先進理工学研究科 博士2年生 栗林 雅希
- 派遣期間:2024年1月~5月
- 派遣先大学:ボストン大学
- 派遣先国・地域名:アメリカ、マサチューセッツ、ボストン
海外派遣を希望した理由
私がこれまでやっていた研究領域(アクセシビリティ=視覚障害者支援)とこれからやりたい研究領域(AI)の両方をやっている先生について2023年6月のCVPRという学会に参加したところ知りました。これからのキャリアアップのためにその先生の元で研究したいと思っていたところ、SGUに支援していただける機会をいただき、渡航いたしました。
研究内容・成果
ボストンでは視覚障害者支援の大規模言語モデル(LLM)活用について研究しました。また、私が今まで投稿したことない分野でのトップ会議に論文を2本(1本主著、1本共著)を投稿することができました。AI 研究をしている先生は沢山いらっしゃいますが、視覚障害者支援と絡めてしている先生はボストン大学の先生だけで、非常に有意義な研究テーマに取り組む事ができました。
学校環境
ボストン大学は街中に溶け込んでおり、またアクセスも非常に良いところにあります。街中に溶け込んでいる分、キャンパスは非常に広かったです。遠いキャンパスまでの移動は専用バスがあったので快適でした。また、ジムやクラウドコンピューティングサービスも準備されており、公私共に充実した日々を送ることができました。先生が私専用の広いデスクや強力なGPUサーバを用意してくれたので渡航後も特に環境や計算資源に困ることなく研究できました。

ボストン大学のキャンパス。

街中に溶け込んだボストン大学の風景
国際交流
ラボは留学生がメインのラボでした。インド、韓国、中国、日本など様々な国からトップの学生が学びに来ておりました。日本と地理的に近い国出身の学生でも仕事をしていくという意味では日本人と全く違った仕事方法やコミュニケーション方法を取るので、非常に貴重な体験をすることができました。
住居環境
ボストンは物価が非常に高いです。なので、基本的に学生はシェアハウスをしています。私はロシア人の家族が住んでいる家の一室に泊まらせていただきました。ボストンではFacebookの賃貸探しコミュニティで宿泊先を探す事が一般的で、私もFacebook経由で探しました。Facebookのページにボストンに滞在する時期、滞在したい場所、自分の簡易的なプロフィール情報を載せることで様々な方から連絡が届きます。ただ一点注意が必要なのは、たまに破格の値段でとても良い場所に住む事ができると連絡をくれる方がいるのですが、基本的に相場から大きくはずれた値段を提示してくる方は怪しいので、連絡を取らないようにする必要があります。2023年時点では、ボストンでは大学から30-60分くらいの場所で月々800-1200ドルが相場なので、そのレンジで探しました。
周辺環境
ボストンは非常に有名な街で、ものすごく栄えている印象がありましたが、私の生活圏内は長閑な自然が豊かなエリアでした。特にアジアンスーパーが大学の近くにあったことは非常に嬉しいことで、食事に困ることはありませんでした。また、ボストンは路面電車で快適に移動できるため、通学も非常に便利でした。治安も良く、生活環境という意味では良い場所でした。近くにバーバード大学があるので週末にはハーバード大学のミュージアムに行き、観光しました。

ハーバード大学のミュージアムの入り口
また、ボストンは海鮮類が非常に有名で週末はラボのメンバーと一緒にロブスターやクラムチャウダーを食べに行ったりもしました。

クラムチャウダーとロブスターロール

ロブスターの丸焼き
海外経験を経て、今後の目標と終わりに
SGU制度のおかげでアメリカに行き、自分のコンフォートゾーンから抜け出し、新しい分野にチャレンジすることができました。また、海外の研究者と日々議論しながら研究に打ち込む事ができ、非常に貴重な経験をする事ができました。今後は自分の専門であるアクセシビリティとAI絡めて日本で研究を進めていきたいと思ってます。皆さんも是非とも自身の研究を前進させるためにSGU制度を活用してみてください。