Frontier of Embodiment Informatics: ICT and Robotics, Top Global University Project早稲田大学 ICT・ロボット工学拠点

海外派遣学生

樋口 陽祐
Yosuke HIGUCHI

基幹理工学研究科 博士2年 樋口 陽祐 Yosuke HIGUCHI

  • 派遣期間:2022年2月~7月
  • 派遣先大学:カーネギーメロン大学
  • 派遣先国・地域名:アメリカ

 

海外派遣を希望した理由

米国ペンシルベニア州ピッツバーグにあるCarnegie Mellon University (CMU)のLanguage Technologiesにて、音声認識の研究に従事した。訪問先である渡部晋治先生の研究室は、音声処理分野において、世界を牽引する研究グループの一つである。世界中から優秀な研究者が集まっており、ここまで音声処理の研究に特化した環境は世界的にも珍しい。これら優秀な人材の中に実際に身を置いて研究生活を送ることで、博士研究の構想を見直し、今後のキャリアについて考えることを目的とした。

 

現地での研究内容・成果

大規模汎用言語モデルを用いてEnd-to-End音声認識システムを構築することを検討した。End-to-End音声認識とは、音声波形から文字列へのダイレクトな変換を、単一の深層ニューラルネットワークによりモデル化する技術である。このとき、入力の音声と出力の文字では情報としての特性が大きく異なるため、音声情報から言語情報を抽出する仕組みを効果的に設計する必要がある。本研究では、大規模汎用言語モデルから得られる言語に関する知識を活用する、End-to-End音声認識の新たな定式化を提案し、従来手法よりも高い認識精度が達成できることを確認した。当該成果は言語処理分野のトップ国際会議に投稿した。他にも、渡部研究室の学生と様々な研究テーマでコラボレーションすることができ、主著・共著合わせて国際会議4本分の成果を得ることができた。

 

学校環境

CMUは学業・研究に励む場所として、非常に整った環境であった(大学周辺に娯楽施設が全くないというのもあるかも)。緑豊かな広いキャンパス、いたるところにある自習・会議スペース、深夜まで運行している無料シャトルバスなど、早稲田大学とはまた違った環境で研究に打ち込むことができた。コロナにより、研究室のメンバーと対面で交流する機会があまり無かったのが少し残念だが、不定期的なソーシャルイベント(夕食会やBBQなど)を通して、様々な研究者とコネクションを作ることができた。

LTIのあるGates & Hillman Centers

ある日の夕食会

 

住居・周辺環境

宿泊先としては、Squirrel Hills SouthにあるAirbnbのシェアハウスを利用した。大学まで近く(徒歩30分/バスで15分)、周辺にはスーパーマーケットやレストランが充実していたため、非常に住みやすい環境だった(騒音や虫の大量発生といったトラブルもあったが、今となれば良い思い出)。大学の周りは治安が良く、夜中に歩いて帰宅したり早朝から観光に行ったりしたが、全く問題はなかった。

Airbnbの宿泊先(家具やキッチン用品が揃っている場所を選んだ)

早起きして日の出を見に行った

 

現地の文化など日本との違い

CMUでの研究生活の中で日本と違うと感じた点の一つとして、現地の研究者からは常に周りを助けようという姿勢が感じられた。今回の研究テーマを遂行するにあたり、計算資源の使い方から提案手法の定式化まで、渡部研究室の学生に様々なことについて相談に乗ってもらった。その中で、現地の研究者からは、自分が持っている技術や知見を積極的に共有することで、他人の研究でもその内容をより良いものにしようとする意識が感じられた。自分の研究だけに閉じず、その経験を精力的に周りにアウトプットすることで、質が高く多様な研究成果が生まれるということを実感した。こういったコラボレーションに対する意識は、現在の自分の研究室に欠けている部分であり、本留学の経験を活かして改善していきたいと考えている。

 

海外派遣を経て今後の目標

今回の留学を経て、海外での活動を視野に入れたキャリアパスを考えるようになった。渡部研究室に限らずCMUの学生は皆グローバルに活躍できる人材を目指しており、彼らと交流する中で、自分も世界に通用するような研究者になりたいと感じた。今回の研究留学を含め、多国籍の研究者たちと多種多様な視点から研究を進めることはとても楽しく、今後もこういった環境に身を置く努力をしていこうと思っている。

 

謝辞

スーパーグローバル大学創成支援には、海外留学という貴重な機会を与えてくださり、深く感謝いたします。コロナ禍で海外渡航が困難な状況であったのにも関わらず、金銭面および安全面にも多大なるご支援をいただいたおかげで、何一つ不自由なく現地での研究生活を送ることができました。また、今回の留学にあたり、学内手続きをはじめとした多くのサポートをしていただいた西村さんと池田さんに、心から感謝いたします。

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