が協力し、運動と目の健康を日常の中で守れる仕組みづくりに貢献したいと考えています。

用語解説/Terminology

※1 BMI 体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値です。体格の目安として用います。
※2 近視疑い 本稿では、裸眼の遠方視力が左右どちらかで中国式視力表5.0未満の場合を指します。眼科の屈折検査による近視診断とは異なります。
※3 頑健性 分析条件を変えても、おおむね同じ結論が得られる性質です。
※4 横断研究 ある時点または異なる時点の集団を比較する研究です。個人の変化や因果関係を直接示すものではありません。

論文情報/Journal Information

雑誌名/Journal:Frontiers in Public Health, Volume 14(Children and Health)

論文名/Title:Dual trends in physical fitness and suspected myopia before and during the COVID-19 pandemic: a single-school study of children aged 6–11 years in rural Zhejiang, China

執筆者名・所属機関名/Authors and Affiliated Organisation:Haolu Shu1, Zhou Qianhui2, Matsui Taiji3, Norikazu Hirose4, Maehashi Akira5, Lei Jianhai6 and Linjing Jiang7
1 Faculty of Sport Sciences, Waseda University, Saitama, Tokorozawa, 359-1192, Japan; [email protected]
2 Graduate School of Sport Sciences, Waseda University, Saitama, Tokorozawa, 359-1192, Japan.
3 Faculty of Sport Sciences, Waseda University, Saitama, Tokorozawa, 359-1192, Japan.
4 Faculty of Sport Sciences, Waseda University, Saitama, Tokorozawa, 359-1192, Japan.
5 Faculty of Humsn Sciences, Waseda University, Saitama, Tokorozawa, 359-1192, Japan.
6 Wen yuan of Lishui City School, Lishui City, Zhejiang Province, China.
7 Institutes of Innovation for Future Society, Nagoya University, Nagoya, 464-8601, Japan.

Publishment Date(Local Time):2026年7月8日
Publishment Date(Japan Time):2026年7月8日
(オンライン掲載の場合/For online publication)
URL:https://www.frontiersin.org/journals/public-health/articles/10.3389/fpubh.2026.1810566/full
DOI:10.3389/fpubh.2026.1810566